山盛酒造
代表銘柄:鷹の夢・古戦場 桶狭間
愛知県
AICHI
1887年創業
山盛酒造は1887年(明治20年)、江戸時代に築造された土蔵造りの酒蔵を譲り受けて現在の愛知県名古屋市緑区大高町にて創業しました。代表銘柄の「鷹の夢」は、地名の「大高」や縁起の良い故事「一富士 二鷹 三茄子」に由来して命名されました。歴史ある土蔵造りの酒蔵で、丁寧な手造りによる伝統的な酒造りを継承しており、食事とともに楽しめる旨みと柔らかな味わいを持つ酒質が特徴です。代表銘柄のほか「古戦場 桶狭間」なども手掛けています。
近年では食中酒を意識した「Concept No.」シリーズや、名古屋産の米・酵母で仕込む「ALL NAGOYA」仕様の日本酒などの新しい取り組みを展開しています。さらに毎冬の仕込みに合わせて会員を募る「酒トラスト」の実施や、名古屋市内の蔵元で結成されたプロジェクト「ナゴヤクラウド」への参加など、多様な発信を行っています。名古屋国税局の酒類鑑評会では、2005年から2010年にかけて優等賞を5回受賞しています。
山盛酒造の歩み
山盛酒造は1887年(明治20年)、江戸時代に築かれた土蔵造りの酒蔵を譲り受け、現在の名古屋市緑区大高にあたる地で創業しました。大高は東海道の宿場町として知られた鳴海に近く、古い街並みが残る土地です。酒蔵は昔ながらのたたずまいを残したまま、その街並みの中にあり、いまも同じ建物で日本酒を醸しています。
代表銘柄の「鷹の夢」は、縁起のよい言い伝え「一富士、二鷹、三茄子」と、蔵のある大高(おおだか)の地名になぞらえて名付けられました。ほかにも、鳴海の地名を万葉仮名で書いた「奈留美」、織田信長と今川義元が戦った桶狭間にちなむ「古戦場 桶狭間」、名古屋南東部の祭礼に登場する猩々をモチーフにした「浮かれ猩々」といった、土地の歴史や風習に根ざした銘柄を手がけてきました(2020年6月時点で、奈留美と浮かれ猩々は生産休止中です)。
2013年には、熱田神宮の創祀千九百年を記念して、同神宮の奇祭「酔笑人神事」にちなんだ本醸造酒「酔笑人(えようど)」を発売しました。熱田神宮の元宮にあたる氷上姉子神社が鎮座するのが大高であり、その地の酒蔵が造る酒として、この名が付けられました。
2021年時点で、蔵を率いるのは5代目社長の山盛幸夫さんと6代目の山盛岳志さんです。岳志さんは東京のシステム会社で営業職をしていましたが、酒蔵開きを手伝ったことをきっかけに、2012年に実家の酒蔵へ戻りました。蔵人は2人を含めて5名で、5代目が受け継ぐ従来の味わいを土台に、6代目が新しい酒造りに挑む体制です。
地域との結びつきも深く、毎冬の仕込みに合わせて会員を募る「酒トラスト」は1996年に始まり、2018年には23回目を迎えました。2014年には名古屋市内の4つの酒蔵による「ナゴヤクラウド」に加わり、同年のラベルデザインコンテストの優秀作が「鷹の夢 純米酒」の新ラベルになりました。名古屋国税局の酒類鑑評会では、第53回(2005年)、第55回(2006年)、第56回(2007年)、第58回(2009年)、第59回(2010年)の5回で、鷹の夢が優等賞に選ばれています。
2010年の第59回では、大吟醸と本醸造の2点が受賞しました。
酒造りの特徴
2020年6月時点の商品案内では、鷹の夢に大吟醸、純米吟醸、特別純米酒、純米酒、本醸造、普通酒のレギュラーがありました。大吟醸は山田錦を精米歩合40%まで磨き、純米吟醸は夢吟香を55%、特別純米酒は夢山水と夢吟香を55%、純米酒は五百万石などの国産米を60%、本醸造とレギュラーは国産米を70%まで磨いて造られます。原料米や酒質は、造る年によって変わることがあります。冬から春には、純米吟醸のうすにごり生原酒やしぼりたても出荷されます。
2026年の新酒には、定番のしぼりたてと、酒蔵見学会で人気のレッドラベルの2種類が並びました。
