青砥酒造
代表銘柄:蒼斗七星・ほろ酔だんだん・ほろ酔
島根県
SHIMANE
1895年創業
島根県安来市広瀬町にて1895年(明治28年)に創業された酒蔵で、「酒が人を造り、人が酒を造る」を信条に掲げている。戦前は4銘柄を醸していたが、戦後は三代目の「人生すべからず、ほろ酔い程度がちょうどいい」との信念から、銘柄を「ほろ酔」に集約した経緯を持つ。全国新酒鑑評会では平成9酒造年度に金賞を受賞している。青砥酒造の技と情熱を結晶させた代表銘柄「蒼斗七星」は、日本酒本来の旨み・香り・キレといった個性を生かすため「無濾過」「無加水」に徹底してこだわっている。
もろみの搾りには雑味を抑える伝統的な「木槽(きぶね)搾り」や「雫取り」を採用する。仕込みには地元・島根県産米や良質な地下水が用いられており、無濾過純米酒「ほろ酔だんだん」のほか、農薬・化学肥料不使用米で仕込む自然酒、料理酒、酒粕を活用したチョコレートなどの商品も手掛けている。
青砥酒造の歩み
青砥酒造は、1895年(明治28年)12月に、現在の島根県安来市広瀬町布部にあたる地で創業しました。安来は古くから良質の砂鉄が採れることで知られ、戦国時代には鉄をめぐって尼子氏と毛利氏の両軍が激突した土地です。蔵はその両軍が戦った山のふもと、静かな街道沿いにあります。緑豊かな景色は創業当時から変わりませんが、創業の頃の街道には酒屋、醤油屋、旅館、馬車屋、芝居小屋などが立ち並び、たいへん賑わっていたそうです。
安来といえば、どじょうすくいで知られる安来節も有名です。安来節の一節と伝わる「月の泉に白滝くめば、心ほろ酔、家の福寿は保証つき」にちなみ、戦前までは「月の泉」「白滝」「ほろ酔」「福寿」の4銘柄を造っていました。
戦後は、一日の疲れを癒す晩酌の一杯、明日への活力を生む百薬の長として、人に優しい日本酒を造りたいという思いから、優しい響きの「ほろ酔」にふさわしいとして銘柄を「ほろ酔」に統一しました。そこには、「人生すべからず、ほろ酔い程度がちょうどいい」という三代目の信念も込められています。酒造りに臨むとき蔵が心に留め置くのは、「酒が人を造り、人が酒を造る」という言葉です。
全国新酒鑑評会では、平成9酒造年度に「ほろ酔」で金賞を受賞しています。受賞した当時は有限会社でした。現在の青砥酒造株式会社は、平成21年(2009年)9月2日に設立されています。
2024年時点では、四代目の青砥幹彦さんが25年にわたって蔵元と杜氏を兼ねています。2009年には五代目が初めて酒造りに携わり、その年に、現在の看板商品である「蒼斗七星」が生まれました。2015年1月からは自然食品の専門商社ムソーの「みやこの料理酒」も仕込むようになり、2021年2月にはホームページを刷新し、オンラインショップを開設しています。
酒造りの特徴
青砥酒造が最も大切にしているのは、酒が「生まれる瞬間」と「生まれ持った個性」です。「蒼斗七星」では、もろみの搾り方に雫取りと木槽搾りの二種類だけを用います。雫取りは、もろみを詰めた布の袋から自然に滴り落ちる雫だけを集める方法で、澄んだ上澄みを斗瓶囲いにして保存します。木槽搾りは、もろみを詰めた酒袋を並べて積み重ね、上から圧力をかける方法で、大型機械の「やぶた」で搾った酒に比べて雑味が少なく、柔らかい酒質になるとされています。
この二つの搾り方で雑味の少ない酒ができるため、「蒼斗七星」は濾過をせず、加水もしない「無濾過」「無加水」で商品化しています。2024年時点で、蔵は12年前からすべての酒を木槽搾りに切り替えており、青砥酒造自慢の大型木槽で、酒袋を手作業で積み重ねて搾っています。木槽で搾った酒粕は、酒がたっぷり残って柔らかく香り高いのが特徴で、この酒粕を使った「酒粕チョコレート」も造っています。
原料米は地元の島根県産です。「蒼斗七星 純米吟醸58」には島根ブランド米の「佐香錦」を使い、「純米大吟醸48」は山田錦の気品ある甘みを生かしています。仕込み水は超軟水です。定番の「ほろ酔い 上撰」は麹米に五百万石、掛米に島根県産の加工米を使い、精米歩合は70パーセントです。「ほろよい 自然酒」は農薬不使用・化学肥料不使用米で仕込む純米吟醸酒で、「亀甲舞」は炭と木酢液や天然塩などを活用して栽培された佐香錦を使った純米吟醸酒です。
料理酒も蔵の柱のひとつです。うるち米と米麹だけを原料に、副原料や保存料を使わず、純米酒と同じ製法で醸造しています。「料理の要」は米五段仕込みで天然のアミノ酸を引き出し、海塩入りの料理酒には伝統海塩「海の精」を加えています。ほかに、ゲゲゲの女房の作者である武良布枝さん直筆の句をラベルにした「ゲゲゲの夫婦酒」シリーズなど、贈り物向けの酒も手がけています。
代表銘柄
蒼斗七星
2009年に五代目が初めて酒造りに関わった年に生まれた銘柄です。雫取りと木槽搾りだけで搾り、無濾過・無加水で仕上げます。特別純米65、佐香錦の純米吟醸58、山田錦の純米大吟醸48の3種があり、特別純米65は軽快な酸味と旨みが調和した入門酒です。
ほろ酔だんだん
島根県産五百万石で仕込んだ無濾過純米酒です。「だんだん」は島根の方言で「ありがとう」の意味で、日々の感謝を詰め込んだ酒とされています。純米酒らしい旨みと穏やかな酸が特徴で、ボトルが笑っているように見えるラベルデザインが目を惹きます。1800ml・720ml・300mlの容量があります。
ほろ酔
戦前は4銘柄を造っていた蔵が、戦後に優しい響きの名がふさわしいとして統一した、青砥酒造の定番銘柄です。平成9酒造年度の全国新酒鑑評会では金賞を受賞しました。「ほろ酔 辛口」は端麗辛口の伝統の本醸造で、「ほろ酔い 上撰」は口当たりが良く柔らかい味わいの、飲みあきしない定番酒です。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- オンラインショップで酒類のほか酒粕チョコレートや料理酒も購入できます。
- 補足
- 蔵見学は、事前に電話(0854-36-0006)で連絡して予約する形で受け付けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 島根県安来市広瀬町布部1164-4
- 創業
- 1895年
- 公式サイト
- aotoshuzo.co.jp
出典
aotoshuzo.co.jp / yasugi-gurashi.jp / seesaa.net / compalyze.co.jp / sakenomy.jp / muso.co.jp / shimane-sake.or.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp
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