SAKE BREWERY — HIROSHIMA

藤井酒造

広島県竹原市本町3-4-14 1863年創業

紹介

広島県竹原市にて文久3年(1863年)に創業した老舗酒蔵です。明治40年(1907年)に開催された「第1回全国清酒品評会」において、代表銘柄「龍勢」が最高位である優等賞第1位を受賞し、広島酒の品質の高さを全国に知らしめました。

同蔵は「温故創新」をテーマに掲げ、全量純米酒造りを実践するとともに、2023醸造年度からは全量を伝統的な「生酛仕込み」へと転換しました。蔵に棲みつく微生物など自然の生態系を生かした造りを行っています。醸される酒は、米本来のしっかりとした旨味と心地よい酸味が調和した力強い味わいが特徴で、冷酒からお燗まで幅広い温度帯で愉しめる優れた食中酒として支持されています。

看板銘柄の「龍勢」「宝寿」「夜の帝王」をはじめ、コラボレーション等で展開される「ロイファー・1」など多彩な酒を生み出しています。また、創業時の蔵の一部を改修した「酒蔵交流館」では試飲や見学・買い物が可能です。

歴史

藤井酒造は文久3年(1863年)、初代藤井善七によって広島県竹原市に創業されました。瀬戸内海と山に挟まれた竹原の地下には花崗岩の層が広がり、そこを通って湧き出る地下水はきめ細やかで軟らかい性質を持っています。この水質を酒造りに適していると見極めたことが創業の出発点となりました。蔵の裏にそびえる龍頭山の湧き水で仕込んだ酒が格別に勢いの良い出来であったことから、創業銘柄には「龍勢」の名が与えられました。

明治40年(1907年)、日本で初めて開催された全国清酒品評会において、龍勢は最高位である優等賞第一位を受賞しました。雄町米を用い、蔵に棲みつく酵母による伝統的な生酛造りで醸された酒が、全国の蔵元の中で日本一の評価を受けたことになります。この受賞は広島酒全体の品質の高さを全国に知らしめる出来事となりました。

戦後、効率と安定を優先する酒造りが業界全体に広がる中で、手間のかかる生酛造りは次第に姿を消し、龍勢の名も一時封印されます。1974年に純米酒造りとともに龍勢の販売が再開され、1982年には晩酌向けの銘柄「夜の帝王」の販売が始まりました。1989年には5代目・藤井義文氏の代で本格的な復興が果たされ、1999年には本醸造の製造をやめて全量純米蔵への転換を実現しています。

2013年、6代目となる藤井義大氏が竹原に帰郷して家業に加わり、2008年に再開されていた生酛造りの比率を段階的に高めていきました。2018年と2021年の二度にわたる水害で仕込み設備が被害を受けるという逆境を経ながらも、2023醸造年度には全量を生酛仕込みへ転換しました。培養酵母や乳酸菌を添加しない生酛にも挑み、蔵内に89種類もの酵母が棲みついていることが確認されるなど、蔵に息づく自然の生態系を生かした酒造りを追求しています。

酒造り

藤井酒造は米・米麹・水のみで醸す純米蔵で、2023醸造年度から全量を伝統的な生酛仕込みに転換しました。生酛は乳酸菌を添加せず、蔵に自然に棲みつく乳酸菌と酵母の働きによって酒母を育てる技法で、速醸酛に比べて仕込みに倍近い時間と手間を要しますが、その分酒に揺るがない骨格と深みをもたらすとされています。培養した酵母や乳酸菌を加えず、過度な洗浄も行わない方針を取ることで、蔵に自然に存在する微生物の働きをそのまま受け入れ、その年ごとの表情が酒に現れるようにしています。仕込み水には、竹原の地下に広がる花崗岩の層を通って湧き出る、きめ細やかで軟らかい水を用いています。

杜氏は、前任の藤井雅夫氏のもとで約9年間修業を積んだ岡田唯寛氏が2023醸造年度から龍勢の醸造を引き継いでいます。使用米は山田錦や雄町、広島県産の酒造好適米である八反錦など、全量を酒造好適米で賄っており、備前雄町を使った限定銘柄なども手掛けています。決まったレシピに頼るのではなく、その年の米や気候、発酵の進み方を見極めながら醸すことで、年ごとの表情の違いをそのまま酒に映す造りを続けています。もろみの管理では、数値だけに頼らず香りや発酵の動きを確かめながら温度を調整する、対話的なアプローチが取られています。

蔵データ

所在地

広島県竹原市本町3-4-14

創業

1863年(広島県)

公式サイト

fujiishuzou.com

代表銘柄

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龍勢:創業時の文久3年(1863年)から続く代表銘柄です。蔵の裏にそびえる龍頭山の湧き水で仕込んだ酒の勢いが良かったことから名付けられました。明治40年(1907年)の第一回全国清酒品評会では最高位の優等賞第一位を受賞し、広島酒の名を全国に知らしめました。現在は全量生酛仕込みで醸され、蔵付き酵母による米の旨味としっかりとした酸味が調和する力強い味わいが特徴です。

宝寿:名前は、昭和天皇のご誕生に際して新聞の見出しが「宝寿」の文字で埋め尽くされたことにちなみ、最もめでたい酒として名付けられたと伝えられています。縁起の良い酒として贈答にも選ばれてきた銘柄で、特別純米「生一本」は麹米に山田錦、掛米に八反錦を用いて醸されています。

夜の帝王:1982年に販売を開始した銘柄です。酒造りの哲学を体現する龍勢に対し、夜の帝王はまず「うまい」「面白い」と感じてもらうことを重視した、肩肘張らない晩酌酒として位置づけられています。広島県産の酒米「八反錦」を主体に、温度帯の異なる純米酒を数種ブレンドしており、冷やせば辛口、燗をつければ米の甘みが引き立つなど、幅広い温度で楽しめる万能タイプの食中酒です。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

江戸時代中期に建てられた酒蔵の一角を改装した「酒蔵交流館」を直売所として開放しています。代表銘柄「龍勢」「夜の帝王」を無料で試飲でき、気に入った酒はその場で購入可能です。酒器や竹細工の雑貨、酒粕を使った菓子や石けん「酒花」なども取り扱っています。

補足

営業時間は11時から16時、定休日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)および元日です。所在地は広島県竹原市本町3-4-14で、JR呉線竹原駅から徒歩10分、山陽自動車道河内ICから車で約20分です。なお、仕込みを行う蔵そのものの見学は行っていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / sakeworld.jp / fujiishuzou.com / jizakenomarushin.com / sasas.jp / v-yamazaki.co.jp / yahoo.co.jp / tau-hiroshima.jp / eonet.ne.jp / takeharakankou.jp / saketime.jp / ja.wikipedia.org / note.com / imadeya.co.jp / hiroshima-shokudo.com

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