SAKE BREWERY — NARA

奈良豊澤酒造

奈良県奈良市今市町405 1868年創業

紹介

1868年(明治元年)創業。「日本清酒発祥の地」とされる正暦寺のほど近く、奈良県奈良市今市町に酒蔵を構える老舗蔵元です。

酒造りの機械化をほとんど進めず、熟練の蔵人による「手造り」に一途にこだわる姿勢を貫いています。生産量の8割以上を純米酒などの特定名称酒が占めており、酒質を左右する麹造りも手作業で行われています。「現代の名工」に選ばれた但馬杜氏・藤沢忠治氏らの技術を受け継ぎ、丁寧な酒造りを実践。主力銘柄「豊祝」は全国新酒鑑評会で通算15回以上の金賞を受賞するなど高い評価を得ており、東大寺や春日大社をはじめとする歴史ある寺社にも酒が奉納されています。

また、近鉄駅構内などで直営の立ち飲み処「蔵元 豊祝」を展開するほか、元酒造場等を活用した宿泊施設(NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち)の展開に関わるなど、伝統を守りながら消費者へ酒文化を届ける独自の取り組みも行っています。

歴史

奈良豊澤酒造は、明治元年(1868年)に豊澤儀助が大阪玉造で酒卸業を興したことに始まります。明治20年頃(1887年)には酒造業へ進出し、灘(神戸市)、伏見(京都市)、奈良、泉南尾崎(大阪府)、里庄(岡山県)で清酒酒造業を営むようになりました。

昭和10年頃(1935年)、二代目の儀三郎は本社を西城戸町に残したまま、酒蔵を現在の所在地である奈良市今市町に移転しました。昭和16年頃(1941年)には戦時統制経済体制のもとで泉南の酒蔵を廃業し、伏見と灘の酒蔵も奈良の本店に集約しました。昭和20年以降(1945年)、伏見(本家)は豊澤本店として独立し、灘豊澤酒造と奈良豊澤酒造もそれぞれ個人企業として独立しました。三代目の儀雄は、戦後の食糧不足の中、配給された米で酒造りを続けて酒蔵を守り、昭和30年(1955年)9月には個人企業を改組して奈良豊澤酒造株式会社を設立しました。

昭和54年(1979年)、のちに四代目となる豊澤安男氏(当時専務)が杜氏を求めて兵庫県但馬地方を訪れ、但馬杜氏の藤沢忠治氏と出会って蔵に招きました。同じ年、価格を抑えた純米酒「黒松貴仙寿」を他に先駆けて発売し、多くの支持を集めました。昭和59年(1984年)には安男氏が代表取締役社長に就任しています。

平成2年度(1990年度)の全国新酒鑑評会で「大吟醸 豊祝」が初めて金賞を受賞して以来、令和4年度(2022年度)までに通算15回の金賞を重ねてきました。現在は五代目の豊澤孝彦氏が社長を務め、資本金2,500万円、従業員25名(2025年3月現在)の体制で清酒製造業を営んでいます。醸造した日本酒は、東大寺や春日大社をはじめとする奈良の歴史ある寺社にも奉納されてきました。

自社が所有していた築130年の建物は宿泊施設に改修され、2026年6月には「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」から「風の ならまち」へと名称を変更して営業しています。

酒造り

創業以来、機械化をほとんど進めず、手造りに徹した酒造りを行っています。生産量の8割を純米酒以上の特定名称酒が占め、日本酒の品質を大きく左右する麹造りは全て手作業で行われています。

酒造りを率いてきたのは但馬杜氏の藤沢忠治氏で、平成14年(2002年)に卓越した技能者を讃える「現代の名工」に選ばれ、厚生労働大臣から表彰されました。洗米は洗米機を使わず蔵人総出の手作業で行い、大吟醸の蒸米には昔ながらの甑(こしき)を用いるなど、麹造りから搾りに至るまで各工程で機械化を避け、杜氏の経験を頼りとする手造りにこだわっています。麹造りでは、味わいを楽しむ純米酒には糖化力の強い「総破精」に近い麹を、後味の綺麗さを求める大吟醸・吟醸酒には「突き破精」の麹を、それぞれ造り分けています。純米酒以上の特定名称酒の一部には蔵内から分離した自家培養酵母を用いており、純米吟醸「無上盃」や「貴仙寿吉兆」の香味に活かされています。

主力銘柄「大吟醸 豊祝」は平成2年度(1990年度)の全国新酒鑑評会で初めて金賞を受賞して以来、令和4年度(2022年度)までに通算15回の金賞を重ねてきました。独立行政法人酒類総合研究所が公表した入賞酒目録でも、令和3酒造年度・令和5酒造年度・令和6酒造年度に「豊祝」が入賞酒として名を連ねていることが確認できます。

蔵データ

所在地

奈良県奈良市今市町405

創業

1868年(奈良県)

公式サイト

nara-toyosawa.jp

代表銘柄

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黒松貴仙寿:麹米に五百万石、掛米に国産米を用い、麹米60%・掛米75%に精米した純米酒です。使用酵母はK901、日本酒度+1、酸度1.5。純米酒がまだ珍しかった昭和54年に他に先駆けて発売され、後継銘柄「貴仙寿」誕生の礎となった、呑み飽きせず食が進む味わいの一本です。

豊祝:奈良豊澤酒造の代表銘柄で、大吟醸から純米酒まで幅広いラインナップを展開しています。大吟醸「豊祝」は山田錦100%を精米歩合35%まで磨き上げ、日本酒度+5、華やかな香りと芳醇な旨味を備えています。全国新酒鑑評会でも通算15回の金賞に輝く看板銘柄です。

貴仙寿:甘口・辛口の本醸造から純米吟醸「貴仙寿吉兆」まで揃うシリーズです。本醸造 貴仙寿 辛口は日本酒度+11の超辛口、四段仕込みの甘口は同-1。純米吟醸 貴仙寿吉兆は五百万石を精米歩合60%まで磨き、蔵内から分離した自家培養酵母による華やかな香りとすっきりした味わいが持ち味です。

朱雀門:平城京の正門・朱雀門をラベルに描いた純米酒です。麹米に五百万石、掛米に国産米を用いて精米歩合75%に仕上げ、使用酵母はM2酵母。日本酒度+1.5、酸度1.4、アルコール分15度以上16度未満。キレのよいまろやかな味わいで、燗から冷やまで幅広く楽しめます。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

直営の立ち飲み処「蔵元 豊祝」を、奈良近鉄ビル内の奈良店、近鉄大和西大寺駅構内の大和西大寺店のほか、大阪の近鉄大阪難波駅構内なんば店・天王寺ミオプラザ館の天王寺MIO店に展開しています。

補足

本社・酒造場(奈良市今市町405)の営業時間は8:00〜17:00(土・日・祝休み)です。蔵見学は10:30〜と15:30〜の完全予約制(1〜40名)で、10月・11月・2月・3月のみ受け付けており、見学料は500円(お土産付き)です。蔵見学は土・日・祝日も受け付けています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / nara-toyosawa.jp / ginjyoshu.jp / vmg.co.jp / sakenomy.jp / nara.lg.jp / note.com / narawashi.jp / nara-toyosawa.myshopify.com / city.nara.lg.jp / nrib.go.jp / kazenoheritage.jp

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