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梅美人酒造

代表銘柄:梅美人・鷹雄

愛媛県

EHIME

1916年創業

梅美人酒造の事務所
梅美人酒造の事務所(2019年撮影)「Ume-Bijin Shuzo Office 02.jpg」 — 写真:Suikotei / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1916年(大正5年)に愛媛県八幡浜市で創業者・上田梅一により創業。代表銘柄の「梅美人」は、創業者の名前から一字取った「梅」と、綺麗なお酒を目指す思いから名付けられました。大正5年の醸造場や主屋、昭和初期の事務所・釜場及び煙突など敷地内の4件の建造物は国の登録有形文化財に登録されており、高さ23mのレンガ煙突は地域のランドマークとして親しまれています。仕込み水には、霊峰金山出石山の麓の雨が地中深く染み込んだ地下30mの水脈から汲み上げる井戸水を使用。酒造りは長く伊方杜氏の集団が中心となって担ってきました。

麹室は厚さ40cmの周囲壁の中に籾殻(もみがら)を詰めて断熱し、吟醸酒は冷蔵蔵で低温発酵させて綺麗ですっきりとした味わいに仕上げています。現在は日本酒のほか、リキュール、クラフトジン、ウイスキーなどの製造にも取り組んでいます。

梅美人酒造の歩み

梅美人酒造は、愛媛県八幡浜市で大正5年(1916年)に創業した酒蔵です。創業者は上田梅一で、創業の地は現在の八幡浜市幸町にあたり、蔵は創業以来この場所を動いていません。八幡浜は、明治期に「伊予の大阪」と呼ばれた港町で、港を利用した商業がさかんでした。蔵の煉瓦煙突は、かつて海から船でも見えた港のランドマークで、いまは埋め立てが進んで海岸線が遠くなりました。

銘柄名の「梅美人」について、蔵元の説明では、創業当時、酒に「美人」と付けるのは綺麗な酒質を表すもので、そこに創業者・上田梅一の名から「梅」を取り合わせて名付けました。法人としては、昭和24年(1949年)7月に梅美人酒造株式会社が設立されています。

蔵の建物には創業期からのものが多く残ります。大正5年の建築である醸造場と住宅主屋は創業時からの建物で、醸造場は南北棟の仕込蔵と東西棟の貯蔵蔵からなるT字型の平面を持ち、仕込蔵の2階に麹室があります。外壁には戦時中に塗られた迷彩色の跡が今も残ります。昭和3年(1928年)には釜場と煙突が築かれ、煙突は昭和天皇の即位の御大典を記念したものです。高さ約23メートルの煉瓦造の煙突には「ウメビジンホン店」の文字が掲げられ、蒸米に使う石炭の煙を逃がす役目と広告塔を兼ねていました。

通りに面した事務所は昭和初期の建築で、外観は洋風のタイル張りですが、内部は和室の造りです。

住宅主屋、事務所、釜場及び煙突、醸造場の4件は、平成16年(2004年)に国の登録有形文化財に登録されました。かつては大きなタンクで大量に仕込む蔵でしたが、現社長・上田英樹氏の先代にあたる父の代から、小規模で機械になるべく頼らない手造りの酒造りへと方向転換しました。上田氏は大学卒業後の18年間は企業で住宅の販売に携わり、先代が亡くなったのを受けて蔵を継いだと語っています。

2021年の時点では、他の蔵での修業を終えた長男が蔵に戻り、親子で酒造りの中心を担っていました。日本酒のほか、梅酒やみかん酒などのリキュール、粕取り焼酎、柑橘を漬け込んだ焼酎、クラフトジンも手がけ、2023年にはウイスキーの製造免許を取得して製造を始めました。2024年には愛媛県内初のモルトウイスキーとして「多喜」を発売しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、霊峰金山出石山の麓に降った雨が地中深くに染み込み、地下30メートルの水脈となった井戸水です。蔵は、この水があるから創業以来同じ場所で酒を造り続けていると説明しています。仕込みには蔵の地下水を100パーセント使い、酵母もできるだけ愛媛県のものを選んでいるのが蔵元の方針です。

米は、大吟醸には兵庫県産の山田錦、それ以外の酒には愛媛県産の松山三井やしずく媛を使います。愛媛県産のしずく媛を使った特定名称酒を増やしていく方針で、純米大吟醸「梅美人」もしずく媛の酒です。2023年3月30日には、愛媛県が開発した花「さくらひめ」から取った花酵母を使い、県内22蔵がこの花酵母の酒を一斉に発売した際の一本として、しずく媛を精米歩合50パーセントまで磨いた純米吟醸「さくらひめ酵母」を出しました。

麹室は湿度の調整がしやすい2階にあり、周囲の厚さ40センチの壁の中にもみ殻を詰めて断熱材にしています。大吟醸などの特定名称酒を仕込む専用の冷蔵蔵にはサーマルタンクが4本あり、吟醸酒に向く低温発酵を管理します。普通酒の仕込み蔵では、冷却水を流すジャケットのクーリングロールで温度を調整します。

酒造りは長く、伊方杜氏の集団が中心となって担ってきました。2021年時点で、蔵元は洗米から製麹、もろみの管理、搾り、貯蔵、瓶詰めまでの全工程を見直し、麹やもろみの数値を細かく記録して再現性を高めています。ウイスキー「多喜」の仕込みには、日本酒と同じ蔵の井戸水(中硬水)を使います。

代表銘柄

梅美人

蔵の名を冠した創業以来の銘柄です。純米大吟醸は愛媛県産のしずく媛を50パーセントまで磨いた酒で、柔らかくとろけるような旨さと、すっきりした後味を特徴としています。純米吟醸は精米歩合60パーセントのやや甘口で、魚料理やあっさりした料理に合い、常温やぬる燗が向きます。蔵元は、やや甘口ですっきりした純米大吟醸が、瀬戸内の白身魚を中心とした鯛の刺身などの淡白な食文化によく合うとしています。

鷹雄

蔵元の代になって生まれた銘柄で、人間国宝の金工鍛金家・奥山峰石氏から名前と書をいただいたものです。山田錦を使った大吟醸の原酒で、アルコール度数は高めですが、フルーティな味わいで女性にも飲みやすいと蔵が説明しています。蔵では、洗米から搾りまでほとんどを手作業で行い、妥協しないという信念で仕込む大吟醸の銘柄と位置づけ、鑑評会向けの大吟醸にもこの銘柄を用いています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
補足
蔵見学は事前予約制です。営業時間は8時から17時で、日曜と祝日は定休ですが、日曜や祝日の訪問も事前に連絡すれば対応できる場合があります。登録有形文化財の建物が敷地内に並びます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
愛媛県八幡浜市幸町1557番地2
創業
1916年
公式サイト
umebijin.com

出典

jetro.go.jp / ehime-syuzou.com / umebijin.com / sakagura-press.com / youtube.com / jwic.jp / pref.ehime.jp / online.bunka.go.jp / note.com / shikoku-tourism.com

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