渡辺酒造本店
代表銘柄:雪小町・氷の酒 美氷
福島県
FUKUSHIMA
1871年創業
渡辺酒造本店は、福島県郡山市西田町にある明治4年(1871年)創業の酒蔵です。代表銘柄は「雪小町」で、「北国の雪のように清らかな美酒であれ」との想いが込められています。
酒造りでは、自社田や地元契約農家が育てる地元産の酒米を使い、純米大吟醸や大吟醸には郡山産の美山錦を用いるなど、福島県産の原料米を主に活用しています。仕込み水には阿武隈山系の水(中硬水)と安積疏水などの郡山の水(軟水)を使い分けており、高台という立地を生かした自然落下の工程を取り入れた酒造りが行われています。
出来上がる日本酒は、しっかりとした味わいとボディがありつつも、上品な香りとやわらかさを併せ持った芳醇辛口な仕上がりが特徴です。全国新酒鑑評会では平成14酒造年度以降に金賞9回を受賞し、東北清酒鑑評会でも優等賞を重ねています。
渡辺酒造本店の歩み
渡辺酒造本店は、福島県郡山市の東部、阿武隈山系の麓にあたる西田町で酒を醸す蔵です。創業は明治4年(1871年)5月1日で、地元向けの御神酒酒屋として始まりました。創業の地は現在の蔵と同じ場所で、いまの郡山市西田町三町目にあたります。昭和30年(1955年)2月28日に会社を設立し、主力銘柄「雪小町」を軸に酒造りを続けています。生産体制は昭和の後半から段階的に整えられ、昭和47年(1972年)に年間生産量を500キロリットルへ、昭和55年(1980年)には800キロリットルへと増設しました。
平成元年(1989年)には生産ラインの一部を自動化し、平成3年(1991年)には高品質な清酒を造るための生産設備を拡充しました。
現在の代表取締役は、5代目の渡辺康広氏です。新潟大学農学部で土壌学を専攻し、酒造好適米の栽培も手がけてきた経歴を持ち、放射線化学も学んでいました。蔵元は、2026年の時点で約35年前に家業へ戻り、酒質の向上に取り組んだと語っています。同じころ福島県酒造組合でも同じ目標が取り上げられ、最も若い一員として、その取り組みに最初から加わりました。また、西田町の民芸の里・高柴デコ屋敷の職人が作るひょっとこ面を着けて踊り、「ひょっとこ社長」として県内外のイベントやテレビにも出ています。
平成23年(2011年)の東日本大震災では、蔵の一部が崩れたほか、原発事故による風評被害にも直面しました。康広氏は学んだ専門知識を生かして安全性の発信に動き、酒米を作る農家向けの説明会を延べ20回以上開いて、カリウム肥料を使った酒米づくりを勧めました。県内の酒造会社に対しては、国の基準の10分の1を超える放射性物質が検出された場合は原料に使わないという運用を周知し、その結果を消費者に公表してきました。安全な米づくりについての講演や土壌改良の指導は、延べ2,000人以上に及んでいます。
令和3年(2021年)には創業150年を迎え、これを記念して手に取りやすい価格とサイズの「雪小町」を発売しました。さらに2026年7月から8月にかけては、米価の高騰で酒米の仕入れ資金が課題になったことからクラウドファンディングを実施し、目標の50万円を上回る約107万円が86人から寄せられました。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に12回入賞し、そのうち金賞は9回です。平成16・17酒造年度は2年続け、平成22〜24酒造年度と平成28〜30酒造年度はそれぞれ3年続けての金賞でした。いずれも商標「雪小町」での入賞です。それ以前にも、蔵の発表では平成5酒造年度に金賞、平成12酒造年度に入賞しています。
東北の鑑評会では、蔵の発表によると平成3年から平成15年に春秋あわせて優等賞を14回受け、平成6年秋は首席優等賞でした。仙台国税局の東北清酒鑑評会では、平成18年から令和5年までの間に12回、吟醸酒の部と純米酒の部を合わせて延べ18件で優等賞に選ばれています。平成29年の純米酒の部は、優等賞のうち評価員特別賞でした。福島県の鑑評会でも、平成17年から令和4年にかけて春季・秋季の21回で金賞以上に入り、延べ件数は35件です。
このうち最上位の県知事賞は6件で、平成17年春の純米酒の部、平成24年秋の吟醸酒の部と純米酒の部、平成25年秋と平成30年の春・秋の吟醸酒の部です。蔵の発表では、平成9年秋には首席県知事賞も受けています。
