丸山酒造
代表銘柄:織星・金大星正宗・瞬喜道
埼玉県
SAITAMA
1873年創業
埼玉県深谷市に所在する丸山酒造は、明治6年(1873年)創業の酒蔵です。創業時からの主力銘柄「金大星(正宗)」は大相撲の「金星」にちなんで命名されました。平成13年(2001年)には、かつて深谷で発展していた織物産業や養蚕業、そして夜空に綺麗に見える星に由来するブランド「織星」が誕生しました。
酒造りにおいては「少量仕込み」「丁寧な酒づくり」を掲げており、地元深谷産米の「彩のかがやき」や、利根川からの豊かな伏流水(井戸水)を仕込み水として使用した地産地消の地酒造りを行っています。また、赤城山から吹き下ろす冬の乾燥した冷たい季節風(赤城おろし)による冷え込みも酒造りに適した環境となっています。
なお、「織星」純米吟醸は江戸料理の歴史を持つ料亭「八百善」の正式採用酒となっているほか、埼玉工業大学との産学連携による酒造り(特別純米酒「瞬喜道」)など、地域と連携した取り組みも行っています。
丸山酒造の歩み
丸山酒造は、埼玉県深谷市横瀬にある酒蔵です。創業は明治6年1月で、法人としての設立は昭和29年9月です。初代の和吉は越後国中頸城郡柿崎村の生まれで、江戸時代の終わりごろに親戚である上州の酒蔵へ奉公に上がり、18歳で番頭に昇格しました。26歳になった明治6年の正月に功績を認められ、群馬県赤岩村で嶋崎屋として独立創業しました。当初は本店の酒を主体に、味噌や醤油などよろず商いで生計を立てていました。
明治9年には、現在の熊谷市下奈良にあたる地で酒蔵を借り受けて酒造業を始め、7年間営業しました。酒名の「金大星」は、大相撲の金星にちなみ、造り酒屋として大成するようにとの願いを込めて名づけられました。明治16年には、当時の埼玉県榛沢郡横瀬村にあった荻野七郎兵衛の酒蔵を借り受けて営業を始め、のちに荻野家から酒蔵を買い取り、新築と修築を重ねて現在に至っています。
この横瀬の酒蔵は、北武蔵きっての豪農だった荻野七郎兵衛が江戸時代初期に酒造りを始めたのが起こりです。その後、近江商人の日野屋与吉が蔵を借りて明治12年まで営業していました。万延元年(1860年)築造の建物を含む酒蔵全体は、平成6年に埼玉県の近代化遺産となっています。蔵は渋沢栄一の生誕地である深谷にあり、近くには旧渋沢邸「中の家」が残ります。蔵には日本煉瓦製造の煉瓦を使った建物があり、埼玉県は渋沢栄一ゆかりの地の一つとして丸山酒造を挙げています。
酒造りの体制は平成10年に大きく変わりました。それまでは南部杜氏や越後杜氏といった酒造職人に酒造りを任せていましたが、この年から社員による酒造りを始め、従来の酒質は大きく変わりました。平成13年には、織物と養蚕で栄えた土地の歴史と、星が美しく見える土地柄にちなんだ新ブランド「織星」が生まれました。
近年は産学連携や共同開発にも取り組んでいます。平成24年(2012年)に始まった埼玉工業大学の学生プロジェクトと協力し、特別純米酒「瞬喜道」を造っています。2013年2月には、理化学研究所と埼玉県産業技術総合センターとの共同開発による純米大吟醸「仁科誉」を発売しました。また、毎年4月には蔵びらき「金大星蔵びらき」を開き、2025年4月20日に第11回、2026年4月19日に第12回の開催が告知されています。令和2年から4年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となり、令和5年に3年ぶりに開かれました。
酒造りの特徴
蔵のある埼玉県北部の豊里地区は、冬の酒造りの時期にほとんど雨や雪が降らず、日本でも特に晴天率の高い、乾燥した地域です。近くを利根川と荒川が流れ、豊富な地下水脈にも恵まれています。蔵は伝統の技法を引き継ぐ「少量仕込み」「丁寧な酒づくり」を掲げています。雑菌が少ない乾いた気候と豊かな水資源という条件を生かし、酒造りは寒さの厳しい時期に行う寒造りに徹しています。
