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石上酒造

代表銘柄:銚子の誉

千葉県

CHIBA

1844年創業

石上酒造の建物
石上酒造の建物(2022年撮影)「Ishigami Sake Brewery ac (1).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

千葉県銚子市に所在する石上酒造は、弘化元年(1844年)に創業した関東最東端に位置する酒蔵です。もとは米の倉庫業を営んでいましたが、初代・石上新藤が酒造業を始め、酒造業と穀物業を営むかたわら多角的に事業を手がけました。代表銘柄は地名を冠した「銚子の誉」です。

敷地内には栃木県産の大谷石を用いた「明治蔵」「大正蔵」と呼ばれる珍しい石蔵があり、米蔵・麹室・仕込蔵・貯蔵蔵・文庫蔵の5棟が国の登録有形文化財に登録されています。外気温の影響を抑える石蔵の特長を活かし、手間の掛かる伝統的な酒造りを続けています。

醸造には主に千葉県産の米とミネラル分を含む井戸水を用い、南部杜氏の技術のもとで丁寧に醸されています。醤油の名産地である銚子の濃い味付けの伝統料理とも相性が良い、しっかりとした旨味とボディを持つ味わいが特徴です。

石上酒造の歩み

石上酒造は、千葉県銚子市田中町にある、関東最東端の酒蔵です。弘化元年(1844年)の創業と伝えられ、蔵内に保管されていた文献から、初代は石上新藤です。もともと米の倉庫業を営んでいた初代が、米の集積地であった銚子で、もっと米を活かせないかと考えて酒づくりを始めたと、蔵の説明にあります。2023年時点で、蔵は5代目が受け継いでいます。

初代の石上新藤は、酒造業と穀物業を営むかたわら、養豚業、海鹿島の築港、肥料会社の設立、〆粕や魚油の商いなど、多角的に事業を手がけました。

蔵がたたずむのは、明治前期には千葉県内で最大、関東でも有数の人口を抱えた中心市街地、飯沼地区の一角です。敷地内の建物は、麹室が明治29年(1896年)ごろ、仕込蔵・貯蔵蔵・文庫蔵が明治35年(1902年)ごろ、米蔵が同年までの建築とみられています。

これらの建物は、関東大震災と太平洋戦争の大空襲という二つの危機を乗り越えてきました。空襲で銚子の市街が一面の焼け野原となるなか、石上酒造でも一部に被害が出たものの焼失は免れ、歴史的な建造物が残りました。2011年の東日本大震災では瓦が破損し、仕込蔵は屋根全体を葺き替え、文庫蔵は瓦の補修にあわせて漆喰壁をガルバリウム鋼板で覆っています。

2018年(平成30年)3月27日、米蔵、麹室、仕込蔵(醪蔵)、貯蔵蔵、文庫蔵の5棟が国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。なかでも大谷石の石場建てで造られた麹室は、近年の酒蔵ではあまり見られない貴重な造りです。

酒造りの特徴

蔵の主役は、栃木県産の大谷石でできた石蔵です。敷地には「明治蔵」「大正蔵」と呼ばれる二つの大谷石造りの石蔵があり、仕込み蔵と貯蔵蔵として使われてきました。麹室、仕込蔵、貯蔵蔵は大谷石を積んだ壁構造で、気泡の多い大谷石が外気と室温の変化をやわらげます。麹室は内部が全面杉板張りで、壁との間に保温のため籾殻が詰められ、天井板の上には藁が敷かれています。貯蔵蔵の屋根には、銚子特有の黒生瓦が使われています。

仕込蔵では、麹を付けた蒸米と仕込み水、酒母をホーロー引きのタンクに仕込み、3週間ほどかけて醪を育てます。貯蔵蔵は、できあがった酒の貯蔵と、醪から生酒を搾る工程に、2023年時点でも使われています。蔵では麹・酒母・仕込みに惜しみなく手間をかけ、南部杜氏の醸造技術のもとで丁寧な酒造りをしていると説明しています。

原料米は商品ごとに異なります。本醸造は精米歩合65%の千葉県産「ふさこがね」を用い、純米酒の原料米もふさこがねです。一方、大吟醸の原料米は、香りが強く出る長野県産の美山錦です。水は井戸水をろ過して使っています。ミネラル分の多い井戸水で仕込むと、味が濃く個性の強い酒に仕上がると蔵は考えています。少量生産の強みを活かして、地域のものを使うことにこだわっています。

銚子は暖流と寒流の影響を受け、夏でも30度を超えることは珍しく、冬も零下になることはまれという穏やかな気候で、蔵はこれも酒の個性だと考えています。純米酒の仕込みでは、もろみの工程であまり急がず、攪拌せずに、味が染み出るのを待つことで、麹の香りが酒にうまく残るようになりました。もともと本醸造を得意としてきましたが、純米酒に挑戦して好評を得たことで、今では純米酒の比重も高まっています。

代表銘柄

銚子の誉

銚子の誉は、石上酒造の代表銘柄です。本醸造は精米歩合65%、日本酒度+4、酸度1.4と、酸がやや高く味の強いタイプで、銚子で水揚げされるキンメダイの煮つけのような濃い味の料理と合わせるのがおすすめです。純米酒は精米歩合60%、大吟醸は長野県産の美山錦を50%まで磨いて仕込み、低温で5〜6週間かけて発酵させます。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
補足
蔵見学と試飲は事前予約が必要です。問い合わせは電話0479-22-0655で受け付けています。営業時間は8時から17時で、日曜日と祝日は休みです。国登録有形文化財の建物は個人の所有で、公開には事前の相談が必要です。最寄りは銚子電鉄の観音駅で、徒歩約10分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
千葉県銚子市田中町7-1
創業
1844年
公式サイト
www.isbc.co.jp

出典

choshikanko.com / sakenomy.jp / maruchiba.jp / city.choshi.chiba.jp / chibasake.com / sakedata.jp / isbc.co.jp / pref.chiba.lg.jp / choshi-jikan.jp / chiba-sake.jp / online.perie.co.jp

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