金虎酒造
代表銘柄:金虎・虎変
愛知県
AICHI
1845年創業
弘化2年(1845年)、善光寺街道入口の山田村にて初代大阪屋善兵衛が酒造業を開始した老舗酒蔵です。屋号の「金虎」は、名古屋城名物の金鯱と三代目善兵衛が寅年生まれであったことに由来します。昭和20年の大空襲により蔵を全焼しましたが再建を果たし、名古屋市内に残る数少ない酒蔵として伝統を守っています。
酒造りでは代々越後杜氏の技術を活かした手造りを徹底しており、淡麗で飲みやすく味の広がりがある酒質を特徴としています。定番の「金虎」(純米酒など)のほか、「虎変」や「名古屋城本丸御殿」などの銘柄を展開しています。
受賞歴も豊富で、全国新酒鑑評会で「虎変」が金賞を受賞したほか、Tokyo酒チャレンジ2025にて「純米大吟醸 金虎」が金賞(GOLDメダル)を受賞し、愛知県新酒品評会でも各種賞を獲得しています。また、杜氏の木村伸一氏は令和6年度に日本醸造協会醸造技能者表彰を受賞しています。
金虎酒造の歩み
金虎酒造の始まりは、弘化2年(1845年)にさかのぼります。初代大阪屋善兵衛が、善光寺街道の入口にあたる山田村(現在の名古屋市北区山田にあたる地)で酒造業を始めました。以来、代々越後杜氏の技を活かし、手作りを心がけた酒造りを続けてきた蔵で、名古屋に数少ない酒蔵として地元の期待を担っています。株式会社としての設立は1956年です。
屋号の「金虎」は、昭和の初め頃に定まりました。蔵から遠くに見えた名古屋城の金鯱と、当時の当主だった三代目善兵衛が寅年であったことに由来します。蔵が掲げる社是は「名古屋を醸す」で、歴史や気候風土、人との縁を織り込んだ名古屋での醸造を通じて、名古屋そのものを活性化させるという決意を表しています。
昭和20年5月の大空襲では、名古屋城と同時に蔵も焼失しました。名古屋城との浅からぬ因縁を感じた蔵は、焼失した本丸御殿の復元を願い、平成3年から「大吟醸 名古屋城本丸御殿」を醸し続けています。この酒の売上の一部は本丸御殿積立基金に寄附されました。令和2年には、愛知県産の酒造好適米を使った「純米大吟醸 名古屋城」も加わり、名古屋城の名を冠した酒が二種類になりました。
平成24年(2012年)には、名古屋の誇れる銘酒を新たに造りたいという地元愛プロジェクトから、新ブランド「虎変」の製造が始まりました。2022年の寅年を前にした令和3年には、金虎史上最も腕によりをかけたという「純米大吟醸 金虎」を仕込み、出荷作業に必要な箱の製作などを名古屋の障がい者支援団体に委託しました。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降で12回入賞しており、そのうち金賞は7回です。出品酒はいずれも「虎変」で、平成27酒造年度から平成30酒造年度まで4年連続で金賞を受け、令和2・4・7酒造年度にも金賞に輝きました。名古屋国税局酒類鑑評会では、平成20年度以降の18回の鑑評会のうち14回で優等賞を受けています。平成30年度から令和7年度までは8年度続けて優等賞に入り、平成30年度と令和元年度は吟醸・純米・本醸造の3部門すべてで選ばれました。令和2年度以降は、大吟醸の虎変や燗酒の部の金虎・虎変が選ばれています。
愛知県の清酒の品評会(2021年までは愛知県清酒きき酒研究会、2022年以降は愛知県新酒品評会)でも、蔵の発表では2018年の純米の部、2020年の吟醸の部、2021年の純米吟醸の部、2022年の本醸造の部、2023年の吟醸の部、2024年の純米の部で愛知県知事賞を得ています。また、蔵の発表では、ワイングラスでおいしい日本酒アワードで、2020年にメイン部門の最高金賞(大吟醸 名古屋城本丸御殿)、2023年にプレミアム純米部門の最高金賞(純米大吟醸 名古屋城)を受けています。
酒造りの特徴
