SAKE BREWERY — HIROSHIMA
相原酒造
紹介
明治8年(1875年)に広島県呉市仁方で創業した酒蔵。代表銘柄「雨後の月」の名は、徳富蘆花の随筆『自然と人生』の短編題から二代目・相原格が命名したもので、「雨上がりの空に冴え冴えと光り輝く月」のように透明感のある美しい酒を目指して醸されている。
酒造りにおいては「全品を大吟醸造りで醸す」「全品を冷蔵保存する」「最上の原材料を使う」という3つの原則を徹底。仕込み水には瀬戸内海国立公園・野呂山からの超軟水(伏流水)を使用し、兵庫県特A地区の山田錦や岡山県赤磐産の雄町など質の高い酒米を厳選している。従来の濃醇な酒質から、上品で軽やかな芳醇淡麗な味わいへと品質を高めてきた。
全国新酒鑑評会では2010酒造年度から10回連続(※開催中止年除く)で金賞を受賞したほか、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門でも地域トロフィーを獲得するなど、国内外で高く評価されている。近年では新たなシリーズ「UGO」を手掛けるなど挑戦を続けている。(475字)
歴史
相原酒造は、広島県呉市仁方で酒造業を営んでいた相原亀之介の次男・格が分家し、明治8年(1875年)に創業したことにルーツを持ちます。格は二代目として蔵を継ぎ、のちに代表銘柄「雨後の月」を命名しました。創業当初は「白雪」「若竹」「山桜」といった銘柄を手がけ、地元の広島や北九州へ主に出荷していました。明治28年(1895年)には1700石を醸造しており、当時から広島県内で有数の石高を誇る蔵として知られていました。
その後、戦時中には酒造りを一時休業する時期を経験しましたが、戦後に醸造を再開します。蔵の転機となったのは昭和63年(1988年)で、4代目・相原準一郎氏が代表取締役に就任しました。準一郎氏は「自分が飲んでおいしいと思える酒を造りたい」との考えのもと、それまでの濃醇な酒質から一転し、品質第一を掲げて全量を吟醸造りとする方針へと蔵を転換させます。1999年には大型の冷蔵設備を導入し、醸した酒を全量冷蔵貯蔵する体制を整えるなど、早い時期から高品質路線への投資を進めました。販売量を追わず信頼できる酒販店にのみ卸す流通方針をとっています。
現在、蔵は会長を務める相原準一郎氏、社長として経営と酒質の両面を担う5代目・相原章吾氏、杜氏の堀本敦志氏、副杜氏の大西淳一氏という体制で運営されています。蔵人はおよそ8名という少人数で、一つひとつの作業の積み重ねが酒質に直結する規模の中、伝統的な手作業による酒造りを続けています。
酒造り
相原酒造の酒造りが目指すのは、「軽やかで上品な、香りの良い酒」です。かつての濃醇な酒質から、雑味のない透明感を重視した芳醇淡麗な酒質へと大きく舵を切りました。仕込み水には瀬戸内海沿岸の花崗岩層に由来する軟水を用いており、この超軟水を生かした軟水醸造法によって、きめ細かく、米由来の旨味を穏やかに引き出す酒質を実現しています。
原料米には兵庫県特A地区産の山田錦や岡山県赤磐産の雄町といった酒造好適米を厳選して使用し、低温でじっくりと発酵を進める伝統的な吟醸造りの手法を守っています。特定名称酒のみを醸すという方針を徹底しているのも特徴です。
醸造の現場では、5代目・相原章吾氏が洗米や酒母造りといった酒質を大きく左右する工程を自ら担当しており、吸水率が0.2%違うだけで蒸し上がりの質感が変わるため、目標値との差を約0.1%に収める精度で調整を重ねています。少人数の蔵人体制のなかで、同じ作業を繰り返しながらも、できあがる酒はその年ごとに違うといいます。
蔵データ
代表銘柄
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- 金泉
雨後の月:二代目・相原格が、徳富蘆花の随筆集『自然と人生』に収められた短編から命名した相原酒造の代表銘柄です。瀬戸内海沿岸由来の超軟水による軟水醸造法で仕込まれ、山田錦や雄町といった酒造好適米を厳選して使用しています。のど越しが良く、米本来の旨味を引き出した豊醇で香り高い味わいが特徴で、かつての濃醇な酒質から、上品で透明感のある芳醇淡麗な酒質へと造りを転換させて以降の相原酒造を象徴する銘柄となっています。
金泉:相原酒造で杜氏を務める堀本敦志氏が、以前に在籍していた堀本酒造で手がけていた銘柄を、移籍後も自らのブランドとして引き続き醸しているのが金泉です。大吟醸「華心」など複数の商品があり、地元広島でもあまり出会うことのない大吟醸として位置づけられています。雨後の月とは異なる、堀本杜氏個人の技を色濃く反映した銘柄です。
雨後の月 十三夜:月見の風習である「十三夜」を名に持つ特別純米酒です。兵庫県産の特A地区山田錦を精米歩合60%まで磨いて醸造しており、アルコール度数は13度に抑えられています。透き通るような酒質のなかに軽やかさと米の旨味を両立させた味わいが特徴で、やや辛口に仕上げられています。
UGO:5代目・相原章吾氏が2019年、余剰の酒造好適米を用いて「雨後の月 特別純米 山田錦」をアレンジしたことから始まった新ブランドです。広島県産米の使用、真吟精米による米の磨き、14度の原酒での仕上げという3つのこだわりを掲げ、伝統技術に自由な感性を加えることで、日本刀に見られるようなバランスの美しさ、「新しい吟味」を目指しています。ロゴは畳んだ傘のシルエットをモチーフとし、雨後の月と対になる、雨上がりに太陽が出た爽やかな昼をイメージしています。AURORA、NIMBUS、KALLISTI、JUBAR、HESPERIAなどの商品を展開しています。
同じ広島県の酒蔵
出典
sakenomy.jp / japansake.or.jp / ugonotsuki.com / imadeya.co.jp / sakagura-press.com / sake-times.com / sake-hiroshima.com / jizake.com / sakestreet.com / saketime.jp / yamatoya-e.com / shigoto100.com / hasegawasaketen.com
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