SAKE BREWERY — NARA

長龍酒造

奈良県北葛城郡広陵町南4 1963年創業

紹介

奈良県北葛城郡広陵町に所在する長龍酒造は、「昇道無窮極(良い酒造りを目指す道に終わりはない)」を社是に掲げる蔵元です。前身となる酒小売や加工業の創業は1923年、長龍酒造株式会社としての設立は1963年です。1964年には日本で初となる瓶詰めの樽酒「吉野杉の樽酒」を発売したことで広く知られています。酒造りにおいては米選びを重要視しており、地元奈良県唯一の酒造好適米「露葉風」や、岡山県高島地区産の「雄町米」の委託栽培を行うなど、原料米の個性を生かした上質な酒質を追求しています。「長龍」「吉野杉の樽酒」「稲の国の稲の酒」「四季咲」「九々鱗」などの多様な銘柄を展開するほか、2021年からは日本酒醸造技術を応用したクラフトビール造りを開始し、直営施設「長龍ブリューパーク」を開園するなど、伝統を守りながら常に新しい挑戦を続けています。

歴史

長龍酒造のルーツは、1868年(明治元年)創業の酒造家「飯田酒造場」の家系にさかのぼります。同家に生まれた飯田弟一氏は1923年(大正12年)6月、大阪・八尾(現在の大阪府八尾市)で独立し、酒の小売店を開業しました。当初は自ら酒を醸造しておらず、飯田酒造場が醸造した清酒「長龍」の販売からのスタートでした。

1941年、戦時体制により酒類販売を中断し、飯田木工株式会社を設立して樽・桶などの木製品製造へ一時転じました。戦後の1963年1月には長龍酒造株式会社を設立し、八尾工場を竣工して共同びん詰場の免許を取得、清酒「長龍」の瓶詰めを始めました。1964年(昭和39年)には、樹齢80年以上の吉野杉で作られた樽に酒を肌添えさせ、その香りを封じ込めたまま瓶詰めする「吉野杉の樽酒」を発売しました。これは日本で初めての瓶詰め樽酒とされ、以後半世紀以上にわたるロングセラー商品となっています。自社醸造は1979年設立の広陵酒造株式会社(1993年に長龍酒造へ合併、現在の広陵蔵)で本格化しました。

品質面では、1992年から2001年まで10年連続でモンドセレクション金賞を受賞したほか、2009年にはIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でも金賞を獲得しました。

醸造は南部杜氏の資格を持つ社員が中心となって担っています。近年は2021年に日本酒の醸造技術を応用したクラフトビール事業に参入し、2022年春には本社に隣接して日本酒とクラフトビールを楽しめる施設「長龍ブリューパーク」を開園するなど、伝統を守りながら新しい取り組みを重ねています。現在は飯田豊彦氏が代表取締役社長を務め、近江商人の理念に由来する「三方よし」を経営理念に掲げています。

酒造り

本社のある広陵蔵は最大2万石の製造能力を持ちますが、2010年頃からは大量生産型から小仕込み醸造へと軸足を移し、多くの工程を少人数の手作業で行う昔ながらの酒造りを守っています。醸造は南部杜氏の資格を持つ社員が主導し、社外の杜氏に頼らない体制を築いています。

原料米では、岡山県高島地区産の「雄町米」を2001年から委託栽培し、翌2002年からは標高120~620メートルの大和高原に位置し、寒暖差の大きい奈良県山添村で、奈良県農業研究センターに保存されていた種子から復活させた奈良県唯一の酒造好適米「露葉風」の委託栽培も開始しました。この露葉風を使う「稲の国の稲の酒」は、精米歩合65%前後の特別純米酒を中心に仕込まれています。

貯蔵面では、創業の地でもある大阪・八尾の蔵(八尾蔵)の地下貯蔵庫を活用し、庫内を約10度に保ちながら瓶詰め後の酒をゆっくりと熟成させる地下低温瓶内貯蔵を行い、まろやかな味わいに仕上げています。看板商品の「吉野杉の樽酒」では、樹齢80年以上の吉野杉を用いた樽を鉄製の釘や鋲を使わず竹だけで締める伝統的な製法を守り、樽添えに使う回数も多くて3回程度にとどめて杉本来の香りを大切にしています。

蔵データ

所在地

奈良県北葛城郡広陵町南4

創業

1963年(奈良県)

公式サイト

www.choryo.jp

代表銘柄

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九々鱗:「九々鱗」は龍の異称に由来する銘柄で、一列に81枚あるとされる龍の鱗の数から名付けられました。龍は鳳・麟・亀とともに四霊の一つとされる想像上の霊獣で、雲雨を自在に操る力を持つと伝えられています。数量限定の純米大吟醸で、山田錦100%・精米歩合50%、低温瓶内熟成による芳醇で繊細な味わいと、滑らかな旨みが特徴です。

稲の国の稲の酒:奈良県唯一の酒造好適米「露葉風」を用いた特別純米酒シリーズです。精米歩合65%前後の特別純米酒を中心に仕込み、大阪・八尾の蔵の地下貯蔵庫で約10度に保ちながら瓶内でゆっくり熟成させることで、まろやかさを引き出しています。山で育った露葉風らしい野太さと個性を残した、きれいにまとまりすぎない味わいが特徴です。

長龍:社名を冠した長龍酒造の看板ブランドで、1923年の創業以来「長龍」の名で販売されてきた、蔵の歴史そのものを体現するシリーズです。定番酒から熟成酒まで幅広いラインアップを展開し、日々の食卓に寄り添う「いつもの」酒として親しまれるとともに、熟成酒では長期貯蔵による円熟した味わいも楽しめます。

吉野杉の樽酒:1964年(昭和39年)に発売された、日本で初めての瓶詰め樽酒とされるロングセラー商品です。樹齢80年以上の吉野杉で作った樽に酒を肌添えさせて杉の香りを移し、鉄製の釘や鋲を使わず竹で締める伝統的な製樽技法を守っています。樽添えの回数も多くて3回程度に抑え、杉本来の清々しい香りを瓶の中に閉じ込めています。

四季咲:厳寒期に仕込んだ純米吟醸無濾過生原酒を低温で瓶貯蔵し、七十二候に合わせて年9回に分けて出荷する特約店限定の季節限定シリーズです。奈良県産露葉風や岡山県産雄町などを用い、回によっては山廃仕込みも登場します。四季の移ろいとともに違った表情の味わいを楽しめる一本です。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

本社「広陵蔵」に併設する「蔵の店」では、ここでしか買えない限定品などを取り扱っています。

補足

蔵見学は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため当面の間中止されています。最寄り駅は近鉄田原本線箸尾駅で、徒歩約8分の立地です。本社に隣接する「長龍ブリューパーク」は2022年春に開園し、土・日・祝日の11時から17時に日本酒とクラフトビールを楽しめます(平日は芝生エリアのみ開放)。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / beer-cruise.net / sakenomy.jp / enta-sake.com / nara-kankou.or.jp / sakeworld.jp / goshu-pro.jp / sakagura-press.com / naraizumi.jp / sakeai.com / choryo.jp / ja.wikipedia.org / note.com / yamatoji.nara-kankou.or.jp

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