蔵の酒造りは、代々越後流を基本にした淡麗で呑み口のよい酒質を目指してきました。淡麗な酒は味がクリアなぶん、ごまかしの効かない丁寧で水準の高い仕事が求められます。名古屋の風土に合わせて育ててきた酒造りは、慎重に味のバランスをとることで、呑みやすさを保ちながら味の広がりが感じられる酒に磨き上げられました。
現在の酒造りを担う杜氏は木村伸一氏で、令和6年度に日本醸造協会の醸造技能者表彰を受けました。飲みやすく、それでいて味わいに広がりのある酒を理想とし、新技術の研究にも力を注いでいます。蔵は越後流酒造技術選手権大会でも、2015年に7位、2016年に9位、2017年に6位、2018年に2位という成績を残しています。
「虎変」には四つのこだわりがあります。麹米・掛米とも酒造好適米を100%使うこと、洗米や麹造りといった繊細な作業を手作業で行い、仕込み量を小さめにして温度管理を行き届かせること、純米吟醸と大吟醸は香りを逃さないよう生のまま瓶詰めして瓶火入れを行い、冷蔵庫で低温貯蔵・熟成させること、そして大量生産できないため特約店(地酒専門店・百貨店)のみで販売することです。ラベルの「虎変」の書は、書家の金澤翔子氏によるものです。
毎年テーマを決めて、従来のラインアップとは異なる発想や製法の酒を限定で造る「キントラチャレンジタンク(KCT)」というシリーズもあります。2023年は「純米vsアル添」、2024年は「リンゴ酸高生産酵母による清酒製造」、2025年は「酒母しぼりパウチ凍結酒」がテーマで、ここで得たノウハウを既存商品の向上や新商品づくりに役立てています。2022年の寅年向けの純米大吟醸 金虎では、麹歩合を一般的な20%より少ない15%にして仕込む試みも行いました。
代表銘柄
金虎
蔵の屋号を冠した主力ブランドです。「金虎 純米」は若水と一般米を60%まで磨いた中辛口で、ふくよかな味わいとかすかなミネラル感があります。「本醸造 金虎」は五百万石と一般米を60%まで磨き、控えめな旨みとほどよいドライ感が特徴です。最上位の「純米大吟醸 金虎」は兵庫県産山田錦を40%まで磨き、蔵の発表では、2025年のTokyo酒チャレンジで金賞(GOLDメダル)を受けました。名古屋城の名を冠した大吟醸も、このブランドに連なります。
虎変
2012年に始まった、蔵の新しい銘柄です。名の由来は、虎の毛が季節の変わり目に美しく生え変わる様子で、年を追うごとに進化していく願いを込めています。「大吟醸 虎変」は兵庫県産山田錦を40%まで磨き、「純米吟醸 虎変」は愛知県産夢山水を50%まで磨いた一本で、熟したメロンのような華やかな香りが持ち味です。蔵の発表では、純米吟醸 虎変はIWCの純米吟醸の部で2017年と2020年にコメンデッド、2018年と2019年にブロンズを受けました。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵の直売所(平日10時〜17時、土日祝休み)
- 補足
- 蔵見学は予約制で、2026年は5月中旬から9月の水曜日のみ受け付けていました。10時30分から1時間半ほど、定員10名で、4種類の試飲がつき、料金は1,000円(20歳未満は無料)です。春の「桃虎祭」と秋の「虎変披露祭」という酒蔵開放のイベントも毎年開かれています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 愛知県名古屋市北区山田三丁目11番16号
- 創業
- 1845年
- 公式サイト
- kintora.jp
出典
sakedata.jp / kintora.jp / note.com / wikipedia.org / sakeworld.jp / web.archive.org / nta.go.jp / nrib.go.jp
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