2014年に始まった「Concept No.」シリーズは、岳志さんが食中酒として楽しめる酒を意識し、これまでの山盛酒造とは少し違う味わいを少量仕込みで造っているものです。最初の商品「Zero」は、2015年6月の出荷開始時には富山県産五百万石を60%まで磨き、愛知県産のFIA-2酵母で醸した純米酒で、酸が高く香りは控えめでした。「770」は2015年10月の出荷開始時に、協会7号酵母と70%精米の純米原酒で、柔らかさとキレのバランスをねらっていました。
「X」は2017年9月の出荷開始時に、協会10号酵母を使い、麹米に五百万石、掛米に大地の風を用いた精米歩合70%の純米酒として造られました。「Ⅳ ネツジョウ」は金沢酵母と愛知県産の夢吟香で醸した純米吟醸で、ラベルには名古屋市緑区の伝統工芸である有松絞りで染めた和紙が使われています。このシリーズは酒蔵では直売せず、協力する酒販店で扱われています。
2019年には、JAなごやから名古屋市内で夢吟香を栽培するので酒造りに使ってみないかと声がかかり、酒米から酵母まで名古屋産の「ALL NAGOYA」が始まりました。令和元酒造年度に純米吟醸を、令和2酒造年度には純米酒を加え、純米吟醸には名古屋市内の技術センターで培養された酵母のFIA-3、純米酒にはFIA-2を使いました。2020年は天候の影響で酒米の収穫量が予定の8割にとどまり、仕込み量を縮小しています。夢吟香は愛知県の酒造好適米で、2012年に品種登録されました。
「酒トラスト」の2018年の仕込みは、愛知県の三河山間部で栽培される夢山水を55%まで磨いた純米吟醸の無濾過生原酒でした。会員には1.8Lびん3本か720mlびん6本の生原酒が渡され、希望すればプライベートラベルを貼ってもらえます。希望者は仕込み中の蔵見学もできました。この年は2月中旬に酒母を立て、3月中旬に搾る予定でした。
代表銘柄
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鷹の夢
山盛酒造の代表銘柄で、「一富士、二鷹、三茄子」の縁起のよい言い伝えと、蔵のある大高の地名にちなんで名付けられました。大吟醸から純米吟醸、純米酒、本醸造、普通酒まで幅広く造られ、食事と一緒に楽しめる旨みのある酒質が持ち味です。名古屋国税局の酒類鑑評会では、2005年から2010年にかけて優等賞を計6点受賞しています。
楽天で商品を見る古戦場 桶狭間
織田信長と今川義元が戦った桶狭間の地にちなんで名付けられた銘柄です。2020年6月時点の商品案内では、五百万石などの国産米を60%まで磨いた純米酒で、米の旨みを生かした味わいです。冷やしても燗にしても楽しめ、歴史に思いをはせながら味わえる、箱入りの四合瓶で贈答にも向く一本です。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵元の事務所で直売しています。営業は月曜から土曜の9時から17時ごろで、蔵内の作業中は事務所を閉めることがあり、日曜は不定休です。Concept No.シリーズは酒蔵では扱わず、協力する酒販店のみの取り扱いです。
- 補足
- JR大高駅から徒歩約8分です。個別の蔵見学は電話で相談でき、酒造期の11月から3月ごろは受けられない場合があります。毎年2月に酒蔵開きを開き、2026年は2月21日と22日の2日間でした。有料試飲の「タカノミャーテ」は、2026年に5月23日(第3回)と9月20日(第4回)が予定されました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 愛知県名古屋市緑区大高町字高見74
- 創業
- 1887年
- 公式サイト
- takanoyume.co.jp
出典
sakedata.jp / takanoyume.co.jp / sake-times.com / stores.jp / oishiisake.jp / sakagura-press.com / note.com / wikipedia.org / jp.sake-times.com / nta.go.jp / web.archive.org / ja.wikipedia.org
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