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日吉酒造店

代表銘柄:おれの酒・金瓢白駒

石川県

ISHIKAWA

1912年創業

日吉酒造店の建物
日吉酒造店の建物(2022年撮影)「Hiyoshi Brewery ac.jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

日吉酒造店は、石川県輪島市の朝市通り沿いに位置する大正元年(1912年)創業の酒蔵です。創業者が夢の中で金の瓢箪を付けた白馬から「酒造りを始めよ」とお告げを受けたことが始まりとされ、看板銘柄「金瓢白駒」の名の由来となっています。

被災前の酒造りの大きな特徴は、蔵の地下から汲み上げる「日本海に最も近い井戸水」と評される良質な仕込み水を使っていた点です。主に石川県産の酒米(五百万石など)を使い、能登杜氏の手によって酒造りが行われていました。2024年の能登半島地震で酒蔵が倒壊し、現在は石川県内の他の蔵の設備を借りて共同醸造を続けながら、輪島での再建を目指しています。酒質はすっきりとした辛口タイプを中心に、後口に米の旨味とほのかな甘みが広がる味わいに仕上げられています。

代表銘柄は「金瓢白駒」で、ほかに自慢の純米酒「おれの酒」や、被災前の銘柄である「ささのつゆ」などがあります。

日吉酒造店の歩み

日吉酒造店は、大正元年(1912年)に現在の輪島市の朝市通り沿いで創業した造り酒屋です。もとは小売業を営んでいましたが、蔵の由来には、創業者が夢の中で金の瓢箪を付けた白馬から酒造りを始めるよう告げられ、酒造りに転じたという言い伝えがあります。創業当初から戦前までは蔵の敷地で白馬を飼い、毎年の春祭りには蔵の横の馬出し小路を通って氏神へ献馬していました。この白馬と「瓢箪から駒」の縁起にちなみ、看板銘柄に「金瓢白駒」の名が付きました。被災前は「金瓢白駒」のほか、「おれの酒」や「ささのつゆ」なども醸していました。

平成16酒造年度の金沢国税局酒類鑑評会では、「金瓢白駒」が優等賞に選ばれました。蔵の前の店舗では日本酒の販売や試飲を行い、2022年3月には事前予約制の酒蔵見学の受け付けも始めました。造りは5代目の蔵元で杜氏の日吉智さんが、季節雇用の蔵人3人とともに担っていました。

2024年1月1日の能登半島地震で、日吉酒造店は大きな被害を受けました。酒造りや貯蔵に使っていた四つの酒蔵がすべて潰れるなどして生産設備を失い、在庫の約9割も失いました。蔵の井戸は水位が下がって使えなくなりました。朝市通り周辺では大規模な火災が起き、約240棟、約5万平方メートルが焼けましたが、火は通りを挟んだ向かい側で止まり、店舗と蔵は焼失を免れました。ただし通りの向かいにあった倉庫は火災で焼けました。店舗は地震の揺れで半壊しましたが、なんとか残りました。

輪島では1960年にも大火があり、このときは反対側から迫った火が蔵の手前で止まっていたため、蔵は二度の大火を免れたことになります。日吉さんは家族とともに金沢市へ避難し、その後は輪島と金沢を行き来して片付けや復旧に当たりました。

酒造りの再開は、全国の蔵と被災した蔵が組む共同醸造に支えられてきました。2024年2月には、被害を逃れた県産米約3,700キロを蔵から運び出し、酒造組合の仲介で小松市の加越酒造の設備を借りて酒造りをすることになりました。「能登の酒を止めるな!」プロジェクトの第一弾では広島県の藤井酒造と組み、その酒は2024年6月10日から藤井酒造の特約店でも販売されました。第二弾では北海道の上川大雪酒造、第三弾では福島県のhaccoba、第四弾では奈良県の倉本酒造と組む共同醸造の組み合わせにも加わりました。

