山田酒造
代表銘柄:醉泉・最愛
愛知県
AICHI
1871年創業
山田酒造は、明治4年(1871年)に創業した愛知県海部郡蟹江町にある酒蔵です。「品質本位」「顧客第一」をモットーとし、伊吹おろしや木曽川水系の伏流水といった恵まれた自然環境のもとで酒造りを行っています。代表銘柄には「醉泉」や「最愛」などがあります。
造りの特徴として、約1ヶ月の期間をかけじっくりと醸造させる伝統的な「山卸廃止酛(山廃酛)」を用いている点が挙げられます。これにより酵母をしっかりと育み、独特の深みある香りと濃醇でふくよかな旨み、酸味が調和したキレのある味わいを生み出しています。原料米には兵庫県産山田錦や愛知県産若水などを厳選して使用しています。
受賞歴としては、「最愛」が令和元年度名古屋国税局酒類鑑評会(純米酒の部)で優等賞を受賞しているほか、18年熟成スパークリング日本酒「醉泉SWEET18」が第84回ジャパンフードセレクション食品・飲料部門でグランプリを獲得しています。
山田酒造の歩み
山田酒造は、愛知県海部郡蟹江町の須成(すなり)にある酒蔵です。明治4年(1871年)に山田与四郎によって創業しました。蟹江町は木曽川や庄内川の分流である蟹江川の流域にあり、酒造りに適した伏流水が湧き出る土地です。江戸時代から明治にかけて蟹江川沿いでは稲作とともに酒造りが盛んで、川筋は原料や製品を運ぶのにも便利でした。明治の初めころにはこの一帯に多くの造り酒屋があり、いま蟹江町で酒造りを続けている蔵は、山田酒造と甘強酒造の2軒です。
明治24年(1891年)の濃尾地震で蔵は大きな被害を受けましたが、一族が力を合わせて復旧に努め、清酒「醉泉」の蔵元としての基礎を築きました。会社としての設立は昭和31年(1956年)6月21日で、代表取締役は山田真裕さんです。蔵は創業当時の趣を残す建物を保ちながら、酒造りの技術の進歩に合わせて設備を加えてきました。2021年には創業150年を迎えています。経営理念には「品質本位」「顧客第一」を掲げています。
看板の銘柄は「醉泉」と「最愛」の2つです。「醉泉」は蔵の代表銘柄で、山田錦を精米歩合50%まで磨いた純米大吟醸や純米吟醸から、山廃酛の本醸造まで幅広く揃えています。「最愛」は愛知県産の酒造好適米「若水」を100%使い、精米歩合60%に仕上げた特別純米酒です。どちらも、伝統の製法である山卸廃止酛(山廃酛)で仕込む濃醇で骨太な味わいを特徴としています。
名古屋国税局酒類鑑評会では、平成25年度から令和元年度にかけて優等賞を5回受けています。平成25年度に純米酒の部で「醉泉」、平成26年度と平成27年度に純米酒の部で「最愛」、平成29年度に本醸造酒の部で「醉泉」、令和元年度に純米酒の部で「最愛」です。この7年度のうち5年度で優等賞に選ばれ、「醉泉」と「最愛」の両方の銘柄が評価されました。
創業150年を過ぎてからは、日本酒をもっと身近に楽しんでもらうための新しい商品づくりにも力を入れています。2022年11月には、貯蔵16年の「醉泉」純米大吟醸を使った蔵初のスパークリング日本酒「SUISEN SWEET 16」を、クラウドファンディングを通じて世に出しました。その後に生まれた18年熟成の「SUISEN SWEET 18」は、2025年2月に第84回ジャパン・フード・セレクション食品・飲料部門でグランプリを受賞しています。
2026年には第100回の同部門で、低アルコールのスパークリング日本酒「FoxFiz」が金賞を受賞しました。
酒造りの特徴
蔵の造りの軸は山卸廃止酛です。生酛造りでは、蒸した米や米麹をすり潰す山卸という重労働で乳酸菌の育ちやすい環境をつくります。山卸廃止酛はその作業を省き、材料を入れる順序を変えることで、生酛と変わらない味わいを引き出す製法です。山田酒造ではこの方法で約1か月をかけてじっくり醸します。時間をかけることで強い酵母が育ち、アミノ酸による深い旨みとコシ、乳酸による酸味のキレが生まれます。こうして生まれる濃醇で骨太なキレのある味わいが、山田酒造の持ち味です。
