老松酒造
代表銘柄:老松
兵庫県
HYOGO
1768年創業
老松酒造は、江戸中期の明和5年(1768年)、宍粟の山崎藩城下町にて創業した歴史ある酒蔵です。山崎藩の御用酒屋を務め、現在も歴史的な風情を残す建造物が保存されています。代表銘柄の「老松(寿恵広 老松)」は、250年以上にわたり地元・宍粟の人々の晩酌の酒として親しまれてきました。
酒造りでは、宍粟の自然が育むまろやかな伏流水と、兵庫県産の夢錦や山田錦、五百万石といった厳選した酒米を使用しています。休蔵前は、丹波杜氏の経験と勘に頼る昔ながらの手造りで、寒造りの低温長期発酵で仕込み、旨味と酸味が調和した芳醇な味わいを生み出していました。
創業240年を記念して造られた5年貯蔵の古酒「善次郎」をはじめとする多様な商品を展開し、かつては兵庫県技能顕功賞を受賞した尾崎杜氏らが伝統の味を護り続けてきました。敷地内には直売所や発酵食ランチを楽しめる「老松ダイニング」も併設されています。蔵は2025年に創業以来初めて休蔵し、2026年10月時点では新体制で新酒造りを再開しています。
老松酒造の歩み
老松酒造は、江戸中期の明和5年(1768年)に、山崎藩の城下町だった現在の宍粟市山崎町山崎の地で創業した造り酒屋です。創業以来の山崎藩御用酒屋であり、創業から250年余りの歴史を重ねてきました。山崎は1万石の城下町で、酒造りで賑わった江戸時代の町並みが今も残る西町地区に蔵があります。蔵の建物は、兵庫県の景観形成重要建造物等に指定されています。
山崎は周囲を山に囲まれた盆地で、山から湧き出る豊富な水と良質な米に恵まれた土地です。海抜はおよそ150メートルで、大阪や姫路より平均気温が3〜5度低く、厳寒期に寒造りの低温長期発酵で酒を仕込んできました。蔵は、永い時間をかけてこの蔵に住み着いた酵母菌が老松の味を生み出しているとしています。
宍粟市は、播磨国風土記にある米から造った酒の最も古い記述にちなみ、一宮の庭田神社が日本酒発祥の地といわれる土地です。老松酒造も「日本酒発祥の地」をうたい、代表銘柄の「スエヒロ老松」は、宍粟の人々の晩酌の酒として長く親しまれてきました。
歴代の蔵元は、4代目から8代目までが「善次郎」の名を襲名してきました。現在は名乗られていませんが、創業240年の節目にこの名を冠した5年貯蔵の古酒「善次郎」が造られました。平成21年(2009年)にこの地域を襲った台風災害の際には、地元のこけし作家の協力を得て、義援金に充てるための「復興こけし 善次郎」も生まれています。かつては、兵庫県技能顕功賞を受けた尾崎杜氏を中心とする丹波杜氏の蔵人が酒造りを担ってきました。
2019年2月9日には、母屋を改装した酒蔵館と、発酵食を提供する直営の「老松ダイニング」が開業しました。一方、蔵の酒造りは大きな節目を迎えています。蔵は2025年に、長い歴史の中で初めて休蔵しました。2026年10月時点では、新体制のもとで新酒造りが始まっています。
酒造りの特徴
休蔵前の造りは、寒造りの低温長期発酵が柱でした。洗った米を一昼夜水に浸し、蒸し器で2時間ほど蒸してから、放冷機で32度前後まで冷まします。麹造りでは、蒸米に麹菌を振り入れたあと、布で受けて四隅を寄せ持ち、麹室で何度も手入れをしながら2日間で仕上げていました。休蔵前の取材では、蔵元は麹の温度管理などを杜氏の経験と勘に頼る昔ながらの手造りだと語っています。
仕込みは三段仕込みです。酒母を育てたのち、1日目に初添え、2日目は仕込みを休み、3日目に中添え、4日目に貯め添えと3回に分けて仕込みます。この状態の醪が、その後およそ2週間かけて発酵します。搾ったあとは、しぼりたての酒を濾過して火入れをせず、酵母が生きた生酒のまま瓶詰めします。後のお酒は濾過と火入れをして貯蔵し、3〜6か月ほど熟成させて仕上げます。ラベルは1枚ずつ手貼りする商品もあります。
現行の商品では、使う米が商品ごとに異なります。純米大吟醸「繋」は山田錦100パーセントで、低温でじっくり発酵させた生無濾過の酒です。純米酒と辛口本醸造には兵庫県産の五百万石を使っています。以前の取材では、蔵元は兵庫県産の夢錦と山口県産の日本晴の一等米だけを使うと語っていました。仕込みには宍粟の丸みのある伏流水を使います。
麹を生かした発酵食品も造っています。もち米と麹だけで仕上げた砂糖不使用でノンアルコールの甘酒、酒造りの麹に醤油と野菜、唐辛子を合わせた「酒蔵もろみ」、山椒の実の時期に限って出す「酒蔵山椒もろみ」、醤油麹や塩麹などです。酒類では、紀州南高梅を使った梅酒、高知県産のゆずを使ったゆず酒、宍粟市波賀のりんごを使ったりんご酒もあります。
代表銘柄
老松
老松は、蔵の看板となる銘柄です。「スエヒロ老松」は、蔵が創業当時を守る酒と位置づけ、宍粟市で最も人気が高く晩酌に飲まれているとする一本で、見学に訪れる地元の小学生も知っているほど馴染みがあります。上撰は濃厚で燗でもおいしく、辛口本醸造と純米酒には兵庫県産の五百万石を使います。ほかに山田錦を使った純米大吟醸「繋」や、5年貯蔵の古酒「善次郎」も造っています。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵内の販売所(老松酒蔵館)で日本酒や発酵食品を販売しています。販売所の営業時間は9:00〜17:00です。
- 補足
- 蔵見学は要予約で、仕込みの時期にあたる10月から1月は蔵の外からの見学になります。休蔵を経ているため、見学の可否は事前にご確認ください。併設の老松ダイニングは11:00〜14:30(ラストオーダー13:30)、毎週木曜定休で、予約は電話(0790-62-2345)で受け付けています。最新の営業状況は事前にご確認ください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 兵庫県宍粟市山崎町山崎12
- 創業
- 1768年
- 公式サイト
- s-oimatsu.com
出典
s-oimatsu.com / sakenomy.jp / the-kansai-guide.com / harima-sake.jp / oimatsu.shop / himeji-mitai.com / shiso.or.jp
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