奥の松酒造
代表銘柄:奥の松
福島県
FUKUSHIMA
1716年創業
享保元年(1716年)創業。当主の祖先は武家から商家に転じ、享保元年に酒造りを始めて、300年以上の歴史を重ねてきた福島県二本松市の老舗酒蔵です。銘柄「奥の松」は地名の「奥州二本松」に由来しています。
酒造りでは安達太良山の清冽な伏流水を仕込み水として使用。米の全量を自社で精米するほか、日本酒業界ではいち早く瓶詰め後殺菌システム(パストライザー)を導入するなど、伝統の技に最新設備を組み合わせた徹底的な品質管理に取り組んでいます。
全国新酒鑑評会では2009年から2023年まで(決審のなかった2020年を挟み)14回連続で金賞を受賞し、金賞は通算25回に達するほか、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2018では「奥の松 あだたら吟醸」が最優秀賞「チャンピオン・サケ」を獲得するなど、国内外で高い評価を得ています。
奥の松酒造の歩み
奥の松酒造の創業は享保元年(1716年)です。遊佐家の祖先は武家で、二本松藩主・丹羽光重に仕えた家臣の遊佐金之丞にさかのぼります。のちに商家に転じて油商として栄え、享保元年から酒づくりを始めました。屋号は「油屋」で、酒のほかに味噌や醤油、油も手がける一大醸造業でしたが、やがて油屋は親類に引き継がれ、本家は酒づくりに専念するようになりました。
明治維新の後は、いわゆる千石酒屋として栄え、二本松の経済の発展にも貢献しました。大正5年(1916年)には、奥州二本松の「奥」と「松」から「奥の松」と命名して商標を登録しています。大正末期から昭和初期にかけては屋号を「油屋酒造店」と改め、十六代伊兵衛のもとで吟醸酒の蔵元として名声を築き、「伊兵衛の吟醸蔵」と讃えられました。昭和8年(1933年)に全国品評会で優等賞を受賞し、昭和10年(1935年)には全国名誉賞杯を受けるなど、受賞を重ねています。
昭和30年(1955年)に「奥の松醸造株式会社」へ組織変更し、昭和43年(1968年)には本社を移して「奥の松酒造株式会社」と改称しました。昭和49年(1974年)には、国の中小企業近代化政策のもとで近隣の醸造元数社とともに共同組合を設立し、これが現在の東日本酒造協業組合です。同じ年、酒づくりに適した自然環境と豊かな伏流水を求めて、安達太良連峰の麓に「八千代蔵」を新設しました。その後、奥の松以外の醸造元は継続または休止となり、遊佐家が組合での酒づくりを担い続けています。
2007年には遊佐丈治が19代目当主として代表取締役に就任しました。2020年4月に施行された食品表示法の改正にあわせて、奥の松の製品ラベルは、製造者を東日本酒造協業組合、加工者を奥の松酒造株式会社と表示するようになりました。遊佐丈治は、奥の松酒造の代表取締役と東日本酒造協業組合の代表理事を務めています。
国際的な評価も高く、2016年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)では純米大吟醸部門で「金之丞」が金賞に選ばれ、2018年には「あだたら吟醸」が日本酒部門の最優秀賞であるチャンピオン・サケに輝きました。2021年にも「特撰純米大吟醸」がIWCの純米大吟醸部門でゴールドを受賞しています。
全国新酒鑑評会では、1999年から2007年まで9年連続で金賞を受賞し、2009年から2023年までは、決審が行われなかった2020年を挟んで金賞14回連続を達成しました。2024年は入賞にとどまりましたが、2025年と2026年は再び金賞を受け、金賞は2026年までに25回に達します。東北清酒鑑評会では23年連続で優等賞を受賞し、2003年には吟醸酒の部で首席優等賞、2017年には純米酒の部で最優秀賞を得ました。
福島県の春季・秋季鑑評会では、吟醸酒の部・純米酒の部ともに2002年から2024年まで23年連続で金賞を受賞しており、2025年3月時点で県知事賞は、吟醸酒の部が春3回・秋4回、純米酒の部が春5回・秋6回にのぼります。その後も2025年秋季には県知事賞を受け、2026年秋季には吟醸酒の部・純米酒の部・福乃香の部の3部門すべてで金賞を受賞しました。山形県新酒鑑評会でも、2004年、2013年、2014年に第一位を獲得しています。
