SAKE BREWERY — FUKUSHIMA

喜多の華酒造場

福島県喜多方市字前田4924 1919年創業

紹介

福島県喜多方市にある合資会社喜多の華酒造場は、大正8年(1919年)に「星正宗」の銘柄で創業し、戦後に「喜多の華」として復活した酒蔵です。酒造りが盛んな喜多方市の中では最も創業が新しい蔵として知られています。仕込み水には、飯豊山系の地下岩盤水脈から湧き出る角のないやわらかな清水を使用しています。地元の農家が育てる酒米や福島県産酵母を用い、小さなタンクで少量を丁寧に手造りする酒造りにこだわっています。代表銘柄には「喜多の華」「きたのはな」「星自慢」「金澤屋」などがあり、手造りの良さを活かした酒造りを行っています。また、敷地内に残る煉瓦煙突は平成20年度に経済産業省の「近代化産業遺産群 続33」に認定されています。酒蔵見学は「酒塾」と名付けられており、現場スタッフによる丁寧な解説を通して日本酒への理解を深めてもらう取り組みを行っています。

歴史

喜多の華酒造場は大正8年(1919年)に「星正宗」の銘柄で創業しました。喜多方市には現在10軒前後の酒蔵がありますが、同蔵はその中でも最も新しく興った蔵として知られています。戦後、銘柄を「喜多の華」に改め復活を遂げました。「喜多の華」という名前には、酒の町・喜多方で一番を目指すことと、皆様に喜び多くすばらしい事(華)があるようにとの願いが込められています。創業当時から使われていた敷地内の煉瓦煙突は、平成20年度(2008年度)に経済産業省の「近代化産業遺産群 続33」に認定されています。

しかし近年、経営は長らく厳しい状況が続き、三代目当主の星敬志氏は自分の代で蔵を畳むことを考えていた時期がありました。転機となったのは2013年です。星敬志氏の長女・星里英氏が蔵に入ったことで、蔵の立て直しが始まりました。星里英氏は2010年、26歳のときに東京農業大学醸造学科短期大学部に社会人入学し、2012年に卒業したのち、2013年に実家の蔵に入りました。入社1年目から1.2トンタンクを任され、以後4代目蔵元杜氏として酒造りの中心を担っています。

星里英氏は県内外の酒蔵を積極的に訪ね歩き、「造っているのは同じ日本酒ですが、設備も仕組みも蔵ごとに違います。どこへ行っても、『そんなやり方があるんだ!』と発見があって、面白いですね」と語り、他蔵の手法から学び続けながら、福島県内の蔵のレベルの高さを実感し、まずは追いつき、そして追い越すことことを目標に酒質向上に取り組んでいます。父である星敬志氏は「先代が亡くなったとき、初めて純米酒を造りました。それが衝撃を受けるほど旨かった」「今でもその味が忘れられない」と語っています。

酒造り

仕込み水には、推定五百年の歳月を経て飯豊山系の地下岩盤水脈から湧き出る清水を用いています。角のないやわらかな軟水が特徴で、この水を生かした、まろやかさとすっきりとした端正な酒質を目指しています。原料米は地元喜多方をはじめ会津坂下・猪苗代などの農家と協力しながら確保し、低農薬栽培への取り組みも進めています。酵母は福島県産酵母を使い分けており、低温長期発酵に向く「TUA酵母」や、華やかな香りを生む「夢酵母」などを酒質に応じて選択しています。

醸造は木造の蔵で行われ、年間の生産量は約300石です。大きな設備に頼らず、小さなタンクで少量を丁寧に醸す手造りにこだわっています。杜氏の星里英氏は「酒造りは微生物の働きによるものですから、とくに清潔を意識しています」と衛生管理を重視する姿勢を語っており、目指す酒質は「食中酒としてゆっくりと飲み続けられる」味わいです。一方で蔵人の年齢層は高く、世代交代を課題として認識しながら、設備投資と造りの見直しを通じて酒質向上を続けています。

蔵データ

所在地

福島県喜多方市字前田4924

創業

1919年(福島県)

公式サイト

kitano87.jp

代表銘柄

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金澤屋:金澤屋は喜多の華酒造場が手がける限定流通ブランドです。純米吟醸は甘味と酸味のバランスが良く、米の旨みをしっかりと感じられるフルーティーな味わいで、日本酒初心者にも飲みやすいと評されています。特別純米の辛口タイプは、さらりとした飲み口の正統派の辛口に仕上げられ、食中酒として親しまれています。

星自慢:星自慢は平成15年(2003年)4月に立ち上げられた、全量無濾過純米造りにこだわる限定流通ブランドです。フルーティーな香りと米の旨みが感じられ、無濾過原酒らしい濃醇でどっしりとした味わいながらキレの良さも兼ね備えています。発泡感のある生酒タイプもあり、飲み飽きしない食中酒として親しまれています。

きたのはな:きたのはなは喜多の華酒造場を代表する大吟醸で、2016年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。2021年の福島県春季鑑評会でも金賞を受賞しており、令和7酒造年度(2026年発表)の全国新酒鑑評会でも金賞を受賞しています。芳醇な香りとさらりとした辛口の味わいが特徴です。

喜多の華:喜多の華は蔵の看板銘柄で、南国系果実を思わせる華やかな香りと、瑞々しく優しい甘み、すっきりとした綺麗な口当たりを特徴とするシリーズです。純米吟醸無濾過は甘くボリュームのある味わいです。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

蔵で試飲や商品の購入ができます。

補足

酒蔵見学は無料でガイド・試飲付き、3日前までの事前予約制です。営業時間は9時30分から17時、見学受付時間は10時から16時です。JR磐越西線喜多方駅から徒歩約10分、駐車場は10台分(無料)を備えています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / kitano87.jp / fukunosake.com / tohoku-sakurakaido.jp / asahi.co.jp / isego.shop / sakenomy.jp / aizukanko.com / jp.sake-times.com / tif.ne.jp / saketime.jp / f-sake.com

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