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小泉酒造

代表銘柄:東魁盛・東魁

千葉県

CHIBA

1793年創業

寛政5年(1793年)、小泉平蔵が鹿野山の麓で創業した歴史ある酒蔵です。昭和初期から蔵内に冷蔵庫を備えて徹底した品質管理を行い、先進的に吟醸酒造りへ注力してきました。現在は蔵主自らが南部杜氏として酒造りを指揮しています。「酒造りは米作りから」をモットーに、自社田で酒造好適米を自ら栽培して使用しており、2024年の田植えからは千葉県開発の「総の舞」に切り替えました(それまでは五百万石)。仕込み水には鹿野山水系の清冽な水を用いています。

代表銘柄「東魁盛(とうかいざかり)」をはじめとする酒は鑑評会でも高く評価されており、全国新酒鑑評会では平成14酒造年度以降に金賞15回、令和2〜7酒造年度は6年連続で金賞を受賞しているほか、「SAKE COMPETITION 2017」の純米大吟醸部門で2位を獲得するなど実績を重ねています。敷地内には20種類以上の試飲や販売を行う直営施設「ソムリエハウス酒匠の館」や資料館も併設されています。

小泉酒造の歩み

小泉酒造は、寛政5年(1793年)に名字帯刀を許された小泉平蔵が、鹿野山の麓にあたる地で興した酒蔵です。敷地のそばを湊川が流れ、酒の一部は江戸時代にこの水運で江戸へも運ばれたと伝えられています。明治初期に家督を継いだ源蔵が家業に力を入れて大きく発展させ、今も土蔵造りの酒蔵が残っています。昭和初期には蔵主の一助が、温度管理を徹底するために蔵の中に冷蔵庫を設け、試験場に住み込んで修行も積みながら、周辺では先進的だった吟醸酒造りに情熱を傾けました。この吟醸酒造りへの気風は、その後の代にも受け継がれています。

平成8年(1996年)には、蔵に隣接して試飲販売施設「ソムリエハウス酒匠の館」を開き、常時20種類以上の清酒やリキュールを試飲できるようにしました。1999年には現在の建物に移転して拡張し、最盛期には年間10万人以上が訪れる、観光バスの定番の立ち寄り先になりました。13代目の小泉平蔵は蔵元杜氏として酒造りを指揮し、岩手県から来ていた南部杜氏に酒造りを学んで、自らも南部杜氏協会の一員となりました。泊まり込みを前提としていた作業工程を見直し、醸造を担う人数を7人から3人に減らしています。

14代目の小泉文章は、大学で物理を学び、半導体関連の会社に勤めていましたが、父の病をきっかけに2009年1月に蔵へ戻りました。当時は普通酒の製造が中心で、酒造りの知識もないところからの出発でした。教科書を読み、南部杜氏に学びながら実践を重ね、平成25酒造年度からは製造責任者を務めています。平成22酒造年度に全国新酒鑑評会の決審に進めなかった経験から、鑑評会の研究を徹底し、毎年、結果発表後に広島で開かれる製造技術研究会へ足を運んで出品酒を利き酒するようになりました。

市販酒も出品酒と同じ造りに順次切り替え、普通酒が多かった品ぞろえを、吟醸酒や純米酒などの特定名称酒が主力となる構成へ改めました。現在は社長兼蔵元杜氏として、南部杜氏の立場で製造現場を指揮しています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に18回入賞し、うち金賞は15回です。平成23酒造年度から令和7酒造年度まで15年続けて入賞しており、令和2〜7酒造年度は6年連続の金賞です。令和元酒造年度は金賞の選定がなく、入賞が最上位の年度でした。東京国税局の酒類鑑評会では、平成21年から令和7年まで17年続けて受賞しており、平成27年以降は優等賞です。平成29年、令和元年・3年・5年・6年は、清酒の吟醸、純米吟醸、燗酒、純米燗酒の4部門すべてで優等賞を受けました。

南部杜氏自醸清酒鑑評会の第107回(令和7酒造年度)では、吟醸酒の部で大吟醸 東魁盛が上位入賞の7位となり、優等賞にも選ばれ、純米酒の部でも優等賞を受けています。市販酒の品評会SAKE COMPETITIONでは、2017年に東魁盛 純米大吟醸 斗瓶取りが純米大吟醸部門の第2位に入り、2024年には東魁盛 純米吟醸 なのはなが純米吟醸部門の第9位とJAL空飛ぶSAKE賞に選ばれました。

