山路酒造
代表銘柄:北国街道・桑酒
滋賀県
SHIGA
1532年創業
滋賀県長浜市木之本町の北国街道沿いに位置する山路酒造は、室町時代の天文元年(1532年)に創業した、国内で4〜5番目に古い歴史を持つとされる(諸説あり)老舗酒蔵です。
代表銘柄の日本酒「北国街道」は、滋賀県産で減農薬・有機質肥料を用いて栽培された「玉栄」や「山田錦」などの酒米を使用し、蔵に湧き出る天然水を仕込み水として低温で熟成させて造られます。伝統的な能登杜氏らによる丁寧な手仕事が特徴です。
また、清酒と並んで創業当時から造り続けられている名物リキュール「桑酒」でも広く知られています。近江産のもち米や桑の葉を原料とする桑酒は、文豪・島崎藤村にも愛飲された歴史を持っています。近年では桑酒を用いたカクテル「桑酒モヒート」の提案や、酒粕・みりん粕を活用したスイーツ開発など、時代に合わせた新たな挑戦も展開しています。
山路酒造の歩み
山路酒造は、滋賀県長浜市木之本町にある酒蔵です。創業は天文元年(1532年)で、織田信長が生まれる2年前にあたります。蔵は自らを、日本国内で4〜5番目に古い酒蔵と位置づけています(順位には諸説があります)。運営は山路酒造有限会社で、現在は13代目の山路正さんが代表取締役を務め、女将の山路祐子さんとともに蔵を営んでいます。
木之本は、近江と北陸を結ぶ北国街道の宿場町です。蔵は江戸時代、彦根藩の井伊氏のもとで酒造りを行っていました。江戸時代後期には、蔵の隣に旅人が馬を休ませ乗り継ぐ伝馬所があり、清酒の銘柄「北国街道」はこの街道の歴史にちなんで名付けられています。いまも家並みが残る街道沿いで、蔵は490年以上にわたって酒造りを続けています。
清酒「北国街道」と並ぶ蔵の名物が、桑の葉を使ったリキュール「桑酒」です。桑酒は創業当時から造り続けられてきたとされ、初代が桑を使って酒を造れという夢のお告げを受けて仕込んだところ、甘く香ばしい酒ができたという言い伝えがあります。江戸時代後期には、木之本に宿泊した前田土佐守家の殿様が献上された桑酒を飲み、「よろしき風味」と評したという記述が残り、徳利を二つ取り寄せたことも記されています。大正時代には、作家の島崎藤村(本名は春樹)が桑酒を注文した手紙が、何通か蔵に残っています。
創業490年の節目にあたる2022年から2023年にかけて、記念の酒を次々に造りました。滋賀県産の山田錦を60%まで精米し、低温で貯蔵してまろやかに仕上げた純米吟醸、花酵母で仕込んだ純米大吟醸の中取り雫酒(91本限定)、同じく花酵母の香り高い辛口の槽搾り(320本限定)、酒袋から滴り落ちた雫を集めて3年寝かせた雫取り(101本限定)が登場しました。2023年には、桑酒の新しいラベルも加わっています。大阪の飲食店と組んだ初のコラボ酒も、創業490年の企画として2022年に発売されました。
国際的な品評会でも評価を受けています。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2025のSAKE部門では、「北国街道 純米 無濾過しぼりたて生酒」が銀メダルに選ばれ、「北国街道 純米大吟醸 中取り雫酒」が大会推奨酒(Commended)になりました。蔵の発表では、2026年の同部門でも「北国街道 純米大吟醸 中取り雫酒」が銀メダル、「北国街道 純米吟醸 -北-」が銅メダルに選ばれています。
酒造りの特徴
酒造りの原料米は、有機質肥料を主体に、農薬を減らして栽培された米を使っています。滋賀県の環境こだわり農産物に認定された「玉栄」のほか、地元の米原で栽培された「山田錦」などを用いています。仕込み水は蔵の中に湧き出る水で、酒は低温で仕込み、熟成させます。
蔵では、能登杜氏と力を合わせて酒造りに取り組んでいます。麹は3日がかりで造り、酒母を育てたのち、初添・仲添・留添と3回に分けて仕込む三段仕込みで醪を造ります。精米から出荷できる酒になるまで、およそ60日をかけます。1つの銘柄は1本の仕込みで造り、ブレンドをしません。そのため、年ごとの出来具合や味の変化も楽しみのひとつです。
清酒「北国街道」には、純米酒、本醸造、大吟醸、純米吟醸「-北-」、純米大吟醸「翔」などがあり、秋には純米吟醸のひやおろしも出ます。純米吟醸「-北-」は、滋賀県産の山田錦を60%まで精米した辛口で、アルコール度数は17.2度です。冬には新酒が出そろい、2024年の新酒は、山田錦60%の純米吟醸の無濾過しぼりたて生酒、玉栄60%の純米の無濾過しぼりたて生酒、玉栄60%の微発泡の活性にごり酒の3種類でした。蔵はこの3本を「山路の三兄弟」と呼んでいます。
桑酒は清酒ではなく、リキュールです。製法はみりんや梅酒に近く、2020年時点の製法では、近江のもち米に麹を加えて糖化させてみりんを造り、別に桑の葉を焼酎に漬けてエキスを抽出します。両者を合わせたのちさらに寝かせ、完成まで約1年かかります。砂糖や甘味料は使いません。ロックで食前酒にするほか、氷と柑橘、ミントを入れて炭酸で割る桑酒モヒートも勧めています。桑酒を使ったジェラートは2020年に売り出され、酒粕やみりん粕を使った奈良漬もあります。
代表銘柄
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北国街道
「北国街道」は、山路酒造の清酒の銘柄です。名は、蔵が面する北国街道の宿場町・木之本の歴史にちなみます。純米酒、本醸造、大吟醸、純米吟醸、純米大吟醸などをそろえ、純米吟醸「-北-」は滋賀県産の山田錦を60%まで精米した、辛口で深みのあるコクの酒です。1銘柄を1本の仕込みで造りブレンドしないため、年ごとの味の違いも楽しめます。2025年のIWCでは、純米の無濾過しぼりたて生酒が銀メダルでした。
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桑酒は、清酒ではなく桑の葉を使ったリキュールで、創業当時から造り続けられてきた山路酒造の名物です。近江のもち米と麹で造ったみりんに、焼酎に桑の葉を漬けて取ったエキスを合わせ、さらに寝かせて完成まで約1年かかります。砂糖や甘味料は加えず、梅酒のように甘い味わいです。ロックの食前酒のほか、レモンとミントを入れて炭酸で割る桑酒モヒートで楽しむこともできます。島崎藤村が注文した手紙も残っています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵の店頭と公式オンラインショップで販売しています。営業時間は9時から18時までで、毎週水曜日が定休で、年始も休みです。
- 補足
- 蔵の見学は受け付けておらず、試飲は可能です(2025年時点)。大阪の阪急百貨店うめだ本店でも、年に2回ほど催事出店をしています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 滋賀県長浜市木之本町木之本990
- 創業
- 1532年
出典
wikipedia.org / hokkokukaidou.com / sakeworld.jp / hanakaido.co.jp / yamajisyuzou.shop-pro.jp / shiga-sake.net / mlit.go.jp / intojapanwaraku.com / sakesamurai.jp
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