原本店
代表銘柄:蓬莱鶴
広島県
HIROSHIMA
1805年創業
広島県広島市中区にある原本店は、1805年(文化2年)創業の老舗酒蔵です。原爆投下による蔵の焼失と再建を経て、1995年に日本初とされるマンション地下に醸造所を構える「マンション蔵」として再スタートを切りました。
気密性の高い地下環境を活かし、徹底した温度管理のもと年間を通して酒造りを行う「四季醸造」を採用しています。また、防水透湿性素材のゴアテックスを活用した独自の麹室を使用するなど、手作業と工夫を凝らした少量仕込みの酒造りを行っています。
過去には平成14(2002)年度・15(2003)年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しているほか、「蓬莱鶴 純米大吟醸 奏」が2023年のG7広島サミット社交夕食会で提供されるなど、高い評価を受けています。
原本店の歩み
原本店は、1805年(文化2年)に広島で創業した酒蔵です。酒名の蓬莱鶴は、蔵のあった白島から宮島の弥山が、不老長寿の仙人が住むという蓬莱山のように望めたことにちなむと伝えられています。1945年の原子爆弾投下で蔵は焼失しましたが、翌年には蔵を再建して酒造りを再開しました。
その後は日本酒の消費が低迷する時代が続き、1990年(平成2年)に先代の5代目が亡くなったのを機に、廃業して蔵の跡地をマンションにする話が進みました。6代目の原純さんは広島大学で発酵工学を学び、当時は他の酒造会社で酒の品質検査や分析にあたっていて、家業を継ぐつもりはありませんでした。それでも、廃業は嫌だという祖母の声と、200年以上続いた酒造りを絶やしたくないという思いから、マンションの中に蔵をつくって酒造りを続ける道を選びました。
1995年(平成7年)から、地上10階・地下2階建てのマンションビルの地下2階で酒造りを始めました。日本で最初のマンション蔵と呼ばれ、2023年時点では広島城に近い市の中心部に残る唯一の酒蔵でもあります。原さんは蔵元と杜氏を兼ね、2023年時点では奥さまと2人で、仕込みから瓶詰め、ラベル貼りまでを手作業で行っています。
品評会にも継続して出品しています。全国新酒鑑評会では平成14酒造年度と平成15酒造年度に金賞を受賞し、令和元酒造年度にも入賞しています。広島国税局の鑑評会では、平成14年(春の新酒鑑評会と秋の清酒鑑評会の2回)から平成16年にかけて入賞し、平成17年から平成22年までは6年続けて優等賞を受けました(平成20年は吟醸酒の部と純米吟醸酒の部の2部門)。令和2年と令和3年にも純米酒部門の純米吟醸酒で優等賞に選ばれています。広島県清酒品評会では、第111回から第118回まで毎回優等賞を受けています。
近年は新しい試みも続けています。コロナ禍で飲食店への出荷が止まった時期に、手間と時間のかかる生酛造りに初めて挑戦し、2021年と2022年の9月に出荷した生酛の純米酒はいずれもすぐに完売しました。2023年5月の広島サミットでは、社交夕食会の日本酒に純米大吟醸「奏」が選ばれました。2026年4月の第121回広島県清酒品評会にも、原さんが杜氏を務める蓬莱鶴が出品されており、いまも地下の蔵で造りが続いています。
酒造りの特徴
蔵は地下2階にあり、麹づくりで大切な「乾燥、温度、清潔」を保つことが最大の課題でした。地下は湿気が多いため、原さんはアウトドア用の透湿防水素材のゴアテックスで麹室をつくりました。空気は通しても水は通さないので結露せず、雑菌が繁殖しにくくなります。ヒーターで温度を保ち、丸洗いもできます。ヒントは、雪山のテントの中でコーヒーを沸かしても結露しないという友人の話でした。この麹室はのちに、酒造機器メーカーが製品化するほどのものでした。
面積も天井の高さも限られた地下の蔵は、少量の仕込みを繰り返す四季醸造に合わせて設計されています。地下の醸造室は温度を通年で管理でき、2023年時点で室温は通年5℃です。2023年時点では700リットル用のタンク4本をフル稼働させ、1回の総米は150kgほどです。1回の仕込みは小さくても、1年を通して仕込むことで生産量を確保しています。酒母は少量仕込みに向く高温糖化酛が基本で、約8日でできあがります。
原料は全量が広島県産の酒米と県産の酵母です。主に使うのは八反錦、千本錦、雄町で、純米大吟醸の「奏」には広島吟醸酵母を使います。地酒に特化した造りです。
生酛造りは、コロナ禍で時間ができたことをきっかけに始めました。天然の乳酸菌で酒母を酸性に保つ昔ながらの方法で、酒母ができるまでに約4週間かかり、その間の管理にも手間がかかります。仕込めるのはタンク1本分だけで、複雑な味わいに仕上がります。原さんは、55度以上の「とびきり燗」で飲むのをすすめています。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
蓬莱鶴
蓬莱鶴は、広島県産の酒米と県産酵母だけで醸す蔵の銘柄です。看板の純米吟醸「奏」(ハーモニー)は、りんごのようなフルーティーな香りと、後味のすっきりした仕上がりが持ち味です。ほかに、アルコール度数10度で牡蠣料理に合わせやすい「一途な純米酒」や、9月に限定出荷した生酛の純米酒もあります。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 蔵の直売所で買えます(広島市中区白島九軒町、2023年時点で営業時間は10時から19時、土曜・日曜は定休)。広島市内の酒販店やスーパーでも取り扱いがあります。
- 補足
- 蔵は市街地のマンションの地下2階にあり、地階への通路の窓から醸造室をのぞけます(2023年時点)。見学を希望する場合は、事前に蔵へ問い合わせるのが確実です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 広島県広島市中区白島九軒町9-19
- 創業
- 1805年
出典
japansake.or.jp / sake-times.com / kotobank.jp / sake-fujimotoya.com / diamond.jp / fc2.com / yohkoyama.com / cliiip.jp / pref.hiroshima.lg.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / web.archive.org / houjin-bangou.nta.go.jp / yamatoya-e.com / mofa.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。