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福持酒造場

代表銘柄:天下錦

三重県

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1875年創業

三重県名張市に蔵を構える福持酒造場は、1875年(明治8年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「天下錦」の名称は、かつて倭姫命(やまとひめのみこと)に錦の織物を献上したという故事から呼ばれた旧地名「錦生村(にしきおむら)」と、「天下に響く錦なれ」という願いから命名されたと伝えられています。

酒造りでは「軽く旨くさわやかに」を品質のモットーとし、主力の天下錦は自営田米を含む山田錦で仕込んでいます。仕込み水には清流・宇陀川の伏流水を用いています。

2015年からは元システムエンジニアという経歴を持つ羽根清治郎氏が蔵に入り、現在は蔵元杜氏を務めています。2024年1月に羽根氏が負傷して造りを中断し、同年8月には鈴鹿市の設備を借りた「鈴鹿仕込み」を行い、11月から自蔵での造りを再開しました。全国新酒鑑評会では平成14・15酒造年度と令和2〜4酒造年度に計5回金賞を受賞したほか、名古屋国税局酒類鑑評会で優等賞を重ね、「SAKE COMPETITION 2019」純米酒部門ではシルバーを獲得しています。蔵の発表では、伊勢志摩サミットでも「天下錦」が提供されました。

福持酒造場の歩み

福持酒造場は、1875年(明治8年)創業の酒蔵で、三重県名張市安部田にあります。もとは新谷と呼ばれる土地で、村の有力者と協力して酒を造っていました。現在の蔵は、薬屋だった跡地に移転してきたものです。蔵では、この地が倭姫命に錦の織物を献上した故事から錦生村と呼ばれ、そこから「天下に響く錦なれ」という願いを込めて銘柄名「天下錦」が付けられました。

初代の善之丞が創業し、二代目がその名を襲名して継ぎました。三代目は伊賀から養子に入り、同じく善之丞を襲名しています。第二次世界大戦末期には政府による企業統合が進んで酒蔵の活動が制限され、名張の他の酒造会社と一緒に酒を造っていた時期もありました。その後、九州で売りに出された酒造りの権利を買い付け、福持酒造場として酒造りを再開しています。

再開後はしばらく、造った酒を京都の伏見や兵庫の灘に販売していました。しかし、大正時代から続く自社銘柄「天下錦」を伸ばそうと考え、三代目の没後の1962年(昭和37年)から、四代目の福持博文氏が蔵を引き継いでいます。2008年頃までは但馬杜氏が酒造りを担い、その後は蔵元杜氏として造りを続けています。

羽根氏が入るまでの数年は、後継者がいないこともあって生産量が最盛期の20分の1まで減り、廃業も意識される状況でした。2015年、元システムエンジニアの羽根清治郎氏が蔵に入りました。羽根氏は福持博文氏の親戚で、東京でIT技術者として働いていたところ、親族の告別式で20年ぶりに再会した福持氏から「酒を造らんか」と声を掛けられたのがきっかけです。2015年1月に蔵の仕込みを見学して酒造りを決意し、同年春に仕事を辞めて名張へ移り、6月から蔵内の住み込み部屋で暮らし始めました。

羽根氏は鈴鹿市内の酒蔵で修業しながら、ラベルデザインを一新し、イベントにも自ら出向いて販売に力を入れていました。「純米酒の割合を増やし、生産量も増やしたい」と語っていました。

2024年1月末、蔵元杜氏の羽根氏が蔵での事故で負傷して入院し、2023酒造年度の造りは途中で終わりました。2024年8月からは、鈴鹿市の清水清三郎商店の設備を借りて羽根氏が仕込みを行い、「鈴鹿仕込み」の名で純米吟醸と特別純米酒が出荷されました。2024年11月からは、自分の蔵での酒造りが再開されています。

酒造りの特徴

主力の天下錦は山田錦で仕込みます。自営田での栽培にも取り組み、一部には自営田で育てた米を使っています。近年は、亀の尾を使った純米大吟醸「はつせ」も造っています。仕込みに使う水は、清流の宇陀川の伏流水です。品質のモットーは「軽く旨くさわやかに」で、一口飲むと軽くスッと入り、口の中で味わいがあり、また飲みたくなる酒を目指して造っています。経営理念は「企業はお客様のためにある」です。酒の種類は、純米大吟醸から純米吟醸、特別純米酒、特別本醸造、本醸造まで幅があります。

生産石数の少ない小さな蔵ですが、近年、酒質を少しずつ高めてきました。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降で9回入賞し、そのうち金賞は5回です。平成14酒造年度と平成15酒造年度に続けて金賞を受賞し、平成18酒造年度、平成20酒造年度、令和元酒造年度は入賞でした。令和2酒造年度から令和4酒造年度までは3年連続で金賞を受賞し、令和6酒造年度にも入賞しています。出品銘柄はいずれも「天下錦」です。

名古屋国税局酒類鑑評会では、第51回(平成14年度)と第52回(平成15年度)に、吟醸酒の部と純米酒の部の両方で入賞しました。優等賞は、第53回(平成16年度)と第54回(平成17年度)が純米酒の部、第55回(平成18年度)が吟醸酒の部(純米大吟醸)と市販酒の部の本醸造酒、第56回(平成19年度)が本醸造酒の部です。さらに第65回(平成28年度)が純米酒の部、第68回(令和元年度)が本醸造酒の部、第69回(令和2年度)が純米酒の部で、いずれも「天下錦」で優等賞を受賞しています。

市販酒だけを対象にした「SAKE COMPETITION 2019」では、純米酒部門(出品495点)で「天下錦 特別純米」がシルバーを獲得しました。また蔵の発表では、純米酒の「天下錦」が伊勢志摩サミットで提供されました。

代表銘柄

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天下錦

福持酒造場の主力銘柄で、大正時代から続く自社銘柄です。名は、この地が錦生村と呼ばれた故事と、「天下に響く錦なれ」という願いにちなんでいます。山田錦を使い、宇陀川の伏流水で仕込みます。純米吟醸や特別純米、特別本醸造などがあり、「軽く旨くさわやかに」を目指す酒質です。全国新酒鑑評会で金賞を重ね、「SAKE COMPETITION 2019」でも特別純米がシルバーを獲得しました。

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見学・購入

補足
見学を希望する場合は、蔵に問い合わせてください。蔵は名張市安部田の国道沿いにあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
三重県名張市安部田3905
創業
1875年

出典

gi-mie.jp / japansake.or.jp / nabarichouju.com / nobori-sake.com / jizake-mie.jp / mie-sake.or.jp / rakuten.co.jp / mie.lg.jp / iga-younet.co.jp / igasyu.com / nta.go.jp / ameblo.jp

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