都錦酒造
代表銘柄:都錦
島根県
SHIMANE
1884年創業
明治17年(1884年)創業。古くは「石見国都濃郷」と呼ばれた地域にあり、周辺の山々が紅葉で錦のように彩られる様子にちなんで「都錦」と命名されました。醸造場は島根県江津市に位置し、中国地方一の流域面積を誇る江の川の近くで、敷地内の井戸から汲み取る「錦彩水(きんさいすい)」を仕込み水に使用しています。自然の恵みと微生物の力を生かしたナチュラルでシンプルな酒造りをモットーとし、環境保全型農業により育てられた特別栽培米などを原料とした米原料100%の清酒を製造しています。
原則としてブレンドや炭素ろ過を施さず、発酵そのままの姿を封じ込める造りにこだわっているのが特徴です。代表銘柄には「都錦」のほか、素材主義の純米酒「農酵酒(のうこうしゅ)」や純米料理酒「御厨(みくり)」などがあります。全国新酒鑑評会では昭和60酒造年度から平成14酒造年度までに金賞を9回受賞しており、2019年に酒造りを再開しています。
都錦酒造の歩み
都錦酒造は、明治17年(1884年)に創業した島根県江津市の酒蔵です。創業の地は、古くは石見国の都濃と呼ばれた一帯にあたります。蔵と銘柄の名は、冬に仕込んで春に搾った酒が夏を越えて熟成し、最も味わい深くなる秋に、高都濃山(高角山)をはじめ周囲の山々の木々が紅葉して錦のように彩られる様子にちなんで付けられました。所在地は現在も江津市嘉久志町で、日本海に注ぐ江の川に近い土地です。
法人としての設立は昭和26年(1951年)3月10日です。休止前の蔵は、出雲杜氏の岩成重徳氏が熟練の蔵人とともに手づくりで醸していました(2008年の旧公式サイトの記載)。全国新酒鑑評会では、昭和60酒造年度から平成14酒造年度までに金賞を9回受賞しています。内訳は昭和60・61・62、平成元・3・4・5・9・14酒造年度で、旧公式サイトの2008年時点の記載を酒造年度に直したものです。平成14酒造年度以降の入賞は、この平成14酒造年度と平成24酒造年度の2回です。
広島国税局の鑑評会では、平成14年の新酒鑑評会と平成17年の清酒鑑評会(本醸造酒の部)、平成18年の清酒鑑評会(吟醸酒の部)でいずれも入賞しています。
事業の経緯は、銘柄情報サイトの記載によると、平成26年(2014年)12月に事業を休止し、平成29年(2017年)に江津市の原工務所が事業を継承、令和元年(2019年)5月に事業を再開したとされます。2022年時点の公式サイトの組織概要では、代表取締役は原諭氏、取締役は創業家の森脇貞博氏です。
再開後の蔵は、創業家の森脇貞博氏が自ら醸造に携わりながら、「ナチュラルでシンプル」を掲げた酒造りを進めています。環境保全型農業で育った特別栽培米を使う純米酒「農酵酒」、副原料を使わない純米料理酒「御厨」、浜田市弥栄の米で仕込む「秘境 奥島根 弥栄」が、蔵の中心になっています。令和3年(2021年)3月には、日々の食卓向けの新しい定番として「錦樹」シリーズ4種を発売しました。県産のうるち米を使い、酵母や醸造方法を変えて風味に変化をつけた純米酒の「若葉」「常磐葉」「黄朽葉」と、兵庫県産山田錦の純米吟醸酒「濃紅葉」です。
発売時の2021年に、森脇取締役は「毎晩の食卓の楽しみにしてほしい」と話していました。
再開後は、酒の評価も重ねています。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2021年に「農酵酒 sign50」がプレミアム純米部門(出品277点)の最高金賞16点の1つに選ばれ、「錦樹 濃紅葉 純米吟醸」も同部門の金賞に入りました。2022年は「錦樹 黄朽葉」がメイン部門で最高金賞、2023年は「錦樹 黄朽葉」がメイン部門で、「錦樹 濃紅葉」がプレミアム純米部門で、それぞれ金賞です。全米日本酒歓評会2021では、「農酵酒 sign50」が吟醸部門で金賞を受賞しました。
全国燗酒コンテストのプレミアム燗酒部門では、2022年に「農酵酒 sign70 諧和」が最高金賞、「錦樹 黄朽葉」が金賞に入り、2023年は「農酵酒 sign88 八十八」と「錦樹 黄朽葉」が金賞を受賞しました。広島国税局清酒鑑評会の優等賞は、令和2年に「都錦 純米吟醸酒」、令和3年に「農酵酒 sign50」(純米吟醸酒)がいずれも純米酒部門で、令和4年に「農酵酒 sign70」(純米酒)が燗酒部門で受けています。