酒造りの特徴
醸造を担うのは、東日本酒造協業組合の八千代蔵です。東に阿武隈山系、西に安達太良連峰、さらに吾妻連峰や磐梯朝日国立公園を望む山深い地にあり、本社のある二本松市中心部から車で20分ほど離れています。仕込み水は安達太良山の伏流水で、降り積もった雪が約四十年の歳月をかけて地層を抜け、花崗岩の岩盤から湧き出た水脈です。地下100メートルにおよぶ掘り抜き井戸から、毎時50立方メートルの水量を確保しています。
酒の命である米は、100%自社で精米しています。60%精米では二昼夜、大吟醸用の40%精米では三昼夜にわたって精米機を稼働させ、精米後は「枯らし」の工程で寝かせます。蒸米は、最終工程で乾燥蒸気をあてて表面を硬く仕上げる「外硬内軟」の蒸米です。麹は、蓋麹法、箱麹法、最新の製麹機のいずれかを酒の種類や量に合わせて使い分け、製麹機も蔵人が手動優先で操作しています。
酛は、古くから蔵に棲みつく家付き酵母を純粋培養したものを使い、速醸酛を主とした育成酛でつくります。醪は昔ながらの三段仕込みで、丸底型の新型発酵タンクで温度を管理しながら発酵させます。搾りでは、酒袋を吊して自然に滴り落ちる雫だけを集める袋吊りも行い、その酒が「雫酒」です。蔵人は越後杜氏の伝統と技を受け継ぎ、越後流の酒づくりを行っています。杜氏は、十六代伊兵衛以来の歴代の名杜氏の技を受け継ぐ殿川慶一で、「現代の名工」に選ばれ、令和3年秋には黄綬褒章を受章しました。
鑑評会向けの酒も市販酒も、同じ浸漬タンク、麹をつくる機械、搾りの機械を使っています。
瓶詰めは本社で行い、クリーンルームで低温瓶詰めをしたあと、瓶詰め後に温水シャワーで殺菌するパストライザーを、日本酒の蔵としてはいち早く導入しました。その内圧に耐える「デラックス王冠」は、キャップメーカーと半年以上の実験を重ねて共同開発したものです。商品は、あだたら吟醸や山田錦100%の特撰純米大吟醸、袋吊りの雫酒である大吟醸雫酒十八代伊兵衛のほか、蜂蜜と水と酵母だけでつくるミードのハニール、粕取焼酎を隠し味にしたレモンサワーの素「すっかいがな」まで幅広く展開しています。
代表銘柄
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奥の松
奥の松は、奥州二本松の「奥」と「松」から名づけられ、大正5年に商標を登録した蔵の看板銘柄です。2018年のIWCでは、あだたら吟醸が日本酒部門の最優秀賞であるチャンピオン・サケに選ばれました。山田錦100%の特撰純米大吟醸は2021年のIWC純米大吟醸部門でゴールドを受賞しています。大吟醸雫酒十八代伊兵衛は、全国新酒鑑評会に出品する酒の品質を基準に造る最上位の大吟醸です。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 酒蔵ギャラリー(本社内の売店。福島県二本松市長命69番地)で、蔵元限定の酒をはじめ奥の松のほぼ全商品を無料で試飲でき、酒やグッズも購入できます。
- 補足
- 工場見学は、瓶詰め作業や製造ラインの見学を事前の電話予約制で受け付けています。予約は前日までに人数と訪問時間を酒蔵ギャラリー(0243-22-3262)へ連絡します。土曜・日曜・祝日は工場が休止しているため見学できません。酒蔵ギャラリーは2025年9月から土曜・日曜も営業しており、営業日は蔵の営業カレンダーで案内されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県二本松市長命69番地
- 創業
- 1716年
- 公式サイト
- www.okunomatsu.co.jp
出典
kuramotokai.com / okunomatsu.co.jp / higashinihonsyuzo.jp / nihonmatsu.lg.jp / tohorc.or.jp / sakeworld.jp / fukunosake.com / nrib.go.jp / saketime.jp / tohoku-sakurakaido.jp / nihonshu.com / city.nihonmatsu.lg.jp
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