高知酒造
代表銘柄:瀧嵐・仁淀川
高知県
KOCHI
1944年創業
高知酒造は、1883年(明治16年)に前身の蔵元にて代表銘柄「瀧嵐(たきあらし)」の製造が開始されたことに始まります。太平洋戦争中の1943年に高知市および周辺3郡の酒造家28社が統合し、1944年に高知酒造株式会社が設立されました。戦後、理想の水質を求めて移転を重ね、「仁淀ブルー」や「奇跡の清流」と称される仁淀川の水系に辿り着き、現在は高知県いの町勝賀瀬に酒蔵を構えています。仕込み水をはじめ製造のすべての工程で仁淀川の水を使用しており、まろやかでスッキリとした味わいや淡麗辛口の酒造りが特徴です。
代表銘柄の「瀧嵐」は、歌人の吉井勇が「瀧嵐 このうま酒を酌む時の 恋にかも似る 酔心かな」と歌を詠んだことでも知られています。日本酒のほか、土佐文旦や実生ゆずなど地元の名産品を使用したリキュール類の製造も行っています。
高知酒造の歩み
高知酒造の源流は、前身の蔵元が1883年(明治16年)に「瀧嵐(たきあらし)」の製造を始めたことにあります。蔵元は1883年を創業年としています。
太平洋戦争のさなかの1943年(昭和18年)、戦局が厳しさを増すなかで各産業の企業整備が行われ、清酒製造業はおよそ半数が転廃されました。高知市・長岡郡・吾川郡・土佐郡の1市3郡では酒造家28社が統合され、翌1944年(昭和19年)8月8日に高知酒造株式会社が設立されました。
この統合では合同銘柄として「花の友」が生まれましたが、商標登録に不備があったため、その後は「瀧嵐」を主に造るようになりました。のちに一部の酒造家が分離し、22社の合同となりました。構成する酒造家の銘柄には、若竹、土佐泉、大国正宗、瀧嵐、仁淀川、千代吉野川、杉の泉、菊若葉、玉柳、八千代盛、葉桜、峰の鶴、岩ノ井、日の出、阿ら玉、千成、加茂川、渓泉、世の中などがあります。
戦後まもなく、酒蔵周辺の水質悪化の問題に2度悩まされて移転を重ね、3度目の移転で理想的な水質の仁淀川に出合い、現在のいの町勝賀瀬に落ち着きました。蔵は中追渓谷のふもとにあり、高知市中心部から車で約40分の距離です。
歌人の吉井勇は、高知で暮らした時期に、同社の社長を務めた伊野部昌一の父・伊野部恒吉と親しく、恒吉を「酒麻呂」と呼んでいました。香北町猪野々に草庵「渓鬼荘」を構えようとした際には、酒蔵の裏手にあった隠居所の取り壊しで出る古材木が譲られ、それが渓鬼荘の土台となりました。吉井勇は恒吉と酒にまつわる歌を数多く残しており、瀧嵐を詠んだ歌もあります。
酒造りの特徴
高知酒造では、仕込み水はもちろん、すべての製造工程で仁淀川の水を使っています。仁淀川は国土交通省の水質調査で、2011年から2020年までの10年間に8回「水質が最も良好な河川」として日本一となりました。NHKスペシャル「仁淀川 青の神秘」を通じて、水面の青さが「仁淀ブルー」として全国に紹介された川でもあります。
主力の2つの銘柄の通常品は、原料米に五百万石を使っています。瀧嵐は純米と本醸造が精米歩合70%、特別本醸造が60%、吟醸と純米吟醸が50%で、本醸造は辛口、そのほかは淡麗辛口です。仁淀川には純米(70%)、特別本醸造(60%)、吟醸と純米吟醸(50%)があり、さらに高知県が独自開発した酵母CEL24を使った純米大吟醸と、AC95の純米大吟醸が加わります。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に瀧嵐が5回入賞しており、そのうち平成17酒造年度と平成22酒造年度の2回が金賞です。入賞は平成15・16・19酒造年度にもあります。インターナショナル・ワイン・チャレンジでは、2015年に「特別純米 瀧嵐」と「特別本醸造 仁淀川 原酒」が推奨酒に選ばれ、2025年には「仁淀川 CEL24 純米大吟醸」の磨き40%と磨き50%がシルバー、「仁淀川 AC95 純米大吟醸 磨き40%」が推奨酒を受賞しました。
蔵の発表では、磨き50%は2024年にミラノ酒チャレンジの酒テイスティング部門とJapan Women's SAKE Awardで金賞を受賞しています。
日本酒のほか、高知の産物を使ったリキュールも手がけています。2007年に県産果実を使った酒の開発に取り組み始め、現在は文旦の酒、いの町産の生姜を使ったしょうが酒、いの町ほどの地区の梅を使った梅酒を造っています。実生のゆず酒は、接ぎ木をせず種から成木まで20年近くかけて育てた高知県産の実生ゆずを皮ごと絞った一本で、実生ゆずの不作のため、2026年10月時点では販売を休止しています。
休止前の受賞として、蔵の発表では2017年のアヌーガ金賞、2023年のフェミナリーズ銀賞、2025年の高知家のうまいもの大賞嗜好品部門優秀賞などを受けています。また2005年には高知県酒造組合とともに、酒造好適米と酵母をロシアのソユーズロケットで宇宙ステーションに運び、その酵母で醸した宇宙酒を2006年から発売しました。
代表銘柄
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瀧嵐
瀧嵐は、前身の蔵元が1883年に醸し始めた、高知酒造を代表する銘柄です。原料米は五百万石で、純米と本醸造は精米歩合70%、特別本醸造は60%、吟醸と純米吟醸は50%です。本醸造は仁淀川の伏流水を仕込み水に使い、酸味のある爽やかな味わいで、しっかりした味の料理にも合います。そのほかは淡麗辛口で、刺身や白身魚によく合います。
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仁淀川は、高知酒造のもう一つの代表的な銘柄です。高知県独自開発の酵母CEL24を使った純米大吟醸は、磨き40%が高知県初の酒造好適米である吟の夢、磨き50%が五百万石で、どちらも甘口でデリシャスリンゴを思わせる香りです。AC95の純米大吟醸磨き40%は吟の夢を使い、パイナップルのような香りで、程よい辛口とキレのある後味に仕上げています。
見学・購入
- 直売所
- 公式オンラインショップ(日本国内限定)
- 補足
- 2022年時点では、見学は事前予約制で、土日祝日は原則として受け付けていませんでした。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 高知県吾川郡いの町勝賀瀬780-2
- 創業
- 1944年
- 公式サイト
- kochisake.com
出典
kochisake.com / japansake.or.jp / sake-sasaki.com / kondosaketen.com / sakenomy.jp / e-sake.ne.jp / nishitora.jp / kochisake.jp / web.archive.org / nrib.go.jp / sakesamurai.jp
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