酒造りの特徴
仕込みに使うのは、蔵の敷地にある複数の井戸のうち、特に選んだ井戸の水です。酒造用水としては硬水に分類され、多様で多量のミネラルを含みます。蔵の立地は太古には海底だったといわれ、地層に自然の貝層が含まれることから、中国山地から日本海へ流れる伏流水が貝層を通るうちにミネラルを帯びるのだろうと蔵では考えています。この水は「錦彩水(きんさいすい)」と呼ばれています。
原料米は、ほとんど全てが島根県産です。寒暖差の大きい中国山地の中山間地で育った米を、土壌の力や個性を映す醸造に欠かせないものと位置づけ、環境保全型農業に取り組む県内の複数のエコファームと直接結びついています。農酵酒の原料米は、奥出雲町稲原の有限会社マザーシップが育てる特別栽培米で、現在は栽培期間中に農薬も化学肥料も使っていません。蔵は、微生物にとって健やかな土壌の実りこそが発酵の力を引き出し、めぐり還って味わいの良さにもつながると考えています。
造りの方針は、米原料100%の酒だけをつくり、原則としてブレンドや炭素ろ過などの調合・調整をしないことです。農酵酒は、発酵が終わったあとの調整も必要最小限にとどめ、その都度の発酵のありようをそのままボトルに封じます。そのため同じ産地・品種・精米歩合の米、同じ系統の微生物でも、風味や口当たりは少しずつ異なります。蔵はこの揺らぎも味わいのうちとしています。数十日にわたる発酵のあいだ、水や温度を介して微生物と向き合い、人の意図を押しつけずに流れを整えていくことを心がけています。
農酵酒には、精米歩合88%でエクストラドライの「sign88 八十八」、同70%でドライの「sign70 諧和」、同50%の純米吟醸酒でスイートでリッチな「sign50 交響」の3種があります。純米料理酒「御厨」は糖類や醸造アルコールを使わず、発酵中にできるアミノ酸は飲用の清酒の約5倍(当社比)で、原料は島根県産の慣行農法米です。
「秘境 奥島根 弥栄」は、一般社団法人奥島根弥栄、酒舗いたもとの坂本孝治氏、都錦酒造の協同による特別純米酒で、浜田市弥栄町産のつや姫を精米歩合60%で仕込み、2019年産から2021年産が出ています。農酵酒と御厨のラベルの玉状の模様は、発酵で生じる泡や酵母、米のイメージと重ねたデザインです。
代表銘柄
都錦
蔵の名を冠した銘柄で、蔵は全国新酒鑑評会で昭和60酒造年度から平成14酒造年度までに金賞を9回受賞し、平成24酒造年度にも入賞しています。広島国税局清酒鑑評会でも平成14年、17年、18年に入賞し、令和2年には「都錦 純米吟醸酒」が優等賞に選ばれました。清酒「都錦」は精米歩合60%、アルコール分15度、日本酒度±0で、風味は芳醇ながら飲み心地は軽やかな一本です。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵のオンラインショップで販売しています。
- 補足
- 蔵見学は受け付けていません。蔵の営業時間は平日8時から17時で、土曜・日曜・祝日は休みです。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 島根県江津市嘉久志町イ1415番地
- 創業
- 1884年
- 公式サイト
- miyakonishiki.jp
出典
sakeworld.jp / sake-times.com / kurashimanet.jp / shimane-sake.or.jp / seesaa.net / liqlog.com / compalyze.co.jp / miyakonishiki.jp / miyakonishiki.net / mainoichi.com / japansake.or.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / sanin-chuo.co.jp / sakeno.com / 52hataraku.net
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