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北岡本店

代表銘柄:八咫烏

奈良県

NARA

1868年創業

北岡本店の建物
北岡本店の建物(2021年撮影)「Kitaoka Honten 2021-11 ac (2).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

奈良県吉野郡吉野町に所在する北岡本店は、明治元年(1868年)に創業した酒蔵です。仕込み水には、鉄分が少なくミネラル分のバランスが良い「奥吉野の森林水」を使用しています。米の旨みをしっかりと引き出しつつ味と香りのバランスを重視した「呑めば呑むほど美味い酒」をコンセプトに仕込まれています。

代表銘柄「八咫烏(やたがらす)」の名は神話に登場する道案内の瑞鳥に由来し、奈良発祥の伝統的な製法である「菩提酛(ぼだいもと)」を用いた純米酒や、特約店限定の「CORE(コア)シリーズ」などを展開しています。全国新酒鑑評会では、平成2年度から平成27酒造年度までに通算10回の金賞を受賞しています。また、酒造りの技術を活かし、全国の農家から厳選した素材を用いた果実リキュール「吉野物語」シリーズなどの開発・製造にも注力しています。

北岡本店の歩み

奈良県南部、吉野熊野国立公園の入り口にあたる吉野は、「ひと目千本」と詠まれた桜の名所です。飛鳥から奈良の時代には吉野離宮が置かれ、この地を題材にした歌が万葉集に収められています。北岡本店は、そうした歴史の舞台である吉野の上市で酒造りを続けています。

江戸時代の初め頃、吉野は山林労働に携わる人たちが一泊する宿場町として、また大和から伊勢・熊野へ抜ける交通の要として栄えていました。北岡本店はその宿場町の中心地に店を構え、創業者の惣兵衛は古金屋、つまり換金や手形の取り扱いを営んでいたと伝わっています。七代目の惣十郎が明治元年(1868年)に、それまで手がけていた酒、醤油、油造りなどの事業を一本化し、酒造業専業に切り替えました。これが現在の酒蔵の始まりです。

蔵の商標「八咫烏(やたがらす)」は、神武天皇が東征の際に熊野から大和へ入る吉野の山中で道に迷ったとき、天の神が道案内のためにつかわした三本足の鳥に由来します。大正時代に、吉野と縁の深いこの伝説にちなんで惣太郎が商標としました。三本足の鳥は日本サッカー協会の旗章にも採用されており、日本代表のエンブレムとしても知られています。

近年は、2014年に当時27歳の夏目大輔さんが杜氏に抜擢され、従来の「やたがらす」にはなかったアプローチの酒も醸すようになりました。2023酒造年度からは、専門店向けの限定流通酒「CORE(コア)シリーズ」も始まっています。また、2019年11月には鳥取県八頭町の鳥取工場が稼働を始め、奈良の本社とあわせて二つの拠点を持っています。会社としては、清酒のほかにリキュールや食品も製造販売しています。

全国新酒鑑評会では、平成2・4・5・7・10〜13年度に金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降に限っても11回入賞しており、そのうち金賞は平成16酒造年度と平成27酒造年度の2回です。入賞は平成16・18・19・20酒造年度、平成27酒造年度から令和2酒造年度までの6年連続、そして令和5酒造年度で、金賞の通算は10回になります。令和元酒造年度は金賞の選定が行われなかった年で、この年も入賞酒に名を連ねています。

酒造りの特徴

仕込み水は、吉野の深い山々を流れる小川から汲み上げている「奥吉野の森林水」です。鉄分が少なく、ミネラル分のバランスが良いため、香りも味わいも穏やかで優しい酒に仕上がります。蔵はこの水の特性を生かすため、味と香りのバランスを重視し、米の旨みをしっかり引き出しながらも程よい香りで、素材の味を引き立てる「呑めば呑むほど美味い酒」をコンセプトに掲げ、食中酒としても勧めています。

造りの工程は昔ながらの流れに沿っています。丁寧に手洗いした白米に限定吸水をさせ、甑で約50分かけて蒸し上げます。麹造りは約2日間で、1日目は床に積んで寝かせ、2日目に盛りといって一升ずつ麹蓋に盛り、仲仕事と仕舞い仕事を経て仕上げます。酒母は乳酸を応用して酵母を育てる工程で、約12日間の培養で完成します。醪は4日間で3回に分ける三段仕込みで、初添え、1日置いて踊り、仲添え、留添えと進めます。

発酵中は温度管理と分析を欠かさず、もろみが熟したら130枚のろ過板を備えた圧搾機で搾り、火入れのあと十分に寝かせて、まろやかな酒に育てます。

酛造りでは、奈良らしい二つの手法に取り組んでいます。一つは、室町時代に奈良市の正暦寺で僧坊酒として盛んに造られた「菩提酛」の復興です。通常は蒸米で造る酛に、生米を使うのが特徴で、生米とお湯を保温して空気中の乳酸菌を取り込み、乳酸を含む酸性の「そやし水」をつくります。その水で蒸米と麹米、酵母を混ぜて酛を立てる造り方で、芳醇なコクと穏やかな酸味のある甘口の純米酒になります。もう一つは、自然の乳酸菌を利用した山廃酛の酒造りです。

吉野の地場産業である吉野杉も酒造りに生かしています。吉野杉の酒樽で香りを付けた純米樽酒に吉野杉の枡二つと杉板三枚を組み合わせた「たる酒 かおりすぎます」は、実用新案登録を受けた商品です。さらに、酒造りの技術を生かしたリキュールにも力を入れています。全国各地の果物や野菜を使う「吉野物語」シリーズは、いちご、もも、柿、くり、キウイ、トマト、かぼちゃ、しそ、うめ、下北山村育ちのジャバラなど多彩で、鳥取県産の梨を使った商品なども手がけています。

代表銘柄

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八咫烏

八咫烏は、神武天皇を吉野の山中で導いたとされる三本足の鳥に由来する蔵の商標で、大正時代から使われています。純米大吟醸は兵庫県産山田錦を100%使い、精米歩合50%で醸した定番です。菩提酛純米は生米を使う酛で造る、コクと酸味のある甘口です。ほかに、本醸造や純米酒を揃えるCLASSICシリーズ、杜氏デザインのラベルで専門店向けに展開するCOREシリーズ、吉野杉の香りを移した樽酒もあります。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
奈良県吉野町の本社に蔵元直売所を併設しており、やたがらすを購入できます。試飲もできますが、車を運転する方と未成年の方はお断りです。営業時間は9時から17時、休みは日曜、祝日、年末年始で、時期によって変わることがあります。近鉄電車の大和上市駅から徒歩約15分、国道169号線沿いです。
補足
蔵見学は予約が必要です。米選びから熟成までを紹介するオンライン蔵見学も、ホームページで公開されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
奈良県吉野郡吉野町上市61
創業
1868年
公式サイト
www.kitaoka-honten.com

出典

japansake.or.jp / kitaoka-honten.com / yatagarasu.info / nanto-consulting.co.jp / naraizumi.jp / nobori-sake.com / jfex.jp / nrib.go.jp / jp.sake-times.com / nta.go.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。