SAKE BREWERY — NARA

油長酒造

〒639-2200 奈良県御所市1160番地 1719年創業

紹介

油長酒造は慶長年間より製油業(油屋長兵衛)を営んでいたが、1719年(享保4年)に酒造業へ転じた奈良県御所市の老舗蔵です。1998年には地元の地名「風の森峠」にちなむ銘柄「風の森」を立ち上げ、無濾過・無加水・生の酒造りで知られています。金剛・葛城山麓の深層地下水(硬度250mg/L前後の超硬水)を仕込み水に使用し、発酵由来の炭酸ガス感とフレッシュで豊かな味わいが特徴です。奈良の伝統的な古技法である「菩提もと」や甕仕込みの復元に取り組む一方、品温管理のための冷却タンク開発や独自の上槽法「笊籬採り(いかきどり)」を取り入れるなど、伝統と現代技術を重ね合わせた酒造りを行っています。現在は「風の森」を醸す「御所まち蔵」、「水端」を醸す「享保蔵」、「S風の森」を醸す「山麓蔵」などを拠点とし、「鷹長」をはじめとする多様な酒を展開しています。

歴史

油長酒造の創業は江戸時代にさかのぼります。慶長年間には油屋長兵衛の屋号で製油業を営んでいましたが、享保4年(1719年)に酒造業へ転じ、良質な水を求めて現在の奈良県御所市に蔵を構え、以来同じ地で酒造りを続けています。

転機となったのは1996年、12代目山本長兵衛が奈良県内の蔵元有志とともに奈良県菩提酛による清酒製造研究会を発足させ、室町時代に奈良の寺院で行われていた酒母製法・菩提酛の復活に取り組んだことです。この成果は同社の銘柄鷹長として世に出ました。続く1998年には、蔵の近くの地名・風の森峠にちなむ新ブランド風の森を発売し、無濾過・無加水の生酒という当時としては珍しい造りを一貫して追求しています。

現在の蔵主は1981年御所市生まれの13代目山本長兵衛です。関西大学工学部生物工学科を卒業後、阪急百貨店勤務を経て2008年に家業へ入社し、2014年に代表取締役に就任、2019年の創業300周年を機に代々の当主名である長兵衛を襲名しました。2018年にはクラフトジンを手がける大和蒸溜所を設立し、2021年には室町時代の醸造記録『御酒之日記』を参考にした甕仕込みの新ブランド水端を立ち上げるなど、酒造り以外の分野にも取り組みの幅を広げています。また葛城山麓の棚田地区の農家との連携から、農薬を使わない米づくりを支えるボランティア活動を通じて里山の保全にも取り組んでいます。

酒造り

仕込み水には、金剛山・葛城山系の深層地下水を用いています。敷地内に掘られた深さ約100メートルの井戸から採水されるこの水は、かつて活火山であった二上山に由来する、マグネシウムやカルシウムを多く含む粘土層を通ることでミネラルを豊富に含み、硬度250mg/L前後という日本酒の仕込み水としては非常に高い超硬水です。ミネラル分の多さが酵母の発酵を活発にし、酸味やガス感の豊かな味わいを生み出す一因になっています。

原料米は、風の森の主力である秋津穂を20年以上使い続けているほか、昭和38年に育成され奈良県内でのみ栽培される露葉風、奈良県初の酒造好適米・奈々露など、地元産米を積極的に取り入れています。醸造技法では、室町時代に確立したとされる段仕込みや、正暦寺由来の乳酸菌を活用する菩提酛、信楽焼の大甕を使う甕仕込みなど、当時の文献を頼りに読み解いて復元した古典技法を実践しています。上槽(搾り)では、円筒状の網目容器をもろみに直接沈めて清酒を取り出す笊籬採り(いかきどり)という手法も採用し、空気に触れる時間を最小限に抑えることで酸化を防ぎながら、旨みと透明感を両立させています。これらの酒は、風の森を醸す御所まち蔵、水端を醸す享保蔵、S風の森を醸す山麓蔵という複数の醸造拠点で仕込まれています。

蔵データ

所在地

〒639-2200 奈良県御所市1160番地

創業

1719年(奈良県)

公式サイト

yucho-sake.jp

代表銘柄

[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。

風の森:風の森は、蔵の近くにある峠の地名・風の森峠に由来する銘柄で、1998年に発売されました。搾りたてのフレッシュな味わいを大切にする無濾過無加水生酒を一貫した方針とし、蔵が20年以上使用する米・秋津穂を用いた酒質は、発酵由来の微発泡感と透明感のある酸味が特徴です。上槽には円筒状の網目容器をもろみに沈めて搾る笊籬採りを用いるものもあり、酸化を抑えた瑞々しい味わいに仕上げています。

鷹長:鷹長は、室町時代に奈良の寺院で行われていた酒母製法・菩提酛を現代に復活させた銘柄です。1996年、12代目山本長兵衛が県内の蔵元有志とともに奈良県菩提酛による清酒製造研究会を発足させ、生米を正暦寺寺領の清水に浸して得られる酸性の『そやし水』を用いる伝統製法を再現しました。試行錯誤の末に安定した品質での醸造・流通を実現し、酸味と旨みが厚みのある酒質に仕上げています。

S風の森:S風の森は、葛城山麓の棚田地区に新設された山麓蔵で醸される銘柄です。精米歩合90%前後という低精白の米を用い、大地由来の複雑な味わいを表現しています。この蔵は、無農薬栽培に取り組む地元農家との連携から生まれたもので、日本酒ファンによる棚田保全のボランティア活動とも結びついています。建築には地元の吉野杉と大工・左官の技術を活かし、里山の風景と共生する酒造りを目指しています。

同じ奈良県の酒蔵

出典

asano-nihonshuten.co.jp / yucho-sake.jp / naraizumi.jp / wikipedia.org / sakenomy.jp / japansake.or.jp / ja.wikipedia.org / discoverjapan-web.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。内容の正確性を保証するものではありません。