清水屋酒造
代表銘柄:栄万寿・KIYOMIZU
群馬県
GUNMA
1873年創業
1873年(明治6年)、新潟県出身の初代・星野榮吉により創業。その後は酒類の卸・小売業へ軸足を移し、需要の低迷などにより1985年より酒造りを休止していました。しかし、2010年に6代目当主が旧蔵をリノベーションし、四半世紀ぶりに自社醸造を再開させた「復興蔵」です。
造りの最大の特徴は、熟成による日本酒の価値向上と品質保持を目指し、ブルゴーニュ型のワインボトルと密閉性の高いコルク栓を採用している点です。単一年に収穫された米のみを用いた全量純米造りを徹底し、600kg以下の少量仕込みと長期低温発酵によって丁寧な無濾過原酒を醸しています。醸造年度ごとに異なる熟成の味わいを楽しめるヴィンテージ日本酒「SAKAEMASU(榮万寿)」を中心に展開しています。
また、蔵の沿革によれば、過去には大正・昭和期にかけて関東酒類醤油品評会や日本酒造組合中央会関東信越支部の品評会などで受賞歴を有しています。
清水屋酒造の歩み
清水屋酒造は1873年(明治6年)に、新潟県柏崎市の出身である初代の星野榮吉が創業しました。当初の日本酒ブランドは「榮枡」で、酒造りと並行して酒類卸業も営み、1953年からは小売業も始めました。蔵の沿革では、大正9年の第四回関東酒類醤油品評会と昭和2年の第七回関東酒類醬油品評会では二代目の渡辺榮作の酒が受賞し、昭和34年には日本酒造組合中央会関東信越支部の第四回酒類品評会、昭和46年には館林税務署管内の新酒持寄会、昭和56年には大山阿夫利神社の第三十回酒祭唎酒会でも、四代目の渡辺栄作の酒が受賞しています。
昭和18年(1943年)には企業整備令で酒造を中止し、昭和23年(1948年)に再開しました。しかし酒類への嗜好が多様化し、日本酒文化が衰退していく中で、事業の中心は次第に卸から小売へ移っていきました。1985年(昭和60年)には低迷により生産を休止し、休蔵しています。
2009年12月には六代目当主の渡辺昌宏氏が公式SNSを開設し、翌2010年10月に旧蔵をリノベーションして本社醸造蔵が完成しました。2010年11月には南部杜氏を迎えて自社醸造を再開し、休蔵から四半世紀ぶりの酒造りとなりました。蔵はこれを「復興蔵」と位置づけています。再開当初に仕込んだのは、単一年に収穫された五百万石で造るヴィンテージ日本酒です。
精米歩合55%のものは当初「榮万寿 純米酒」、50%のものは「榮万寿 純米吟醸」の名で売り出され、現在の「SAKAEMASU 55」「SAKAEMASU 50」にあたります。
2012年の醸造期からは杜氏の雇用をやめ、六代目が醸造責任者を務めるプレイングマネージャーとして自ら醸造に携わっています。2015年には本社醸造蔵に太陽光発電を設置し、2018年12月には特定名称酒の表記をやめ、品名を見掛け精米歩合の数字に改めてラベルデザインも変えました。2021年には群馬県産の舞風を使った新ブランド「KIYOMIZU」を発売しています。
2023年8月に公式サイトを刷新し、2024年6月に事業者向け受注フォーム、同年11月には越境ECを開設しました。2024年10月31日から2025年1月11日にはクラウドファンディングにも挑戦し、2026年3月には「SAKAEMASU 50 2025 14TH VINTAGE」を公式にリリースするなど、現在も自社醸造を続けています。
酒造りの特徴
仕込みは総米600kg以下の少量仕込みです。一般的なタンクあたり総米1,500〜2,000kgという主流に対し、品評会出品酒や大吟醸に多い規模をクラスを問わず採用しています。洗米後の白米は約10kgずつに小分けし、浸漬時間を過去のデータと照らして数秒単位で調整する限定吸水を行い、麹は縦70cm・横50cm・高さ9cmの木箱に約10kgずつ小分けする箱麹法で造ります。
発酵は発酵品温6〜10℃の低温で、最短29日間から最長34日間かけてじっくり進めます。搾りはSAKAEMASU 55と50が酒袋を積み重ねる槽搾りで、40は一部の醪を袋吊りにして雫取りにしています。加水も炭素濾過もしない無濾過原酒のまま瓶詰めし、63℃で1回だけ加熱処理をして5℃の冷蔵庫で急冷、貯蔵します。
酒はすべて全量純米造りで、醸造アルコールは添加しません。使うのは単一年に収穫された米だけで、収穫年と同じ醸造年度に仕込み、ボトルのまま5℃帯の冷蔵管理で熟成させます。製造年月には瓶詰めした年月を表示し、年ごとの違いを楽しむワインのようなヴィンテージ日本酒として売り出しています。
瓶はブルゴーニュ型のワインボトルで、空気を抜いたうえで3.5cm以上のコルクを打栓します。蔵はこれで着色や老香の発生を抑え、長い熟成に備えると説明しています。熟成によって日本酒の品質は高まり、ワインのように年ごとの違いが価値になると考えており、現在は酒質設計が新酒向けではないことから、品評会や鑑評会には出品していません。
代表銘柄
栄万寿
蔵の代表ブランドで、榮万寿と書きます。使う米は酒造好適米の五百万石だけで、新潟県産が中心ですが、群馬県東毛地区や邑楽郡板倉町産の米で仕込むシリーズもあります。見掛け精米歩合の55と50が主力で、ラベルに醸造年度とヴィンテージの回数が入ります。蔵は、55は青リンゴや柑橘を思わせる香りで和食に合い、50は白桃やパイナップルを思わせる香りで洋食に合うと説明しています。
KIYOMIZU
2021年に発売された新しいブランドで、名前は社名の「清水」に由来し、澄んだ水の清らかさを目指して「きよみず」と読みます。原料は群馬県産業技術センター・群馬県酒造組合・群馬県農業技術センターが協力して開発した酒造好適米の舞風だけで、酵母は群馬産業技術センターが開発したものを使います。展開は精米歩合50%の「KIYOMIZU 50」の一本で、蔵はメロンやライチを思わせるみずみずしい香りとふくよかな旨味が特徴だと説明しています。
見学・購入
- 直売所
- 本社醸造蔵で直売所を営業しています。営業時間は10時から16時で、土曜・日曜・祝日、夏季休業(8月13日〜16日)、年末年始(12月29日〜1月3日)が休みです。支払いはキャッシュレス決済のみで、全国へのクール便配送にも対応しています。
- 補足
- 最寄りは東武鉄道の館林駅で、徒歩約15分です。路線バスなら館林駅東口から渡瀬巡回線(東巡回)に乗り、第一小学校東バス停で下車すると徒歩1分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 群馬県館林市台宿町3番10号
- 創業
- 1873年
出典
shimizuyasyuzo.co.jp / winey.net / shop.shimizuyasyuzo.co.jp / pref.gunma.jp
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