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三原村(どぶろく特区)

代表銘柄:椿姫の伝説・あのこ・このこ

高知県

KOCHI

高知県幡多郡三原村は、寒暖差のある高原盆地の気候と良質な水に恵まれた米どころです。明治時代の自家醸造禁止で途絶えていたどぶろく造りが、2004年の「どぶろく特区」認定を受けて、村内の農家による製造として復活しました。三原村のどぶろくは単一の酒蔵の酒ではなく、特区のもとで村内の農家が造ってきた濁酒(どぶろく)と、生産農家らの合同会社が造るものを指し、清酒ではありません。

原料は村で栽培された米と米麹のみで、添加物は使わず、火入れをしない生どぶろくです。当初は農家ごとに別々の銘柄を造っていました。

2016年7月には、生産農家らが「土佐三原どぶろく合同会社」を設立しました。2023年1月には共同の製造工場が完成し、同年6月末の製造許可を経て、共同製造品の「あのこ」(辛口)と「このこ」(甘口)が生まれています。

三原村(どぶろく特区)の歩み

高知県幡多郡の三原村は、幡多の6市町村のうち唯一海に面していない山間の村です。標高120〜200mの高原盆地に位置し、寒暖差と良質な水に恵まれた米どころとして知られています。この村では昔、どの家でも自分の田の米を使い、ごく当たり前のようにどぶろくを造っていたと伝わります。しかし明治32年に酒造免許の鑑札を持つ者以外の醸造が禁じられ、その味は幻となりました。

転機は2004年です。三原村は酒税法の特例によるどぶろく特区(濁酒特区)の認定を受け、昔ながらの濁酒を再び造れるようになりました。厳しい条件を乗り越えて立ち上がったのは7軒の農家で、全国でも初めての農家食堂・農家レストランとして、自家栽培米のどぶろくを提供し始めました。村内の米農家と村が力を合わせて、ゼロから「三原村のどぶろく」という文化を育て、村は「どぶろく特区発祥の村」として発信してきました。

当初は農家ごとに別々の銘柄を造っており、さっぱりと飲みやすいものから、米本来の甘みや粒感を強く感じるものまで、7つの異なる味わいがありました。販路を広げ、取引先が全種類を一度に仕入れられるようにするため、2016年7月に生産農家らが「土佐三原どぶろく合同会社」を設立しました。7つの味を試せる呑み比べセットの販売も、この流れの中で始まっています。

特区認定から約20年が過ぎると、生産者の高齢化と後継者不足、そして衛生管理の厳格化が課題になりました。気密性のない納屋でのどぶろく造りは異物混入の恐れがあるとして難しくなったのです。そこでそれぞれの銘柄を造っていた生産者たちが協力し、新しい銘柄を合同で製造することを決めました。2023年1月にどぶろく製造工場が完成し、同年6月末に製造許可が下り、新銘柄の「あのこ」と「このこ」が誕生しました。2023年12月には、三原村が合同会社でどぶろく造りを受け継ぐ地域おこし協力隊員を募集しました。

後継者の確保が、この事業の課題になっています。

酒造りの特徴

三原村のどぶろくは、村で栽培された米と米麹だけで仕込む、もろみを濾していない手造りの濁酒です。どぶろくとは、蒸した米に麹や酵母を加えて発酵させ、もろみを濾しとらずに仕上げる手造りのにごり酒のことです。三原村のものは火入れをしない生酒で、食品添加物や酸化防止剤、保存料は使いません。瓶詰め後も瓶の中で発酵が続くため、時間とともにコクやまろやかさが増して味が変わっていきます。開栓時に吹きこぼれることがあり、冷蔵での保管が必要です。

合同会社の共同製造品は、三原米と三原産の麹を使い、ほとんどの工程を手作業で行っています。米づくりから始まり、混ぜ、運び、瓶詰めするまで体力のいる仕事で、2023年12月時点では、20年以上どぶろくを造り続けてきた女性たちが「三原村のどぶろくを世界に」を目標に掲げて取り組んでいます。共同製造の「あのこ」「このこ」のほかに、販売店では「川平郷」というどぶろくも扱われています。

飲み方は、そのまま味わうほか、もろみを濾して上澄みを飲む、柑橘類で割る、夏は氷を入れてロックにする、冬は同量の水と好みの砂糖を加えて40〜50度に温めて甘酒風にする、といった楽しみ方が勧められています。どぶろくの米麹を使った生あまざけ(ノンアルコール)や、どぶろくを使ったケーキ、ロールケーキなども造られています。

代表銘柄

椿姫の伝説

あのこ

土佐三原どぶろく合同会社が2023年に生み出した共同製造のどぶろくで、辛口のタイプです。村で栽培された米と米麹だけで醸し、もろみを濾さずに仕上げます。キリッとした爽やかな酸味が特徴で、三原村のどぶろく造りの門外不出のノウハウを集めた一本として位置づけられています。飲み方は上澄みや柑橘割りなども勧められています。

このこ

土佐三原どぶろく合同会社が2023年に生み出した共同製造のどぶろくで、甘口のタイプです。優しい米の甘さが口に広がり、より飲みやすい仕上がりです。火入れをしない生酒のため、瓶詰め後も発酵が進み、時間とともにコクやまろやかさが出て味の変化を楽しめます。辛口の「あのこ」と対になります。名前には、我が子のように造ってきたどぶろくが多くの人に愛されてほしいという願いが込められています。

見学・購入

直売所
土佐三原どぶろく合同会社の所在地は高知県幡多郡三原村宮ノ川で、受付時間は平日の9時から15時まで(土日祝休み)です。製品はオンラインショップや販売店で購入できます。
補足
三原村商工会が紹介する「どぶろく祭り」は、復活したどぶろくをまず近くの市町村の人に知ってもらい、味わってもらいたいという思いから始まったお祭りです。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
高知県幡多郡三原村宮ノ川1207-1
公式サイト
mihara-doburoku.com

出典

meti.go.jp / c-kochi.jp / kochi-iju.jp / shinkin-connect.jp / kochi-shokokai.jp / 40010.com / vill.mihara.kochi.jp / mihara-doburoku.com / matsumoto-saketen.p-kit.com

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