SAKE BREWERY — NARA

千代酒造

奈良県御所市大字櫛羅621 1873年創業

紹介

千代酒造は、奈良県御所市大字櫛羅(くじら)にある1873年(明治6年)創業の酒蔵です。葛城山の麓に位置し、自社の井戸から汲み上げた葛城山の地下水(伏流水)を仕込み水として使用しています。純米酒にこだわり、自社田での酒米栽培から醸造まで一貫して手掛けている点が特徴です。

古くからの伝統銘柄「千代」に加え、蔵周辺の自社田で収穫した山田錦のみで醸す「櫛羅」、多種多様な酒米や酵母を使い分け季節感を表現する限定流通銘柄「篠峯」、特別純米や大吟醸等を展開する「欅」、活性生酒などがある「どぶろく」といった銘柄を手掛けています。「時間と手間をかけて、風土を醸した酒造り」を掲げ、土地の恵みを生かした酒造りを追求しています。

確かな醸造技術を有しており、全国新酒鑑評会では平成16年から24年までの9年連続を含む通算16回の金賞を受賞した実績を持ちます(※平成26年以降は出品をとりやめています)。

歴史

千代酒造は、1873年(明治6年)に奈良県御所市大字櫛羅で創業した酒蔵です。葛城山麓のこの地で、蔵は長らく大手酒造メーカー向けの桶売りを主体として営まれてきました。最盛期には年間5000石規模の清酒を製造し、その大半を大手酒造会社に納めていたといいますが、需要は徐々に細り、2005年には桶売りの注文がゼロになりました。

この苦境の中で蔵の方向を変えたのが、3代目当主・杜氏を務める堺哲也氏です。堺氏は北海道の出身で、山梨県のワイナリーでワイン造りに携わっていましたが、東京で開催された酒類の研修会で千代酒造の蔵元の娘と出会い、28歳で結婚。1995年に奈良へ移り住み、蔵の酒造りに加わりました。ワイン造りがブドウ栽培に力を注ぐように、日本酒も米作りから自ら手掛けるべきだと考えた堺氏は、1996年から蔵の周囲の田で山田錦の自家栽培を開始し、農薬や化学肥料に頼らない栽培に取り組みました。

こうして育てた米で仕込んだ酒は1997年に「櫛羅」として発売され、蔵と田の所在地名がそのまま銘柄名になりました。続いて2000年には、蔵のすぐ西にそびえる葛城山の別名にちなんだ「篠峯」を発売。「売り急がなくてよい酒を造ろう」という理念のもと、熟成による味わいの変化を楽しめる酒として展開されるようになりました。桶売り中心の蔵から、自社田の米で個性を醸す蔵へと大きく舵を切った転換点が、この時期にありました。

酒造り

千代酒造の仕込み水は、葛城山の恵みである地下水を自社井戸から汲み上げた伏流水です。「日本酒は米の酒であると同時に水の酒である」という考えのもとでこの水を大切にしており、澄んだ味わいの仕込み水を活かした軟らかくやさしい酒質の土台になっています(水質について中硬水とする資料もあります)。

米づくりにも強いこだわりを持ち、自社栽培の山田錦に加え、契約栽培による雄町や愛山、伊勢錦、八反、栽培が難しいとされる亀ノ尾など、多彩な品種を使い分けています。蔵周辺の田は兵庫県特A地区のような肥沃な土地ではなく、砂質で肥料や水が抜けやすい土壌ですが、堺氏はあえてこの土地の山田錦にこだわり、収量を抑えて育てることで酒の味がきれいになると考えています。精米も県内では珍しく自社で行っています。

醸造にあたっては「時間と手間をかけて、風土を醸した酒造り」を掲げ、量を追い求めることをせず、微生物の力に委ねる部分を大切にする姿勢を「浪漫」という言葉で表現しています。目指す酒質は「美味しすぎないお酒」「飲み疲れない、飲み飽きない酒」で、料理に寄り添う酒を志向しています。

蔵データ

所在地

奈良県御所市大字櫛羅621

創業

1873年(奈良県)

公式サイト

chiyoshuzo.co.jp

代表銘柄

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篠峯:篠峯は2000年に発売された銘柄で、蔵のすぐ西にそびえる葛城山の別名にちなんで名付けられました。「売り急がなくてよい酒を造ろう」という理念のもと、出荷後に生じる味わいの変化を楽しめるよう設計されています。契約栽培の山田錦や雄町、愛山、伊勢錦、八反に加え、栽培の難しい亀ノ尾なども使用し、50種類以上のラインナップを展開。奈良県宇陀市産米にこだわった「田圃ラベル」シリーズや、吟醸香と甘みを兼ね備え早飲みに向く「ろくまる」シリーズなど、米や飲み方の違いを楽しめる構成になっています。

千代:千代は蔵に古くから伝わる銘柄です。「櫛羅」「篠峯」が生まれた後も蔵の酒として醸造が続けられており、現在は奈良県内の一部の取扱店を中心に流通しています。

櫛羅:櫛羅は、蔵の周囲の自社田で栽培した山田錦のみを使って醸す銘柄です。3代目杜氏の堺哲也氏が1996年から自家栽培を始め、農薬や化学肥料に頼らない栽培に取り組み、1997年に発売されました。蔵と田の所在地名がそのまま銘柄名になっています。使用する山田錦は兵庫県特A地区のような土地ではなく、砂質で肥料や水が抜けやすい蔵周辺の田で育ったもので、収量を抑えて酒の味をきれいに仕上げています。50%精米の純米吟醸と60%精米の純米があり、それぞれ生酒と火入れ酒が揃います。

:欅は、特別純米酒と大吟醸を中心に据えた銘柄で、篠峯・櫛羅とは別ラインとして少量流通しています。取り扱う酒販店では、全国新酒鑑評会で幾度も金賞を受賞してきた蔵の技術を伝える一本として紹介されています。篠峯のような多彩な酒米を使い分けるラインナップとは異なり、定番の特別純米酒と上位グレードの大吟醸という構成で、蔵のオーソドックスな醸造技術を示す銘柄として位置づけられています。

どぶろく:どぶろくは、篠峯ブランドの季節限定品として造られる活性生酒です。富山県の酒造好適米「雄山錦」と一般米を77%精米で使用し、リンゴ酸を多く生成する77号酵母で醸した醪をそのまま瓶詰めしています。アルコール度数は12度で、無濾過のため瓶内でも発酵が続き、ガス感のあるフレッシュな口当たりに、甘みと爽やかな酸味が広がる味わいが特徴です。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

本社直売所(奈良県御所市大字櫛羅621番地)。営業時間9:00〜17:00、定休日は土曜・日曜・祝日です。

補足

蔵見学は実施していませんが、利き酒や酒造り体験ができると奈良県観光公式サイトで紹介されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

同じ奈良県の酒蔵

出典

sakedata.jp / japansake.or.jp / asano-nihonshuten.co.jp / sakagura-press.com / kandaya.biz / chiyoshuzo.co.jp / tanoshiiosake.jp / nobori-sake.com / ameblo.jp / sake-kagiya.com / hyotan.co.jp / diamond.jp / liquor-depot.jp / nara-kankou.or.jp

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