仕込み水には、利根川水系の神流川の伏流水(井戸水)を使っています。水質はミネラル分の多い中硬水で、すっきりとしたコクのある酒に仕上がります。米は地元の深谷産米を使い、同じ風土で育った米と水、同じ地域での酒造りで地産地消を実践しています。今後は地元産米の使用を増やしていく方針で、酒の種類によっては各産地から酒造好適米なども仕入れています。たとえば純米大吟醸「酔眺月」は山田錦を使い、精米歩合50パーセントで少量仕込みの手造りで醸す、蔵の最高峰の酒です。精米は信頼できる精米工場に委託しています。
麹造りは酒の味に大きく関わる工程として、特にこだわって行っています。麹室には煉瓦が使われており、深谷煉瓦製のものです。酒母は酒質に影響し、数種類があります。丸山酒造では速醸系酒母などを用いています。仕込みは酒母と米麹、仕込み水に蒸米を3回に分けて加える三段仕込みです。搾りには自動圧搾機を使っていますが、昔ながらの佐瀬式圧搾機も蔵に備えています。
搾った原酒はブレンドや調整をして貯蔵します。貯蔵にはタンクとビンがあり、いずれも火入れの熱処理殺菌をして貯蔵するのが基本です。ひと夏越して熟成した原酒は、酒質の角がとれてほどよく熟成されます。蔵の見学は通常は行っておらず、毎年4月中旬ごろに開く蔵びらきの日だけ見学できます。
代表銘柄
織星
平成13年に誕生したブランドで、名前は深谷が織物と養蚕で栄えた土地であることと、星が美しく見えることにちなみます。純米吟醸酒は精米歩合55パーセントで、軽いふくよかな甘さの中に豊かな香りが調和し、食中酒に向きます。江戸時代の名門料亭として知られる八百善の正式採用酒でもあります。原材料は米と米こうじで、アルコール分は15度以上16度未満です。
金大星正宗
創業以来の酒名で、大相撲の金星にちなみ、創業者の丸山和吉が命名しました。現在も蔵の主力商品で、普通酒は精米歩合70パーセントのすっきり軽快な味わいです。本醸造酒は深谷産米の彩のかがやきで醸し、精米歩合は60パーセントで、料理や肴に合わせやすい食中酒として勧めています。本醸造酒は2010年にリニューアルされました。
瞬喜道
埼玉工業大学が2012年に始めた学生プロジェクトと連携して生まれた特別純米酒です。米作りから酒造り、製品作りまで学生とともに取り組みました。2017年2月には学生が蔵で酒造りの合宿を行い、5代目を仕込んでいます。地元深谷産米で醸し、精米歩合は60パーセントです。やわらかく芳醇な味わいに仕上げています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵に併設の丸山酒店(深谷市横瀬1323)で販売しています。営業時間は10時から12時と13時30分から17時です。
- 補足
- 蔵見学は通常は受け付けていませんが、毎年4月中旬ごろに開く蔵びらき「金大星蔵びらき」(入場無料)の日は見学できます。2026年は4月19日の10時から16時に開催が告知されました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 埼玉県深谷市横瀬1323
- 創業
- 1873年
- 公式サイト
- www.maruyamasz.com
出典
maruyamasz.com / saisake.com / fukayanowaza.jp / sakenomy.jp / goshu-pro.jp / compalyze.co.jp / maruyama-shuzo.com / hizouno-nihonshu.com / sit.ac.jp / web.archive.org / pref.saitama.lg.jp / nta.go.jp
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