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桜田酒造

代表銘柄:初桜・大慶

石川県

ISHIKAWA

1914年創業

石川県珠洲市蛸島町で1914年(大正3年)に創業した酒蔵です。代表銘柄は「初桜(はつざくら)」や「大慶(たいけい)」があります。創業当初は「大慶」の名称で販売が開始され、昭和初期に蔵元の家名から「初桜」へと改称、平成元年に純米酒「大慶」が復活した歴史を持ちます。

古くから漁師町として栄えた蛸島に位置し、被災前は製造される酒の多くが地元で消費されるなど、地元の漁師や住民に長く親しまれてきました。被災前は手作業で、飲み飽きない本醸造酒や純米酒などを醸造していました。

2024年1月の能登半島地震により酒蔵、貯蔵庫、店舗、住居が全壊する甚大な被害を受けましたが、石川県白山市の車多酒造から設備の提供を受けて「共同醸造」を行うなど、酒造りを継続しています。2026年10月時点で珠洲市内での営業は休止中で、地元での酒蔵再建に向けて準備を進めています。

桜田酒造の歩み

桜田酒造は、能登半島の先端近く、石川県珠洲市蛸島町にある酒蔵です。大正3年(1914年)に蛸島村で初代の櫻田惣太郎が創業し、輪島税務署から清酒製造免許を得て酒蔵の建設を始めました。翌年に製造を始め、創業時の銘柄は「大慶」でした。蔵では、漁師町の蛸島で大漁のときに「大慶」と喜び合ったことにちなむ名だと説明しています。昭和初期に家名の櫻田にちなんで銘柄を「初桜」に改め、平成元年(1989年)に「大慶」を純米酒として復活させました。

被災前の蔵は家族4人で営む小さな酒蔵で、四代目の櫻田博克さんが蔵元杜氏を務めていました。以前は杜氏を雇って酒造りを任せていましたが、のちに蔵元自らが杜氏になりました。被災前は酒の多くが地元の珠洲で飲まれ、とくに「初桜」は全体の99%が珠洲市内で、そのうち6割が蛸島町で消費されていました。2024年4月時点では、櫻田さんは鳳珠酒造組合の理事長も務めていました。

2023年5月に珠洲で震度6強の地震があり、蔵は崩れた土壁の修理を終えて、2024年1月に酒造りを始める準備を整えていました。その矢先の2024年1月1日、能登半島地震で酒蔵、貯蔵庫、店舗、住居が全壊しました。櫻田さんと家族は無事でしたが、蔵元は一時、廃業も考えました。奥能登の11の酒蔵のうち9蔵が全壊し、2蔵が半壊する被害でした。

転機は1月中旬でした。がれきの下から、約3分の1にあたる135袋の酒米が使える状態で見つかりました。櫻田さんは約30年来の友人である白山市の車多酒造(天狗舞)の車多一成さんに協力を頼み、2024年3月12日に、通常より2か月遅れで酒造りを再開しました。同じ3月には、アステナグループ(AMトレーディング)の企画で2023年に櫻田酒造が醸造した純米大吟醸「桃花鳥(とうかちょう)」500本が冷蔵庫の中で無傷のまま見つかり、経費を除く売上の全額を再建に充てる応援購入がMakuakeで始まりました。

倒壊した建物は、4月下旬に解体工事が始まる予定でした。

2026年10月時点で、蔵は珠洲市内での営業を行っておらず営業休止中で、再建に向けて準備中としています。蔵元は2024年3月に、再建までの道のりが5〜6年では済まないかもしれないと語っていました。長男の愼太郎さんは、2026年3月に東京農業大学醸造科学科を卒業し、4月から車多酒造で働きながら、父とともに珠洲での再建を目指しています。

酒造りの特徴

被災前の蔵は、建物の奥にある昔ながらの酒蔵で、基本は手作業の酒造りでした。蔵元は、蔵に棲みついた多くの酵母と向き合いながら造っていました。仕込みは麹と蒸米を3回に分ける三段仕込みで、最後の四段目にもち米を加えます。能登の酒蔵にはもち米を使ってきた歴史があり、蛸島の漁師に好まれる甘口に仕上げる工程の一つです。通りに面した店舗は町の酒屋を兼ね、冠婚葬祭や祭事の酒を買いに地元の人が訪れていました。

主力の日本酒のほかに、清酒をベースにしたリキュールも造っていました。珠洲産の無農薬の梅を使った梅酒、珠洲の二三味珈琲の豆を使った珈琲酒、チョコレート酒の3種類で、酒粕を使った石けんも手がけています。アステナグループ(AMトレーディング)の企画で、珠洲の農家が農薬を使わずに育てた酒米「さくら福姫」を使い、純米大吟醸「桃花鳥」を醸造し、2023年9月に発売しました。

被災後の酒造りは、白山市の車多酒造の蔵で、櫻田さんが車多酒造と共同で醸造する形で続いています。珠洲から約150km離れた蔵で、2024年3月に始まりました。仕込みには手取川の伏流水を使い、酒は車多酒造の商品として販売されるほか、一部は車多酒造の販売ルートで売られます。倒壊した蔵から見つかった酒米で、まず「大慶」を仕込みました。蔵元は、環境が違うので味わいは変わるが、後味はやはり自分の酒だと語り、車多酒造の麹造りを再建する蔵に取り入れたいと考えています。

共同醸造は2025年に2期目を迎え、車多酒造の手配で調達した珠洲市産の酒米を原料の一部に使いました。同じ年には、愼太郎さんと車多酒造の次期蔵元の車多慶一郎さんが中心になり、若い世代向けの共同醸造酒「能登大慶×天狗舞 能登を紬ぐ」を造りました。石川県オリジナルの酒米「百万石乃白」と金沢酵母を使い、醸造は車多酒造の蔵で行われ、利益は櫻田酒造の復興資金に充てられます。

代表銘柄

初桜

昭和初期に家名の櫻田から桜の名をとって改めた銘柄で、地元の珠洲で日常の酒として親しまれてきました。本醸造で、石川門を使い、精米歩合65%、日本酒度0、アルコール度15度です。四段目にもち米を使うため、ほのかな甘みと旨みがあり、燗でも冷やでも楽しめます。地元では冠婚葬祭などで二升入りを贈る習慣があり、その用途で選ばれてきました。2026年10月時点では販売休止中です。

大慶

創業時の銘柄で、蛸島が漁師町だったことから、大漁を喜ぶ言葉にちなんで名付けられました。平成元年に純米酒として復活し、被災前の特別純米酒は百万石乃白を使い、精米歩合55%、金沢酵母、日本酒度±0、アルコール度16度でした。2016年9月には山田錦50%の純米大吟醸も加わりましたが、販売休止中です。被災後は車多酒造の蔵で共同醸造し、車多酒造の商品として復興応援の酒が販売されています。

見学・購入

蔵見学
なし
補足
2026年10月時点で、珠洲市内での営業は行っておらず、営業休止中です。再建に向けて準備中です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
石川県珠洲市蛸島町ソ-93
創業
1914年
公式サイト
sakurada.co.jp

出典

okunoto-ishikawa.net / hands-on-local.com / sakurada.co.jp / youtube.com / nihonmono.jp / suzu.lg.jp / ishikawa-sake.jp / sakenomy.jp / slow-tourism.jp / chunichi.co.jp / tfm.co.jp / prtimes.jp / tengumai.jp / city.suzu.lg.jp / corezo-mall-tokusyu.com

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