SAKE BREWERY — HIROSHIMA

賀茂鶴酒造

広島県東広島市西条本町4番31号 1873年創業

紹介

明治6年(1873年)に木村和平が酒銘を「賀茂鶴」と命名して創業し、大正7年(1918年)に株式会社へ組織変更しました。酒処として知られる広島県東広島市西条に位置し、賀茂山系の伏流水と広島県産米を用いた酒造りを行っています。明治31年(1898年)に日本初の動力精米機を導入するなど技術革新を推し進め、昭和33年(1958年)には大吟醸酒の先駆けである「特製ゴールド賀茂鶴」を発売しました。代表銘柄は「賀茂鶴」のほか、西郷隆盛に因み鹿児島限定などで展開する純米酒「南洲翁」などがあります。大正時代に全国酒類品評会で全国初となる名誉賞を受賞した歴史をもち、全国新酒鑑評会でものべ100回以上の金賞を獲得しているほか、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門で最高賞(トロフィー)を受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。

歴史

賀茂鶴酒造の蔵の記録では、酒造りの起源は元和9年(1623年)にまで遡ると口伝で伝えられていますが、現在の「賀茂鶴」としての歴史は明治6年(1873)に始まります。木村家の四代目・木村和平は、明治2年(1869)に灘へ酒造修業に赴いた後、地元西条の米・水・気候が酒造りに適していることに着目して醸造を開始し、菊酒を祝う重陽の節句にあたる同年9月9日、地名の「賀茂」と瑞鳥「鶴」を組み合わせて酒銘「賀茂鶴」と命名しました。

明治25年(1892)に後を継いだ木村静彦の代には事業が大きく発展します。明治27年(1894)の山陽鉄道開通を機に関西・東京方面への出荷を本格化させ、酒造業界で初めてとなる新聞広告を掲出したほか、明治31年(1898)には日本で初めて動力精米機を導入して精米技術を革新しました。明治33年(1900)のパリ万国博覧会では名誉大賞を受賞し、大正6年(1917)の全国酒類品評会では全国で初めて名誉賞を受賞、大正15年(1926)にも再び名誉賞を獲得するなど、国内外で高い評価を確立しました。大正7年(1918)には資本金150万円で株式会社へ改組しました。木村静彦は大正11年(1922)に緑綬褒章を受章し、のちに紺綬褒章も受章しています。

太平洋戦争後の混乱期には、失業者の救済策として昭和22年(1947)に清涼飲料水(サイダー)の製造にも着手しました。その後経営を立て直してアメリカ向け輸出の再開などを進める中、昭和33年(1958)に純金箔入りの大吟醸「特製ゴールド賀茂鶴」を発売し、業界に先駆けて金箔入り大吟醸酒という商品カテゴリーを切り拓きました。桜の花びら型の金箔意匠は昭和49年(1974)に採用され、平成9年(1997)からは市販品にも採用されています。

平成期以降も歩みを続け、平成6年(1994)に御薗醸造蔵を完成、平成14年(2002)には迎賓館「蓬莱庵」を建設しました。栽培の難しさから一時「幻の米」となっていた広島県産の酒米「広島錦」を地元農家と約6年かけて協力復活させ、平成29年(2017)10月に商品を発売しました。これは法人設立100周年にあたる平成30年(2018)に向けた、原点回帰をテーマにした取り組みでした。また社名の由来である鶴にちなみ、昭和40年(1965)からタンチョウの保護活動への寄付を続けるなど地域社会との関わりも大切にしてきました。明治6年に木村和平が築いた「一号蔵」は、令和6年(2024)に西条酒蔵群の一部として史跡に指定されています。

酒造り

賀茂鶴酒造の酒造りは、麹づくりと発酵を並行して進める日本酒独自の技術「並行複発酵」を基盤としています。仕込み水には軟水を用いており、これは明治31年(1898)に三浦仙三郎が確立した軟水醸造法の流れを汲むものです。軟水は発酵の進みが穏やかなぶん麹を十分に育てる必要があり、この技術を確立したことが広島を全国有数の酒どころへと発展させる基礎となりました。

同社の酒母を語るうえで欠かせないのが「協会5号酵母」です。この酵母は明治末期、国立醸造試験所が賀茂鶴酒造の醪から分離・採取したもので、その後より発酵力に優れた新しい酵母が登場したため戦前に頒布が中止されていましたが、杜氏の椋田茂氏が3年にわたる試験を重ねてこの伝統酵母を選抜・復活させました。発酵力が弱いという弱点があるため、広島錦を用いた復活商品では、純米大吟醸で協会1801号酵母とブレンドして醸造し、純米酒では単独での使用を実現しています。

原料米はすべて自家精米しています。本社醸造蔵には複数の仕込み蔵があり、なかでも8号蔵に備えられた甑(こしき)は日本一の大きさを誇ります。

蔵データ

所在地

広島県東広島市西条本町4番31号

創業

1873年(広島県)

公式サイト

www.kamotsuru.jp

代表銘柄

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賀茂鶴:酒銘「賀茂鶴」は、蔵の所在地である西条の旧地名「賀茂」と、瑞鳥とされる「鶴」を組み合わせ、明治6年(1873)9月9日の重陽の節句に命名されました。同ブランドを代表する看板商品が、昭和33年(1958)発売の純金箔入り大吟醸「特製ゴールド賀茂鶴」です。金箔入り大吟醸酒の先駆けとして業界に大きな影響を与え、桜の花びら型の金箔意匠は昭和49年(1974)に採用されたのち平成9年(1997)から市販品にも採用され、現在もロングセラー商品として販売が続いています。

南洲翁:「南洲翁」は、幕末の薩摩藩士・西郷隆盛の号「南洲」にちなんで名付けられた純米酒ブランドです。賀茂鶴酒造の直営オンラインストアでは取り扱いがなく、鹿児島県内の酒販店を中心に流通しているとされます。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

蔵元直営店「一号蔵」(広島県東広島市西条本町9番7号)。営業時間10:00〜18:00(入場は17:45まで)。蔵元限定酒「特別本醸造 蔵出し原酒」のほか梅酒、スイーツ、Tシャツやおちょこなどのオリジナルグッズを販売しています。有料試飲コーナー「プレミアム酒BAR」があり、三種飲み比べセットなどを提供しています。

補足

醸造蔵そのものの常時一般公開は行っていませんが、一号蔵で酒造りを体感できるほか、不定期で「醸造蔵見学ツアー」を開催しています。定休日はお盆・年末年始のほか社内・地域行事による臨時休業があり、20名以上の団体利用は事前申告が必要です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

hiroshima.lg.jp / kamotsuru.jp / japansake.or.jp / higashihiroshima-kanko.jp / sakenomy.jp / yumekiko.shop / ameblo.jp / sake-hiroshima.com / kuramotokai.com / ja.wikipedia.org / city.higashihiroshima.lg.jp / sake-times.com

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