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吉田酒造

代表銘柄:月山・智則

島根県

SHIMANE

1743年創業

吉田酒造の建物
吉田酒造の建物(2022年撮影)「Yoshida Sake Brewing 2022 3.jpg」 — 写真:皓月旗 / CC BY 4.0縮小・WebP変換

島根県安来市広瀬町に位置する吉田酒造は、寛保3年(1743年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「月山」は、蔵からのぞむ月山(尼子氏の居城・月山富田城があった山)と、その年最高の酒を「月山」と名付けて殿様に献上した故事に由来します。

最大の特色は仕込み水にあり、不昧流茶道で最高の名水と称され「島根の銘水百選」にも指定された「お茶の水井戸」を復元した硬度0.3程度の超軟水を使用しています。発酵管理が難しい超軟水を用い、地元産をはじめとする米と合わせることで、口当たりが柔らかく、フレッシュで芳醇な香りとキレのある味わいを引き出しています。

「日本酒の登竜門」となる酒を目指し、全国新酒鑑評会での5年連続を含む多数の金賞受賞、広島国税局清酒鑑評会での優等賞(平成25年から令和6年まで12年連続)、島根県新酒品評会での部門1位4回、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」最高金賞受賞など国内外で高い評価を得ています。

吉田酒造の歩み

吉田酒造は、島根県東部、現在の安来市広瀬町にあたる城下町にある酒蔵です。この地には、戦国時代に山陰地方を治めた尼子氏の居城で、難攻不落の城として名高い月山富田城の跡があります。吉田酒造は寛保3年(1743年)に、広瀬藩の藩公特許による酒造館として始まりました。旧家は享保15年(1730年)から「安屋坂店(やすやさかみせ)」の名で酒造りを始めており、いまも酒蔵の煙突に「安」の文字を残して、その思いを受け継いでいます。旧家の歴史も合わせると約300年、この安来の地に根ざした酒造りを続けてきました。

代表銘柄「月山」の名は、蔵からのぞむ月山に富田城があったことに由来します。この地では、その年にいちばん良い仕上がりの酒を「月山」と名付け、一番樽、つまり最高の酒として殿様に献上していた歴史がありました。この背景になぞらえ、殿様へ献上していたような最高の酒を常に造りつづけることを目指して、銘柄を月山と命名しました。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に19回入賞し、そのうち金賞は12回です。金賞は平成14、17、18、21酒造年度、平成25から29酒造年度までの5年連続、令和3、6、7酒造年度に受けました。令和6酒造年度は「月山 大吟醸」での金賞です。令和元酒造年度は決審が行われず金賞が選ばれない年で、予審を通過して入賞しています。

地元の広島国税局清酒鑑評会(鳥取・島根・岡山・広島・山口の5県が対象)では、平成19年から23年までの5年連続と、平成25年から令和6年までの12年連続で優等賞を受けています。平成25、26、27年は「香り」「味」「燗酒」の3部門すべて、令和5年は吟醸酒・純米酒・燗酒の3部門すべてで優等賞でした。このほか平成15、17、18年にも入賞しています。

島根県酒造組合が開く県内の島根県新酒品評会(2019年に第1回)では、2022年と2024年と2026年に純米酒部門、2023年に吟醸酒部門で1位となり、2020年から2025年にも毎回、吟醸酒部門か純米酒部門で3位以内に入っています。

ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2016年に月山が最高金賞、2017年から2019年にも毎年金賞を受け、2020年には「月山 スパークリング クラウド」がスパークリング部門で金賞です。2022年にはクラウドがIWCスパークリング酒部門のゴールドメダルとKura Masterスパークリング酒部門の金賞を受け、「月山 特別純米 出雲」と「月山 特別純米」はKura Masterの純米酒部門でプラチナ賞でした。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵のある広瀬で汲み上げる硬度0.3の超軟水です。江戸時代に広瀬藩の歴代藩主がこの辺りでいちばんおいしいと愛飲し、不昧流茶道で最高の水と言われた名水「お茶の水井戸」を復元したもので、不昧流の茶室を設けたとされる文献から場所を特定して汲み上げています。島根の銘水百選にも指定されています。ミネラルの少ない軟水は酵母の繁殖が穏やかで酒造りには扱いにくい水ですが、香りや味を引き出しやすく、華やかな香りと米本来の旨みを感じやすい酒になることから、あえて使っています。

