福美人酒造
代表銘柄:福美人
広島県
HIROSHIMA
1917年創業
広島県東広島市西条に所在する福美人酒造は、1917年(大正6年)に西日本の酒造業者有志の出資により設立されました。高い酒造技術から技術者の養成機関として評価され、「西条酒造学校」と称されて多くの優秀な杜氏を全国へ送り出した歴史を持ちます。銘柄名は当時の地名「福神」と「美人のようにふくよかで穏やかな味」を目指したことに由来します。仕込み水には「美人の井戸」のやわらかな水を用い、ふくよかでやさしい味わいとキレのよさをあわせ持つ日本酒を醸しています。
平成に入ってからも全国新酒鑑評会で7回の金賞を受賞するなど、高い技術を誇ります。見学可能な恵比寿庫(直売所)には、広島カープ創成期の「樽募金」で使われた樽や、歴代内閣総理大臣による「国酒」の色紙などが展示されています。
福美人酒造の歩み
福美人酒造は、広島県東広島市西条の酒蔵通りから一本北に入った西条本町にある酒蔵です。西条は、兵庫の灘、京都の伏見と並ぶ日本三大銘醸地の一つとして知られます。創業は大正6年(1917年)5月25日で、西日本の酒造業者の有志が出資し、清酒の製造を目的とする株式会社として設立されました。設立当時の社名は西条酒造株式会社で、昭和11年(1936年)に福美人酒造へ改称しています。
創業から4年目の大正10年(1921年)ごろから、卓越した酒造技術で注目を集めました。その実績が評価されて酒造技術者を養成する役割も担い、全国から杜氏が学びに訪れたことから、「西條酒造學校」とも呼ばれるようになります。多くの名杜氏を世に送り出した蔵で、この名は今も福美人の銘柄の一つ「西條酒造学校」として受け継がれています。
かつて蔵には、寒造りが終わるころに全国の杜氏が集まり、その年に仕込んだ酒を互いに評価し合う「福美人会」という集まりがありました。その年に最もよい酒を造った杜氏に贈られた優勝旗は、いまも恵比寿庫に飾られています。最盛期には、稲刈りが終わる10月に入蔵して田植え前の5月ごろまで蔵で働く季節雇用の蔵人が約50人も集まり、広島県北や岩手の農家、山口県長門の漁師もいました。こうした蔵人の時代は平成のころまでで、恵比寿庫の奥にあった蔵人の寮は平成10年に閉じられました。
昭和43年(1968年)に28歳で杜氏に抜擢されたのが、岡田弘俊です。師は「伝説の名杜氏」として知られる先代杜氏の道面定で、その技を受け継ぎました。岡田杜氏が38年にわたって磨き上げた酒造りは、「ふっくらとした味の厚みをもちつつ、後口のキレがよく飲み飽きしない」福美人の味として完成したと蔵は説明しています。
令和8年(2026年)には、日本酒造杜氏組合連合会の会長と広島杜氏組合長を務める石川達也が、地元の東広島市に戻って杜氏として福美人酒造に加わりました。蔵は同年の蔵人募集で、10月下旬から4月下旬までの予定で蔵に住み込む経験不問の蔵人を募り、働きながら伝統的な酒造りを学ぶ「酒造りの学校」を始める準備をしています。かつて「西條酒造学校」と呼ばれた蔵が、人を育てる酒蔵として、2026年秋の再開に向けて準備を進めています。
2026年時点の代表取締役は島治正で、会社の社是は「福美人の柱は顧客と商品であり、福美人の財産は技術と人である」です。
酒造りの特徴
敷地には恵比寿庫と大黒庫の2つの蔵があり、現在の酒造りは大黒庫を中心に行われています。恵比寿庫には高さ27メートルの赤レンガの煙突が立ち、酒蔵が並ぶ西条でいちばん高い煙突です。2024年時点の恵比寿庫は酒造りには使われておらず、瓶詰め用の機械が置かれ、直売所と展示の場になっています。
銘柄名の福美人は、昔の地名「福神」と、美人のようにふくよかでやさしく穏やかな味わいを目指したことに由来します。仕込みには「美人の井戸」の水を使い、やわらかでやさしい味わいの酒を醸しています。
令和8年の蔵人募集では、蔵は「小仕込」「蓋麹」「生酛」「木桶仕込み」というすべて手づくりの伝統製法で酒を造るとしています。蓋麹は、木製の盆を使って麹を造る方法です。これらの製法を選ぶのは、酒造りが頭で覚えるより身体で覚える仕事であり、職人が動作や感覚を通して技を体得してきたからだと蔵は考えています。杜氏として一人前になるには十年ほどかかる世界で、蔵での泊まり込みの暮らしそのものも修業の一環と位置づけています。
受賞では、蔵は平成に入って全国新酒鑑評会で金賞を7回受賞していると説明しています。平成15年以降の開催に限ると、「天使 福美人」の名で平成15年・16年・21年に入賞し、平成26年に金賞を受賞しました。広島国税局の鑑評会では、平成14年の新酒鑑評会で優等賞に選ばれ、平成16年と17年の清酒鑑評会で入賞しています。その後、平成19年は純米酒の部、平成20年は吟醸酒の部で優等賞を受けました。
平成24年と26年は「香りを主たる特徴とする清酒」部門で、いずれも大吟醸が優等賞に選ばれ、平成30年には「純米酒」部門で優等賞を受けています。
代表銘柄
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福美人
福美人は、昔の地名「福神」と、美人のようにふくよかでやさしく穏やかな味わいを目指したことから名付けられた、蔵の代表銘柄です。蔵は、ふっくらとした味の厚みがありながら後口のキレがよく、飲み飽きしない酒を持ち味としています。大吟醸の一つに「西條酒造学校」の名が付き、広島国税局の清酒鑑評会では平成24年と26年に「香りを主たる特徴とする清酒」部門の大吟醸「西條酒造学校」が、平成30年に「福美人 純米酒」が優等賞に選ばれました。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 恵比寿庫の直売所で、蔵自慢の酒を購入できます。営業時間は平日、土日祝とも10時から16時(12時から13時は休憩)で、不定休、入場無料です。駐車場は2台分あり、JR西条駅から徒歩約7分です。
- 補足
- 見学できるのは恵比寿庫で、大黒庫は見学できません。直売所には、広島カープ創成期の樽募金に使われた樽や、歴代内閣総理大臣が揮毫した「国酒」の色紙、西條酒造学校で学んだ杜氏たちが催した利き酒会のフラッグが展示されています。東広島蔵開きに参加しており、2026年は4月18日(土)10時から16時に、しぼりたての純米酒や樽酒の有料試飲、限定酒の販売、粕汁(限定200食)、音楽演奏、キッチンカーの出店がありました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 広島県東広島市西条本町6-21
- 創業
- 1917年
- 公式サイト
- fukubijin.co.jp
出典
compalyze.co.jp / sakagura-press.com / higashihiroshima-kanko.jp / dive-hiroshima.com / sakenomy.jp / rurubu.jp / higashihiroshima.lg.jp / fukubijin.co.jp / e-sake.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp / travel.watch.impress.co.jp / news.yahoo.co.jp
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