山岡酒造
代表銘柄:湖の誉
滋賀県
SHIGA
滋賀県長浜市高月町に蔵を構える、明治6年(1873年)創業の酒蔵です。同地は「観音の里」として知られており、主力銘柄は「湖の誉」です。
酒造りでは、2022年ごろには地元産の米(コシヒカリなど)や水にこだわり、布袋にもろみを入れて油圧で圧搾する「ヤヱガキ式圧搾機」を用いて搾っていました。滋賀県内最初の蔵元杜氏とも呼ばれる山岡仁蔵氏が60年以上にわたり酒造りを担い、地元の大学や農家と連携した「長浜の地の酒PROJECT」で「純米吟醸長濱」を開発するなど、地域と一体となった取り組みを続けてきました。
2018年には従業員の高齢化などで日本酒の製造を一時休止し、跡取りもおらず廃業も検討されましたが、取引先だった人たちが事業を承継し、2023年ごろから新体制で酒造りを再始動しました。現在はイベントでの試飲販売や酒蔵ツーリズムなどを通じて、ブランドの再生と新たなファン獲得に向けた活動を推進しています。
山岡酒造の歩み
山岡酒造は、琵琶湖の北にあたる湖北の山本山のふもと、長浜市高月町西阿閉に蔵を構える酒蔵で、明治6年の創業です。周囲は田園に囲まれ、高くそびえる煙突が印象的な昔ながらの蔵が残り、隣には増設された社屋と精米機が並んでいます。主力銘柄は「湖の誉」です。
かつてこの蔵の酒造りは能登杜氏が担っていましたが、4代目の山岡仁蔵さんが蔵を継いで自ら杜氏となり、滋賀県内で最初の蔵元杜氏とも呼ばれるようになりました。60年以上にわたって酒造りに携わり、新しい酒にも意欲的に挑んでいます。
その一例が、2014年4月に発足した「長浜の地の酒PROJECT」への参加です。黒壁AMISUのプロデュースのもと、長浜バイオ大学の学生、長浜の蔵元の冨田酒造、米農家の百匠屋が集まって取り組んだ企画で、山岡酒造はプロジェクトの3年目から加わりました。地元の三田地区で育った酒米・吟吹雪を使い、異なる2つの蔵が同じ銘柄「純米吟醸 長濱」を造る形になりました。山岡さんは、話を受けた当時、80歳を目前に控えて2、3年のうちに休業することも考えていたところでしたが、悩んだ末に周囲とも相談して引き受けました。
2018年には、従業員の高齢化に伴って日本酒の製造を一時休止しました。跡取りがおらず廃業も検討されるなか、会社員時代に山岡酒造と商品の取引があった伊吹健さんらが事業を承継し、2023年ごろから新体制での酒造りに取り組んでいます。一方で、この蔵を残したいと願う地域の若い世代が集まり、新しい杜氏を迎えたことで、蔵は息を吹き返しました。創業150年を機に、世代を超えた人たちが集まり、地元に残る記憶を受け継ぎながら新しい感性の酒を送り出す蔵として再出発しました。
2026年1月には新作の「湖の誉 純米吟醸」の販売を始めました。蔵の発表では、同年7月に大阪で開かれた第14回和酒フェスで、この純米吟醸が来場者の投票による「初心者向け部門」の最高金賞を受賞しています。9月には東京ビッグサイトの「第40回グルメショー秋2026」に出展し、「湖の誉 純米吟醸」「湖の誉 特別純米」「Beginning 純米酒」の3本を紹介しました。蔵は公式オンラインストアも開設し、湖北・長浜の酒を県外の人にも届けようとしています。
酒造りの特徴
蔵が掲げるのは「人を醸し、地域を醸し、未来を醸す」という考え方で、長浜という土地の個性を酒に映すことを目指しています。長浜は姉川をはじめとする四つの河川が交わる水系を持ち、石灰岩層などをくぐり抜けた清冽な水がミネラルを含んで酒の骨格をつくる、というのが蔵元の説明です。先代から受け継いだ職人の感覚と、再始動に集まった若い世代の感性を掛け合わせ、過去と現在をブレンドしていく方針だと語っています。
次の造り手を探して育て、造りの技を未来へ渡していく「継承人」でありたいとも述べています。手造りの本質には妥協しないという姿勢で、飲み手が蔵の当事者として関わる入り口として、酒蔵ツーリズムを2026年冬季に始める予定です。
搾りには、層状に積んだ板の間にもろみを入れた布袋を挟み、油圧で上から圧力をかけるヤヱガキ式圧搾機を使ってきました。2019年の取材で山岡さんは、「純米吟醸 長濱」は生産量が多くないため搾りは基本的に袋吊りで行い、最後にヤエガキ式の木槽で雑味が出ないよう搾ると語っています。2022年時点では、使うのは地元産のコシヒカリが大半でした。
現在の主力は「湖の誉」で、精米歩合50%の純米吟醸、精米歩合60%の特別純米があります。純米吟醸の原料米は滋賀県の吟吹雪と国産米です。蔵の再生と始動を記念して仕込んだ純米酒「Beginning」は、兵庫県産のキヌヒカリと国産米を精米歩合70%まで磨き、昭和50年代ごろの山岡酒造の作り方を再構築して1年熟成させた一本です。ラベルは始まりを意味する湖面の新月をイメージし、白ワイン感覚の「湖の誉」に対して、赤ワインのように食事に寄り添う位置づけだと蔵は説明しています。
代表銘柄
湖の誉
蔵の主力銘柄で、現在は純米吟醸と特別純米がそろいます。純米吟醸は吟吹雪を含む米を精米歩合50%まで磨き、アルコール度数は13〜14%、日本酒度はマイナス25です。パイナップルやりんごを思わせる香りと米の甘みがあり、冷酒がおすすめです。「湖の誉 純米吟醸」は2026年の第14回和酒フェスで初心者向け部門の最高金賞を受賞しました。
見学・購入
- 直売所
- 公式オンラインストアで「湖の誉」と「Beginning」を購入できます。
- 補足
- 酒蔵ツーリズムを2026年冬季に開始する予定です。蔵見学の詳細は、事前に山岡酒造へ問い合わせてください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 滋賀県長浜市高月町西阿閉1395
出典
sake-times.com / kurokabe.co.jp / shigayukan.com / pon.sh / shiga.lg.jp / yamaokasakeshiga.com / sakagura-press.com / slowlife-shiga.hatenablog.jp / kurashisl.jp
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