米は、安来市広瀬町西比田の契約農家が育てた米を玄米で仕入れ、蔵の中の精米機で精米します。雑味を抑えるため、普通酒も純米酒も30%以上は削ります。酒母は、ミネラルの少ない超軟水を使うため、酵母のペースに合わせて丁寧に仕込みます。使うのは、タンクが泡でいっぱいになって少量しか造れず、扱いが難しいことから今では使われることが少なくなったあわ酵母です。月山特有の香りと酸の立ったキレのある味わいはこの酵母が要で、あえて難しい造りに挑み続けています。麹は2日以上かけて育て、醪は約1か月かけて発酵させます。

搾りは自動濾過圧搾機で行います。アコーディオンのようなシリコン製のフィルターに空気を入れて風船のように膨らませ、間に挟んだ醪に圧力をかけて酒と酒粕に分けます。搾った酒は、酸素に触れて酸化が進まないよう、フィルターをかませてタンクの出し口から入れる、通常とは異なる方法で移します。タンクに移してからわずか1週間で65度の火入れを行い、すぐに瓶詰めして瓶貯蔵で保管します。2022年12月には瓶詰めの新工場が稼働し、絞った直後に近い状態の酒を出荷できるようになりました。

そのため、特別純米クラス以上では発酵由来の微炭酸が残ることがあります。

酒粕は食用として販売するほか、山陰では吉田酒造にしかない最新の機械で減圧蒸留し、粕取焼酎「月山 リゾッパ(RISOPPA)」の原料にします。純米、純米吟醸、純米大吟醸の絞り粕だけを使った、吟醸香あふれる35度の焼酎です。清酒では、生酛造りを応用した「おろち」、瓶内二次発酵のスパークリング「クラウド」、低グルテリン米「春陽」で醸す「春陽70」「春陽60」のほか、夏の涼夏、秋のひやおろしといった季節限定酒もそろえます。

代表銘柄

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月山

蔵の代表銘柄で、日本酒が初めての人にも楽しんでもらえる「日本酒の登竜門」を目指しています。硬度0.3の超軟水で仕込み、フレッシュで香り高く、キレのある味わいが持ち味です。難しく考えずに楽しめる入り口の一本でありながら、あわ酵母を使った難しい造りに挑み続け、全国新酒鑑評会や国税局の鑑評会で評価を重ねてきた蔵の看板です。

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智則

代表取締役、吉田智則さんの名を冠した限定酒で、特約店の中でも絞られた酒販店だけで流通します。純米吟醸の直汲み、中取り、無濾過生原酒の商品では、島根県オリジナルの酒米・佐香錦を55%まで磨き、アルコール度数は16度で、搾りの中ほどの部分だけを瓶詰めします。直汲みならではのフレッシュ感と果実味があり、爽やかな酸と旨みのバランスが持ち味です。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵(安来市広瀬町広瀬1216)で小売販売を行っています。オンラインショップもあります。
補足
蔵見学は受け付けていません。蔵開きは、新型コロナウイルスの影響で見送りが続いたあと、2024年10月20日に5年ぶりに開催されました。2026年8月の告知では10月24日(土)の開催を予定し、JR安来駅から無料のシャトルバスが運行されます。蔵人による蔵内案内や、山陰の人気店が出店する「酒蔵deマルシェ」も用意されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
島根県安来市広瀬町広瀬1216
創業
1743年
公式サイト
e-gassan.co.jp

出典

yasugi-kankou.com / sakenomy.jp / e-gassan.com / sakeproject.jp / m-pa.net / umaisake2024.com / shimane-sake.or.jp / jozo.or.jp / e-gassan.co.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / web.archive.org / finesakeawards.jp / wakamatsuyasaketen.com / sakaya-kurihara.jp / saketime.jp / sakenowa.com

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