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旭鳳酒造

代表銘柄:旭鳳

広島県

HIROSHIMA

1865年創業

慶応元年(1865年)創業、広島県広島市安佐北区可部に位置する歴史ある酒蔵です。太田川と根の谷川の水系から湧き出る地下水と、広島県産の原料米にこだわり、旨味がありつつキレの良い酒造りを続けています。現在は7代目蔵元の濱村洋平氏が自ら杜氏を兼任し、伝統を受け継ぎつつ新たな酒造りに挑戦しています。亡き先代への想いから生まれた銘柄「泰平」をはじめ、代表銘柄「旭鳳」は丁寧な手仕事によって醸されています。フランスの日本酒コンクール「Kura Master」で金賞やプラチナ賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けています。

また、日本酒ベースの梅酒やレモン酒といったリキュール製造や、地元農家と連携した米作り、地域の復興支援活動など、地域に根差した取り組みも積極的に展開しています。

旭鳳酒造の歩み

旭鳳酒造は、慶応元年(1865年)に創業しました。創業の地は、現在の広島市安佐北区可部にあたります。可部は太田川と根の谷川の二つの川と山に囲まれた町で、旧出雲街道が通り、太田川を使った物資流通の要所でもあった宿場町として栄えました。蔵の前を通る可部街道には古い日本家屋がいまも残り、全盛期に8軒あった町内の酒蔵は、現在は旭鳳酒造だけになっています。

酒銘「旭鳳」は、三代目の濱村忠が春の暁に見た夢に由来します。東にそびえる高松山に朝日が昇り、その朝日に向かって瑞鳥の鳳凰が輝きながら舞い上がる夢でした。これにちなみ、それまでの酒銘「新鷹山」を改めて「旭鳳」としました。

6代目の濱村泰司は、父(洋平の祖父)の急逝を受けて38歳で蔵を継ぎました。それまで酒造業界とは縁がなく、広島でアパレル業などを営んでいました。代々、蔵元は経営に専念して酒造りは季節雇用の杜氏に任せる体制で、泰司も広島県の酒蔵同士のつながりを深めようと、外での交流に力を注ぎました。自社酵母のKB(可部)酵母は、泰司が広島県の研究機関(現在の広島県立総合技術研究所)の研究開発に携わって生まれたものです。

平成27年(2015年)に泰司が急逝し、1989年生まれの濱村洋平が26歳で7代目の代表取締役に就きました。洋平は父の葬儀の日に「親父のための酒を1本、自分で仕込みたい」と決意し、その年の秋から初めて酒造りに取り組みます。広島県産の八反錦とKB酵母で仕込んだ純米吟醸が「泰平」で、名前は泰司と洋平から一文字ずつ取りました。翌年、杜氏が退職したのを機に、社長と杜氏を兼ねる蔵元杜氏となります。代表が杜氏を務めるのは、蔵の歴史で初めてのことでした。

受賞歴も重ねています。広島国税局の鑑評会では、平成14年(2002年)春の新酒鑑評会と同年の清酒鑑評会、平成16年(2004年)の清酒鑑評会(吟醸酒の部)で入賞しました。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても平成14・15・16・17・18・21・令和6の7酒造年度で入賞し、うち平成16酒造年度は金賞です。2013年のIWCでは、熟成させた大吟醸雄町の古酒が古酒部門のトロフィーに選ばれました。

Kura Masterでは、旭鳳 純米大吟醸 八反錦が2019年と2020年に金賞、2021年と2024年にプラチナ賞、2025年に金賞を受賞し、泰平も2021年と2025年に純米酒部門で金賞を受賞しています。全国燗酒コンテストでは、2019年にお値打ち熱燗部門で旭鳳 純米酒(中生新千本・精米歩合70%)が、2020年にプレミアム燗酒部門で純米吟醸 泰平が、それぞれ金賞を受賞しました。蔵の発表では、2017年に八反錦の純米酒が純米酒大賞の純米酒部門で金賞を受賞しています。

酒造りの特徴

2022年の取材では、香りがおだやかで酸が際立ち、熟成とともに深みと旨みが出る食中酒を目指していると語っています。2018年時点の会社紹介では、うま味がありキレのある広島らしい酒を造り続けてきたとしています。原料米は全量が広島県産で、酒米の八反錦、中生新千本、千本錦、雄町と、食用米のコシヒカリやヒノヒカリ(照日米)を使います。米の特徴を押し出すため、麹米と掛米の品種は揃えています。仕込み水は、蔵の敷地内の井戸から引く根の谷川水系の地下水で、硬度は40ほどと、軟水のなかではやや硬めです。