小松市と白山市の二つの蔵は、再建できるまで寄り添うと言って、日吉さんを受け入れ続けています。

2026年1月の時点では、自社蔵での醸造は再開できていません。日吉さんは2024年4月に地元の9区の区長となり、同年末に発足した「本町周辺地区まちづくり協議会」の代表となって、2026年1月時点では代表を務めていました。焼失した地区のまちづくりと一体でなければ自分だけ先に再建はできないと考え、長期戦を決めました。元の場所での復活を目標に掲げています。また2026年4月からは、全国の大丸・松坂屋9店舗で順次開かれた「能登の酒を止めるな!」の企画に、参加酒蔵の一つとして加わりました。開催期間は店舗によって異なります。

酒造りの特徴

蔵の地下から汲み上げる井戸水は、日本海に最も近い井戸水を自認する自慢の水でした。蔵の酒質は全般に辛口で軽く、後口にかすかな甘さが感じられる、飲み飽きしない味わいです。純米酒の「おれの酒」は、被災前の仕様では五百万石を100パーセント使い、精米歩合は60パーセントでした。この井戸は地震で使えなくなり、2025年1月時点でも使用できない状態でした。被災後の酒では、石川県オリジナルの酒米「百万石乃白」や、北陸三県で頒布されている金沢酵母など、県内の原料を使っています。

地震後の酒は、協力する蔵ごとに造り方が異なります。小松市の加越酒造とは共同醸造を行い、2025年1月時点では、日吉酒造店のレシピに基づく石川県産五百万石の本醸造「金瓢白駒」と、百万石乃白と金沢酵母を使った辛口の純米吟醸「おれの酒 Shiro with the moon」が加越酒造との共同醸造酒として紹介されていました。商品名の「with the moon」は、加越酒造の銘柄「加賀ノ月」にちなんでいます。白山市の吉田酒造店でも酒造りを行っています。

広島県の藤井酒造は、日吉酒造店の監修のもとで純米酒「おれの酒」のレシピを可能な限り再現した酒を醸しました。原料米や酵母、麹菌も、できるだけ元と同じものを採用しています。もう一つは、広島県産の八反錦と藤井酒造の生酛酒母を使い、酵母や麹菌、仕込み配合は「おれの酒」のレシピに合わせた「おれの酒 × 夜の帝王」で、この共同醸造酒は一度限りの限定でした。上川大雪酒造、haccoba、倉本酒造とも、それぞれの蔵と組んだ共同醸造に取り組んでいます。

代表銘柄

おれの酒

手に取った人自身を表す名前の純米酒です。被災前の仕様は、五百万石を100パーセント使い、精米歩合60パーセント、アルコール分15度で、米の旨みがしっかりとした口当たりのやさしい辛口でした。被災後は、藤井酒造が日吉酒造店の監修でレシピを再現した酒が2024年6月から販売されたほか、2025年1月時点では、加越酒造との共同醸造で百万石乃白と金沢酵母による純米吟醸も造られていました。

金瓢白駒

創業者が夢で見た金の瓢箪を付けた白馬のお告げと、戦前まで蔵で飼っていた白馬、瓢箪から駒の縁起にちなむ看板銘柄です。平成16酒造年度の金沢国税局酒類鑑評会で優等賞に選ばれました。2025年1月時点では、小松市の加越酒造との共同醸造で、日吉酒造店のレシピに基づく石川県産五百万石の本醸造が造られていました。辛口ながら余韻に甘みがあり、燗にすると旨みが広がります。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
輪島市河井町2部27の1の店舗(朝市通り沿い)で販売しています。営業時間は平日の9時から12時と13時から15時で、土曜・日曜は休みです。
補足
酒蔵は地震で倒壊したため、酒蔵見学は停止しています。店舗は半壊ながら営業を再開しており、営業日や時間は変わることがあるため、訪ねる前に電話(0768-22-0130)で確かめると安心です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
石川県輪島市河井町2部27の1
創業
1912年
公式サイト
hiyoshisyuzou.com

出典

isico.or.jp / hiyoshisyuzou.com / sakenomy.jp / aburayo.jp / web.archive.org / bunshun.jp / chunichi.co.jp / fujiishuzou.com / makuake.com / hands-on-local.com / san-tatsu.jp / nta.go.jp / item.rakuten.co.jp

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