酒造りの特徴
仕込み水には、阿武隈山系の水と安積疏水を使い、軟水と中硬水を使い分けています。阿武隈山系の水は、あぶくま鍾乳洞に由来するミネラルがほどよく溶け込んだ中硬水です。酒米は自社田と契約農家が栽培した地元産のものを使い、渡辺社長は原料米の95%が地元産だと語っています。「雪小町」の純米大吟醸や大吟醸には、契約農家が栽培する郡山産の美山錦を使っています。蔵は郡山市の高台にあり、2021年時点では、その立地を生かした自然落下の酒造りが特徴です。
蔵が掲げるキーワードは「完全発酵」と「長期熟成」です。一般的な頃合いで搾らずに、低温で数日ほど辛抱強く発酵を続けさせることで、サラサラと軽くキレのよい味わいを生み出しています。もろみは15度以下の低温でじっくりと育てます。モットーは「酔わせない酒造り」で、肝臓に負担をかけず、できるだけ早くアルコールが分解される造りを追求しています。麹造りなどには手作業の良さを残しつつ、瓶詰めの工程は機械化を進め、手順をマニュアルにして技術の共有と伝承にも努めています。
平成15年(2003年)3月には、山田錦を使い低温で醸した大吟醸の「五十一号タンク」のもろみを、袋吊りで自然落下させた雫酒として採り、生酒のまま瓶詰めする限定醸造を行いました。
商品は、大吟醸、吟醸、純米、本醸造を中心に造っています。福島県オリジナルの酒米「福乃香」を低温でじっくり醸した純米大吟醸は辛口で、ふくらみとシャープなキレ味が特徴です。純米大吟醸「F7-S」は、東北の復興を願い、宇宙を旅した酵母と福島県産の美山錦で醸したもので、精米歩合50%、日本酒度+10、酸度1.8、アルコール分15度の爽快な辛口です。清酒のほか、福島県産の果実を使った梅酒、苺酒、檸檬酒などのフルーツリキュールや、平成20年(2008年)から造る純米焼酎「類蔵」、シャーベット状で楽しむ凍結酒「美氷」もあります。
代表銘柄
雪小町
蔵の主銘柄です。北国の雪のように清らかな美酒であってほしいという願いを込め、「雪」と、美人を意味する「小町」から名づけられました。しっかりした味わいの中にやわらかさを持たせた芳醇辛口を目指し、大吟醸、吟醸、純米、本醸造を中心に醸しています。全国新酒鑑評会の入賞は、いずれもこの銘柄での受賞です。純米大吟醸や大吟醸には、契約農家が育てる郡山産の美山錦を使っています。
氷の酒 美氷
「雪小町」の凍結酒です。搾りたてのフレッシュなお酒をそのまま冷凍して、風味を封じ込めた辛口の冷凍酒で、冷凍便で届きます。自然解凍で半分ほど溶けたらふたを開けずに軽く振り、シャーベット状にして開封します。300ミリリットル瓶で、アルコール度数は14度です。レモン風味の「檸檬美氷」もあります。氷のサクサクとした食感を味わいながら楽しむ、夏向きの飲み方が特徴です。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵に併設のショップはありません。
- 補足
- 蔵の営業時間は平日の9時から17時で、土曜・日曜・祝日は休みです。通常の蔵見学と試飲は受け付けていません。2026年のクラウドファンディングでは、蔵見学を含むリターンが用意されました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県郡山市西田町三町目字桜内10
- 創業
- 1871年
出典
yukikomachi.co.jp / matcha-jp.com / fukunosake.com / sakenomy.jp / sake-times.com / monogatari-sake.com / wikipedia.org / fukulabo.net / marutora.com.tw / nrib.go.jp / nta.go.jp / sake-fukushima.jp / wasyu-treca.jp / camp-fire.jp / saketime.jp / tif.ne.jp / gurutto-koriyama.com / fukushima-ichiba.com / tokyoshusui.com / mori-onlineshop.com
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。