この水により、きれいなタイプの酒でも厚みのあるクリーミーな質感に仕上がります。酵母は、先代が開発に携わった自社のKB酵母が中心です。KB酵母はいずれも香りがおだやかで、KB-1はKB-2より香りが華やかで甘みがあり、大吟醸などに使います。KB-2は香りが控えめでドライな酒に向き、キレを重視する酒に使います。かつては商品の約9割に香りの強い広島吟醸酵母を使い、「香りの旭鳳」と呼ばれていましたが、洋平が杜氏になってからは、ほとんどの商品でKB-1とKB-2に切り替えました。

製造量は年間約400石で、最盛期には1,000石ほどでした。2022年の時点では、杜氏の洋平、製造部長、年間雇用のパート、季節雇用の2名の計5名で、1仕込み500〜1,200キロの仕込みを年間26本行っています。米は回転式の甑で蒸し、大吟醸や精米歩合の低い割れやすい米は、ネットに入れて手洗いし、手作業で広げて自然に放冷します。麹は先々代の時代に導入したハクヨー社の3段式製麹機を使い、しっかりと総破精気味に仕上げます。酒母は普通速醸のみで、醪は全量を薮田式で搾ります。

洋平は、設備を一新できるとしても冷房完備の蔵にはしないと考えており、可部の気候を活かした酒造りを志向しています。創業当時からの貯蔵蔵もあり、酒はタンクの中で熟成の時を待ちます。

看板の「旭鳳」には、純米大吟醸 八反錦のほか、八反錦や中生新千本の純米酒、大吟醸などがあります。「泰平」は八反錦とKB-1を使ったシリーズで、季節限定の無濾過生原酒のほか、熟成を待って発売する通年商品の火入れ(赤ラベル)があります。旭鳳の清酒と広島県産の梅で仕込む梅酒や、レモン酒、かぼす酒といった、日本酒でつけたリキュールも造っています。梅酒への取り組みは平成19年(2007年)からです。近年は、七代目が「ひだまりで飲みたいお酒」をコンセプトに立ち上げた新ブランド「烏輪(うりん)」も手がけています。

洋平は、いつか生酛造りにも挑戦したいと考えています。

地域に根ざした取り組みとして、被災した休耕田の復興米による酒造りがあります。平成26年(2014年)8月の豪雨で安佐北区と安佐南区は大きな被害を受け、とりわけ被害の大きかった大林地区で、一般社団法人ふるさと楽舎の呼びかけにより、2017年から旭鳳酒造も被災休耕田の復興事業に参加しました。3年目の収穫期には害虫の被害を受けて酒造りが難しくなるなど困難もありましたが、2021年に特別栽培米「照日米」が収穫され、タンク1本1,500リットル分の酒ができあがりました。

この酒は、千年先も集落が続くようにとの願いを込めて「大林千年」と名付けられ、2022年に発売されました。

代表銘柄

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旭鳳

旭鳳酒造の看板銘柄で、酒銘は三代目濱村忠が見た、朝日に向かって鳳凰が舞い上がる夢に由来します。広島県産米と可部の地下水、自社のKB酵母で、香りがおだやかで酸が際立ち、熟成とともに深みと旨みが出る食中酒を目指しています。純米大吟醸 八反錦はKura Masterで2019年と2020年に金賞、2021年と2024年にプラチナ賞、2025年に金賞を受賞しました。

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見学・購入

直売所
蔵の敷地内に売店があります。
補足
通常の蔵見学は受け付けておらず、2018年時点の企業情報では冬場の蔵見学は不可とされ、2026年時点の酒蔵情報サイトでも見学不可と案内されています。春には新酒まつりを開いていた年があります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県広島市安佐北区可部3丁目8-16
創業
1865年
公式サイト
www.kyokuhou.co.jp

出典

sake-times.com / sakestreet.com / sakeplace.com / city.hiroshima.jp / compalyze.co.jp / kyokuhou.co.jp / sakeplus.jp / blog.sasas.jp / prtimes.jp / kuramaster.com / kansake.jp / internationalwinechallenge.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / hitec.city.hiroshima.jp / yamatoya-e.com / wakamatsuyasaketen.com / kuraport.com

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