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中本酒造店

代表銘柄:山鶴・長屋王

奈良県

NARA

1727年創業

奈良県生駒市に位置し、江戸時代の享保12年(1727年)に創業した老舗酒蔵です。原料米を高精白する「一白」、良い醸造環境を整える「二蔵」、技術に長けた蔵人を指す「三杜氏」をモットーに掲げ、伝統の技法と最新の技術や設備を融合させた酒造りを行っています。1987年(昭和62年)に普通酒の製造を廃止して特定名称酒のみへと方針転換し、2005年(平成17年)からは純米酒のみを醸造する純米蔵となりました。

2013年時点では、醸造する日本酒はすべて吟醸規格以上の精米歩合で仕込み、マイナス温度帯や18度以下の冷蔵庫での低温管理など貯蔵にも徹底したこだわりを持っていました。代表銘柄である「山鶴」のほか、奈良時代のお酒を再現した「長屋王(神龜乃黄金酒)」の酒造りも手掛けています。「長屋王」が「Kura Master」純米酒部門でプラチナ賞を、「ミラノ酒チャレンジ」純米・本醸造部門でもプラチナ賞を受賞するなどの実績があります。

中本酒造店の歩み

中本酒造店は、奈良県生駒市上町にある酒蔵です。享保12年(1727年)の創業で、奈良と大阪の間にある生駒山系の西北端に近い山ふところで、銘柄「山鶴」を醸してきました。2013年ごろは「酒蔵 与左衛門」の屋号も用いていました。現在は「小さな蔵だが光る蔵」という誇りを胸に、品質にこだわって酒を蔵出ししています。

一時期は増醸酒、いわゆる普通酒が中心だった時代もありました。しかしそれでは蔵の将来がないとして、昭和62年(1987年)に方針を大きく転換し、普通酒の製造を一切やめて本醸造酒以上の特定名称酒だけを造るようになりました。同じ昭和62年には吟醸専用蔵を建て、当時の最新設備を備えました。さらに平成17年(2005年)からは、日本酒の原点に帰るとして純米酒だけを造る蔵になりました。

平成25年(2013年)9月1日には、個人事業から株式会社に組織変更し、「中本酒造店 代表者 中本彰彦」から「株式会社 中本酒造店」に社名を改めました。現在の代表者(蔵元)は栗田佳直氏です。

昭和63年(1988年)、奈良では長屋王の邸宅跡から約4万点の木簡が発掘されました。そこには当時の暮らしや酒造りに関する記録が含まれていました。奈良に根ざす酒造家として、中本酒造店はこの木簡をもとに奈良時代の酒造法の再現に取り組み、試行錯誤を重ねて「神龜乃黄金酒 長屋王」を世に出しました。酒を買い、味わえる場として設けた「作宝楼」の名も、長屋王の邸宅にあった建物の名にちなんでいます。

受賞では、フランス日本酒コンクール Kura Master の純米酒部門で「山鶴 神龜乃黄金酒 長屋王」が2020年と2021年にプラチナ賞、2023年に金賞を受けています。蔵の発表では、イタリアのミラノ酒チャレンジでも2022年と2024年にプラチナ賞、2023年に金賞を受賞しました。2025年のオーストラリアの Australian Sake Awards では、長屋王が Rich / Savoury 部門のゴールド賞と Judge's Choice 賞を受けました。

全国新酒鑑評会では、令和6酒造年度に入賞しています。

酒造りの特徴

蔵のモットーは「一白・二蔵・三杜氏」です。「一白」は良い米を白く丁寧に磨くこと、「二蔵」は良い蔵と良い設備、「三杜氏」は良い杜氏と蔵人を指します。

2013年時点の山鶴は、平均精米歩合が49.6%で、使う米の殆どは酒造好適米でした。純米酒を含むすべての酒を吟醸酒の規格(使用米三等以上、精米歩合60%以下、低温発酵)で醸していました。麹は箱麹法でつくり、酒母は速醸法で仕込み、もろみは「ヤエガキ式」の吟醸搾り機で搾っていました。最上級の酒は、木綿の袋を吊るして搾る「滴取り」も行い、火入れは瓶詰め後に瓶燗で行って瓶のまま貯蔵する方式でした。生酒はマイナス5度で低温貯蔵し、火入れした酒は瓶燗と急冷のうえ18度以下の冷蔵庫で管理していました。

伝統的な技法を基本にしながら、手造りの良さを生かせる新しい設備や技術は積極的に取り入れており、世界最先端技術をうたう活水器を導入して水のエネルギーを高めたところ、麹が活発に動き、酒の品質が向上したと蔵は説明しています。

「長屋王」は、奈良時代の技法を再現した「天平醸し」で醸します。酒米ではなく食用米を使い、現代の三段仕込みとは違って酒母を立てず、麹米・蒸米・水を一度に仕込みます。特注の信楽焼の甕で仕込む「古伝長屋王」もあります。貯蔵では、年間を通して温度と湿度が安定している旧生駒トンネルに一定期間寝かせた「生駒隧道 月の旅人」も出しています。清酒に加えて、本格焼酎も造っています。

代表銘柄

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山鶴

蔵の名を冠した主力銘柄です。純米酒は精米歩合60%で、米の旨みとコクがありながら後味はすっきりしており、冷やしてもぬる燗でも楽しめます。純米吟醸はほどよい辛口で、米の旨みとキレのよさが調和します。ほかに、兵庫県吉川町産の山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸、35%の竹風万葉、50%で日本酒度+1.5の大和思ひなど、磨きの高い純米の酒がそろいます。

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長屋王

長屋王の邸宅跡から出土した木簡に記された仕込み配合をもとに、奈良時代の酒を復元した銘柄です。酒米ではなく食用米を使い、酒母を立てずに仕込む天平醸しで醸します。芳醇な甘味と濃厚な旨味があり、冷酒、燗、オンザロックと飲み方を選びません。Kura Masterの純米酒部門で2020年と2021年にプラチナ賞、2023年に金賞を受け、2025年のAustralian Sake Awardsではゴールド賞とJudge's Choice賞に選ばれました。

見学・購入

直売所
蔵の直営店ミリオンリーブズ(作宝楼内)。営業時間は11時から17時、定休日は日曜・月曜・祝日です。
補足
作宝楼では、木・金・土曜に完全予約制の酒蔵まかないランチ(2026年10月時点)があります。年末年始などの営業日は事前の確認をおすすめします。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
奈良県生駒市上町1067
創業
1727年
公式サイト
yamaturu.com

出典

japansake.or.jp / yamaturu.com / sakagura-press.com / kcn.ne.jp / ginjyoshu.jp / lit.link / web.archive.org / nrib.go.jp / kuramaster.com / nta.go.jp

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