西内酒造
代表銘柄:談山・大名庄屋酒・卑弥呼の里
奈良県
NARA
1877年創業
奈良県桜井市、談山神社のふもとに位置する西内酒造は、1877年(明治10年)に創業した酒蔵です。代表銘柄は「談山」で、談山神社や等彌神社の御神酒の醸造も手掛けています。
酒造りには蔵の井戸から汲む多武峰山系の水を仕込み水として用い、地の米と水を活かした酒造りを行っています。清酒「談山」のほか、奈良県産米で造る生にごり酒「大名庄屋酒」や、仕込み水の代わりに清酒を用いて醸す極甘口の「貴醸酒」、さらに貴醸酒を仕込み水に使用して長期貯蔵した「累醸酒」など、個性的で独創的な酒造りが特徴です。
こうした酒造りは高く評価されており、国際的な酒類コンクールであるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では、2017年に「累醸酒」が古酒部門のトロフィーを受賞するなど、国内外から注目を集めています。
西内酒造の歩み
西内酒造は、奈良県桜井市の談山神社の一の鳥居のそばで、明治10年(1877年)に創業した酒蔵です。紅葉の名所として知られる談山神社は多武峰にあり、この地は昔から酒造りに適していたようです。かつて神社のある場所には妙楽寺という大寺があり、僧坊酒が造られていました。その酒は奈良市郊外の正暦寺の僧坊酒と並び称される美酒だったと伝わり、寺は明治の神仏分離令でなくなりましたが、寺のあった辺りから蔵へ流れる川の伏流水が、いまも酒造りを支えています。
店舗の建物は明治10年の建築で、酒蔵の建物はそれより古く、江戸時代に建てられました。木造で土壁に覆われ、米を蒸す蒸気を逃がすための煙出し屋根を備えています。松、桜、欅といった材木がふんだんに使われ、製材技術が今ほど進んでいなかった時代の造りで、柱はまっすぐではなく、木のうねりや曲がりを生かして配置されています。垂直に立つ柱は石の上に載っているだけで、室内には箱階段のほか、酒蔵の見張り部屋の跡や、重い木桶や道具を綱で上げ下ろしするための阿弥陀車も残っています。
蔵の看板商品は貴醸酒、累醸酒、にごり酒です。貴醸酒と累醸酒は奈良県で1社しか造っていない高級酒だと蔵は位置づけています。談山神社と等彌神社の御神酒も造っており、桜井市の大和さくらいブランドには、貴醸酒、累醸酒、卑弥呼の里が認定されています。蔵は吟醸酒、純米酒、普通酒の技術もさらに磨いていく方針です。代表者は西内康雄氏です。
国際的な評価も重ねています。世界最大規模のワインコンテスト、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門では、2017年に累醸酒が金メダルと古酒部門のトロフィーを受賞しました。2019年から2026年にかけては、貴醸酒と累醸酒があわせて金メダルを7回受け、奈良・古酒トロフィーには2019年、2024年、2025年の3回選ばれています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に10回入賞しています。平成15酒造年度から平成18酒造年度までは、当時の個人名義(西内康雄)で商標「談山正宗」により4年続けて入賞し、このうち平成16酒造年度と平成17酒造年度は金賞でした。その後、平成20、22、24、29の各酒造年度と令和3、4の各酒造年度に、商標「談山」で入賞しています。令和6年度の大阪国税局清酒鑑評会では、燗酒用清酒の部で優秀賞を受けました。
酒造りの特徴
酒造りの要は水と米だと蔵は考えています。仕込みには蔵の自家井戸の水を使い、この井戸は多武峰の水系から水を得ています。米は奈良県のお米を使って醸しています。蔵は、奈良県生まれで明治の三大老農の一人に数えられる中村直三が稲の品種改良に取り組んだ歴史に触れ、気候に合ったおいしい米を求めてきた奈良の米を使うとしています。毎年が一年生という気持ちで、仕込みの配合や温度経過、器具の洗浄まで、丁寧さと細やかさを大切にしています。
貴醸酒は、仕込み水の代わりに古酒を用い、水を使わずに酒へ米と米麹を加えて発酵させる酒です。原料米はキヌヒカリ、精米歩合は60%、アルコール度数は16度で、味わいは極甘口の貴腐ワインやアイスワインに似ています。累醸酒は、その貴醸酒を仕込み水の代わりに使い、さらに貴醸酒に米と米麹を加えて発酵させた酒で、原料米はキヌヒカリ、精米歩合60%、アルコール度数16度です。累醸酒は6年貯蔵されます。
製法は貴醸酒と同じ「しおり法」と呼ばれる方法で、須佐之男命(スサノオ)が八岐大蛇を退治するのに用いた酒もこの製法で造られたという言い伝えがあります。
大名庄屋酒は、奈良県産米を70%に精米した「生」の「にごり酒」で、アルコール度数は19度、辛口です。どぶろくでもオリ酒でもない、生の清酒のにごり酒にこだわって造られ、冷やしてゆっくり楽しめ、ロックやソーダ割りにも向きます。卑弥呼の里は、紫黒米(黒米)を原料米の一部に使った純米酒で、天然の色であるほんのり桜色に仕上がり、やや辛口で少しハーブのような香りがします。聖林寺の十一面観音にちなんだ特別純米酒「聖人」は、酒造好適米「露葉風」と協会1401号酵母を使い、自家井戸水で仕込んだ300ミリリットル瓶の酒です。
代表銘柄
談山
公式の会社情報に銘柄として載る、蔵の中心となる名前です。看板の貴醸酒と累醸酒はいずれも「談山」の名で出しており、IWCには「Tanzan Kijoshu」「Tanzan Kijoshu Ruijoshu」として登録されています。仕込みは蔵の自家井戸の水を使い、累醸酒は6年貯蔵します。蔵は談山神社と等彌神社の御神酒も造っています。
大名庄屋酒
奈良県産米を70%に精米して造る、生の清酒のにごり酒です。どぶろくでもオリ酒でもないと蔵が位置づける一本で、アルコール度数は19度、辛口です。日持ちは1〜3か月ほどで、開栓後は冷蔵庫で冷やしてゆっくり楽しめます。冷やしてそのまま飲むほか、ロックやソーダ割りにも向いています。
卑弥呼の里
原料米の一部に高品質の紫黒米(黒米)を使った純米酒です。天然の色でほんのり桜色に仕上がり、赤ワインを思わせる色合いに、やや辛口の味わいと少しハーブのような香りがあります。桜井市の大和さくらいブランドに、貴醸酒、累醸酒とともに認定されています。
見学・購入
- 直売所
- 蔵のオンラインストアで販売しています。
- 補足
- 所在地は奈良県桜井市下3です。談山神社の一の鳥居のそばにあります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 奈良県桜井市下3
- 創業
- 1877年
- 公式サイト
- nara-tanzan.com
出典
japansake.or.jp / naraizumi.jp / sakenomy.jp / jafnavi.jp / nara-kankou.or.jp / yahoo.co.jp / rurubu.jp / nara-tanzan.com / saketimes.jp / nrib.go.jp / rakusake.com
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