蔵の発表では、全国新酒鑑評会の金賞は昭和31年からの通算で23回、東京国税局の最優等賞は昭和62年・平成9年・平成11年・平成30年に受けており、2013年のインターナショナル・ワイン・チャレンジのSAKE部門では、大吟醸 東魁盛が銅賞、純米大吟醸 紫紺が銀賞でした。

酒造りの特徴

原料米は、蔵人が栽培する自社田の米と、千葉県酒造協同組合から仕入れた地元産の米を使い、一部に兵庫県産の山田錦も用います。「酒造りは米作りから」をモットーに、酒蔵の近くにある約1.6ヘクタールの自社田で酒造好適米を育てています。長く五百万石を栽培してきましたが、種籾が入手しにくくなったこともあり、2024年の田植えから、千葉県が開発した酒造好適米「総の舞」に切り替えました。仕込み水は、ミネラルを含む鹿野山水系の水を、専用の井戸から汲み上げて使います。

米は10〜15キログラムずつ小分けにして洗い、水分管理を厳密に行います。大吟醸は手洗いです。蒸しには甑を使い、約900キログラムの米を一度に蒸すことができます。麹は、真冬でも30度前後の麹室で3日かけて仕上げ、種麹は酒質に合わせて選びます。仕込みは添、踊、仲、留の三段仕込みで、踊では仕込みを休み、ほぼ倍量ずつ蒸米、仕込み水、麹を増やしていきます。その後、約8〜15度で20〜25日間、糖化とアルコール発酵を並行して進め、毎日朝夕に櫂入れをしてもろみの温度を均一にします。

搾ったお酒はおり引きをして、ろ紙で濾過しますが、濾過をしない酒もあります。火入れは60〜65度に加熱して行い、吟醸酒以上は、すべて瓶に詰めてから火入れをする瓶火入れで、繊細な味と香りを保ちます。貯蔵は、日光を遮った冷蔵コンテナの中で、マイナス3度からプラス5度に保っています。温暖な千葉県では冷蔵設備が欠かせず、蔵では洗米機、サーマルタンク、冷蔵コンテナ、パストライザーを順次整えてきました。2025年時点で、製造にあたるのは基本的に3人で、年間の生産量は約250石です。

全国新酒鑑評会の出品酒には、兵庫県産の山田錦を使います。2019年時点では、酵母に日本醸造協会のきょうかい1801号酵母を使い、かつて蔵で自家培養していた「東魁酵母」は使用を控えていました。同じ時点で、麹が生み出す分解酵素の力を長年データで記録し、出品酒の設計に反映させています。

代表銘柄

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東魁盛

東魁盛(とうかいざかり)は小泉酒造の主銘柄で、東の国の魁として盛んになるという意味を込めた名です。蔵のトップブランドである大吟醸 東魁盛は、兵庫県産山田錦を35%まで磨き、アルコール分16度、日本酒度+2、酸度1.2で、メロンのような芳香が特徴です。この酒は令和2〜7酒造年度に全国新酒鑑評会で6年連続の金賞を受けています。純米吟醸 なのはなは、SAKE COMPETITIONで2024年に純米吟醸部門の第9位、2026年にSILVERを受けました。

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東魁

東魁は、東魁盛と並ぶ小泉酒造のもう一つの銘柄です。純米吟醸 東魁 ゆめかなえは、千葉県が開発した低グルテリン米の「ゆめかなえ」を100%使い、精米歩合60%で、柑橘類の爽やかな香りのジューシーな味わいです。2025年時点では蔵の定番酒の一つになっています。純米酒 東魁は精米歩合70%で、東京国税局の酒類鑑評会の純米燗酒部門で、平成29年・令和元年・3年・5年・6年に優等賞を受けています。

見学・購入

直売所
蔵に隣接する「ソムリエハウス酒匠の館」で、常時20種類前後の清酒やリキュールを試飲でき、販売もしています。大吟醸酒入りのソフトクリームなどを出す喫茶「ソムリエ庵」や、江戸時代以降の酒造用品を展示する資料館も併設しています。
補足
蔵の仕込みの様子は窓越しに見学でき、大型ディスプレーで東魁盛ができるまでの動画も上映しています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
千葉県富津市上後423-1
創業
1793年
公式サイト
www.sommelier.co.jp

出典

sakenomy.jp / perie.co.jp / chibasake.com / maruchiba.jp / bosotown.com / nihonmono.jp / sake-times.com / sommelier.co.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / nanbutoji.jp / sakecompetition.com / sakestreet.com / nikkei.com

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