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山陽鶴酒造

代表銘柄:山陽鶴

広島県

HIROSHIMA

1912年創業

山陽鶴酒造の黒松の井戸
山陽鶴酒造の黒松の井戸(2009年撮影)「黒松の井戸.jpg」 — 写真:OS6 / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

山陽鶴酒造は、日本三大銘醸地の一つである広島県東広島市西条に所在する酒蔵です。江戸時代後期に創業し、大正元年(1912年)に本永本家として創立されました。銘柄の「黒松山陽鶴(山陽鶴)」は、山陽道の松並木と縁起の良い鶴にちなんで名付けられています。

仕込みには西条独特の軟水を使用し、伝統的な製法を背景に、清酒本来の「甘・酸・辛・苦・渋(あま・さん・から・にが・しぶ)」が絶妙に調和した、喉ごしのよいさわやかな味わいの日本酒を醸しています。「楽しいのおともに」なる酒造りを目指し、地元の食材や食事の味わいを引き立てるお酒を追求しています。

蔵の敷地内には直売所が併設されており、限定酒やオリジナルグッズの販売、オリジナルガチャなどを展開しているほか、酒蔵を改装した飲食店舗「割烹しんすけ」も営業しています。

山陽鶴酒造の歩み

山陽鶴酒造は、広島県東広島市西条の酒蔵通りの西の端に蔵を構える酒蔵です。西条は兵庫の灘、京都の伏見と並ぶ日本三大銘醸地のひとつで、JR西条駅の周辺には赤瓦の屋根と白壁の酒蔵が連なります。創業は江戸時代後期で、米問屋の米蔵を買い取り、酒造り用の蔵につくり替えて酒造りを始めました。酒蔵通りはかつての山陽道にあたり、酒銘の「黒松山陽鶴」は、山陽道の松並木と鶴をモチーフに名付けられました。

大正元年(1912年)10月15日に「本永本家」として創立し、昭和15年(1940年)12月10日に株式会社本永本家となりました。昭和24年(1949年)7月7日に社名を山陽鶴酒造株式会社へ改め、資本金は4,500万円です。2007年時点の代表取締役は本永清秀で、従業員は12名でした。現在の代表取締役は本永祐子です。2007年時点では飲食部門として、広島市の「倉凛」「酒の舞」、東京の「悠」、東広島市の「くぼまち」の4店舗を展開しており、くぼまちは本社酒蔵の一部を改装した店でした。

現在は、酒蔵の一部を使った「割烹しんすけ」が敷地内で営業しています。

敷地内の黒松一号蔵と黒松二号蔵は、いずれも大正期の土蔵造二階建てで、2016年8月1日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。一号蔵は切妻造平入の大規模な土蔵で、広大な赤瓦の屋根面と妻面が西条の景観を形づくっています。二号蔵は一号蔵の背面に妻を接して建つ南北棟で、桁行十間・梁間五間、小屋組はトラスで、陸梁と合掌材には丸太材が使われています。2026年度には、二号蔵の美観向上整備工事が予定されています。

蔵のある一帯はかつて窪町(くぼまち)と呼ばれ、純米大吟醸「KUBO」の名はこの旧地名にちなみます。2018年には、西条で撮影された映画「恋のしずく」の公開を記念した純米吟醸を、9月19日に発売しました。2018年7月の豪雨では蔵の設備に被害はなく、周辺の交通事情により商品の発送に遅れが見込まれると案内しました。2022年には大正元年から110年を迎え、記念ボトルの大吟醸原酒生を発売しました。

酒造りの特徴

仕込み水は龍王山の伏流水で、蔵の裏手には「黒松の井戸」があります。西条独特の軟水を使い、甘・酸・辛・苦・渋の五つの味が一体となって融け合う、喉ごしのよい味わいを目指しています。蔵が掲げる酒造りの方針は「楽しいのおともに」で、地域の食材や味付けを引き立てる心地よいおともでありたいという考えです。少量でもしっかり味わえる味を追求しており、お酒が弱い方にも楽しんでもらえるようにしています。

商品の中心は、やや甘口から中口の酒です。地酒は地域の食品と合わせたときのおいしさが大切だと考えているためで、近年は純米酒を求める人が増え、商品の割合も純米吟醸と純米酒が多くなっています。山田錦を心を込めて醸した大吟醸、酒造好適米を35%まで磨いた純米大吟醸、米のうまみを味わえる純米酒、燗酒に向く本醸造がそろいます。2022年時点の「五酒セット」は、大吟醸・純米吟醸・本醸造・上撰・おり酒を一合瓶(180ml)に詰めたもので、飲み比べができ、手土産にも向く商品でした。

このセットに入っていたにごり酒の「清酒にごり おり酒」シリーズは、商品展開と酒造りの見直しを進める中で、2026年4月に在庫限りで終売となりました。

日本酒に見えないスタイリッシュなラベルや六角形の瓶、小瓶のセットなど、従来のイメージと違う挑戦もしています。こうした挑戦には、日本酒の新たなファンを増やし、いろいろな場面で気軽に味わってほしいという思いがあります。ラベルの一部は、2021年時点で自社で印刷していました。

季節の催しにも力を入れています。西条の蔵開きでは、2024年4月20日に大吟醸のしぼりたてを限定酒として出し、もちつきも行いました。2026年4月11日の蔵開きでは純米酒の生しぼりたてと純米吟醸のしぼりたてを限定酒とし、割烹しんすけの飲食ブースや木枡づくりの体験も設けました。毎年10月の酒まつりでも蔵のイベントを開いており、2017年の酒まつりでは、西条の郷土料理である美酒鍋を提供していました。

2026年の酒まつりでは、それまでの大試飲会場に代わる新会場として、蔵の黒松蔵が「黒松蔵試飲会場」になり、時間制の有料席も設けられました。

代表銘柄

山陽鶴

「黒松山陽鶴」は山陽道の松並木と鶴をモチーフにした蔵の看板銘柄で、大吟醸から純米大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造、上撰までを幅広く造り分けています。西条の軟水で仕込み、甘・酸・辛・苦・渋が一体となった喉ごしのよい味わいで、やや甘口から中口が中心です。山田錦を35%まで磨いた純米大吟醸「KUBO」は、蔵のある旧地名の窪町が名の由来です。

見学・購入

直売所
本社敷地内の直売所で、山陽鶴の酒のほとんどを購入でき、蔵限定酒やオリジナルグッズ、赤と白のお猪口が出るオリジナルのガチャもあります。
補足
敷地内の割烹しんすけでは、日本酒を使った西条の郷土料理の美酒鍋を楽しめます。直売所の営業日と時間は時期によって変わるため、訪れる前に蔵へ問い合わせるのが確実です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県東広島市西条岡町6番9号
創業
1912年
公式サイト
sanyotsuru.jp

出典

japansake.or.jp / sanyotsuru.jp / e-sake.jp / taiyou-printing.co.jp / dive-hiroshima.com / info-hiroshima.co.jp / higashihiroshima-kanko.jp / asahi.co.jp / online.bunka.go.jp / hhhitomusubi.net / saijyo-shinsuke.jp / kotobank.jp / web.archive.org

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