水は木曽川の伏流水を仕込み水に使います。冬には伊吹おろしと呼ばれる冷たい風が吹く土地で、蔵は伏流水と風土、米の組み合わせを味の土台に据えています。米は山田錦、若水、コシヒカリ、夢錦、福ノ花を銘柄ごとに使い分けます。「醉泉」の純米大吟醸と純米吟醸は兵庫県産山田錦100%で精米歩合50%、「最愛」は愛知県産若水100%で精米歩合60%、本醸造の「醉泉」はコシヒカリ・夢錦・福ノ花を精米歩合70%で用い、山廃酛で仕込みます。
商品の幅は広く、純米大吟醸から本醸造、季節限定の生酒までを揃えます。秋には春に搾った酒を夏の間に熟成させる特別純米「最愛 ひやおろし」があり、2026年9月には新商品として加わりました。四季に合わせた飲み方を提案する「山狐 SAKE Seasons」は、焔狐(山廃本醸造・熱燗)、青狐(純米酒・冷や)、金狐(純米吟醸原酒・常温)、銀狐(純米大吟醸・冷酒)の200mlを4本組にした商品です。純米吟醸の酒粕を原料にした酒粕焼酎「百日祭」も商品に加えています。
スパークリングにも取り組んでいます。「SUISEN SWEET SPARKLING 18(醉泉スパークリング18)」は、純米大吟醸の「醉泉」を18年寝かせて熟成させ、炭酸を加えた270mlの商品です。アルコール分は9%で、甘すぎず、すっきり飲める仕上がりです。ジャパン・フード・セレクションの審査では、添加物を使わず日本酒本来の甘みが出ていること、18年熟成の古酒の旨みとコクが生きていることが評価されました。
ほかに、「最愛」のスパークリングである「SAIAI POP SPARKLING」(300ml・9%)、アルコール分5%のボトル缶「FoxFiz」(250ml)があります。
代表銘柄
醉泉
蔵の代表銘柄です。超特選の純米大吟醸は、兵庫県産山田錦100%を50%まで磨き、低温発酵で香りより上品な味わいを重んじて仕上げます。純米吟醸は深みのある香りと旨みが特徴で、上撰の本醸造は山廃酛の幅のある旨みを楽しめます。名古屋国税局酒類鑑評会で平成25年度(純米酒の部)と平成29年度(本醸造酒の部)に優等賞を受けました。
最愛
愛知県産の酒造好適米「若水」を100%使い、精米歩合60%で仕込む特別純米酒です。山廃酛で米の旨みを上手に引き出し、濃醇で骨太なキレのある味わいに仕上げています。名古屋国税局酒類鑑評会の純米酒の部で、平成26年度、平成27年度、令和元年度に優等賞を受賞しました。秋にはひやおろしも登場し、スパークリングの「SAIAI POP SPARKLING」もあります。
見学・購入
- 直売所
- 蔵での直接販売のほか、公式のオンラインショップでも購入できます。蔵の営業時間は9時から17時です。
- 補足
- 土曜・日曜・祝日は休みです。年2回ほど酒蔵開放を行っており、創業当時の趣を残す蔵の雰囲気にふれられます。蔵を訪れる際は、事前に電話で営業日を確かめてからお出かけください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 愛知県海部郡蟹江町大字須成1245
- 創業
- 1871年
- 公式サイト
- yamadashuzo.com
出典
sakenomy.jp / shopselect.net / yamadashuzo.com / japansake.or.jp / wikipedia.org / sakeworld.jp / compalyze.co.jp / satofull.jp / nta.go.jp / web.archive.org / town.kanie.aichi.jp / japan-foodselection.com / dreamnews.jp / prtimes.jp
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