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勲碧酒造

代表銘柄:勲碧

愛知県

AICHI

1915年創業

勲碧酒造の建物
勲碧酒造の建物(2024年撮影)「Kunpeki Shuzou ac (1).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

愛知県江南市に位置する勲碧酒造は、1915年(大正4年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「勲碧」の酒名は1976年(昭和51年)に命名されたもので、澄み渡る碧空(青空)を意味しています。四代目蔵元の村瀬公康氏は1998年(平成10年)の秋の仕込みから自ら杜氏を務めており、当時の愛知県では蔵元が杜氏を務める例はほかになかったと本人は振り返っています。全工程を手作業で行う少量仕込みの酒造りを続けています。

仕込み水には地下100メートルから汲み上げた木曽川の清冽な伏流水(軟水)を使用し、原料米には愛知県産の「夢吟香」や岡山県産の「山田錦」などを採用しています。やさしい香りと旨みを醸し出す10号酵母のほか、五条川の桜並木の桜の花から分離した桜酵母を用いた酒造りも特徴です。

主な受賞歴として、令和6年(2024年)の全国新酒鑑評会(令和5酒造年度)で3回目の金賞を受賞したほか、「ミラノ酒チャレンジ」で「純米大吟醸 杜氏渾身ノ酒」が金賞、「美酒コンクール」で「純米吟醸 夢吟香」が金賞を獲得するなど、国内外で高く評価されています。

勲碧酒造の歩み

勲碧酒造は、大正4年(1915年)に創業した酒蔵です。現在の江南市小折にあたる地で、犬山街道沿いのこの一帯は、井戸を掘ればすぐに水が出る水どころです。創業者は現在の蔵元である村瀬公康氏の曾祖父にあたり、実家が酒造りをしていたことから自らも酒造りを志して蔵を興しました。酒名の「勲碧」は昭和51年(1976年)に金沢市の長橋靖彦氏が命名したもので、澄み渡る碧空を表します。大自然の恵みを受けて生まれる清酒にふさわしい名として、国家に尽くすという蔵元の志を込めています。

昭和60年(1985年)、当時大学4年生だった村瀬公康氏は、父がくも膜下出血で倒れたため蔵に戻り、そのまま入社しました。当時は新潟から杜氏が来て造りを担っていたため、公康氏は酒販店や酒問屋への営業と配達を受け持ちます。平成8年(1996年)に父の後を継いで社長に就任しましたが、日本酒を取り巻く環境が厳しいなか、就任後最初の冬に造った酒が在庫としてあふれ、翌年は酒造りを休みました。杜氏を呼び戻せるほどの仕込み量は見込めず、平成10年(1998年)の秋から自ら杜氏として酒造りを始めます。

当時の愛知県では蔵元が杜氏を務める例はほかになかったと、本人は振り返っています。

酒造りは、国税庁醸造試験所の講習生として3か月半学んだほか、自ら造ることになった年の春に40日間の講習をもう一度受けて身につけました。以前の杜氏からレシピを引き継いでいない状態での、手探りの初仕込みでした。最初の年に仕込んだタンク15本分のうち純米吟醸酒は、ロックバンド「聖飢魔II」の解散記念酒「純米吟醸 一九九九 聖飢魔酒」となり、4合瓶で3000本が売れました。公康氏はこのバンドのデーモン小暮閣下と大学の同級生で、音楽サークルで一緒だった縁によるものです。

2024年時点では、長男の邦興氏が約10年前に蔵へ戻って造りを支え、弟の元弥氏が専務として販売を担い、同年秋には長女の真由子氏も入社する予定でした。公康氏は、清酒の官能評価の専門評価者(Sake Expert Assessor, NRIB)にも認定されています。

全国新酒鑑評会には平成16酒造年度から出品を続けています。10号系で香りのよい酵母ができたと聞き、その酵母で仕込んで出品したのがきっかけでした。平成16酒造年度から令和7酒造年度までに12回入賞し、うち平成20・29酒造年度と令和5酒造年度の3回は金賞に選ばれています。平成20酒造年度の金賞は造りを始めて11年目の初の金賞で、令和5酒造年度は、平成30酒造年度から出品酒を純米大吟醸に切り替えたあと、その純米大吟醸で初めて受けた金賞でした。

名古屋国税局酒類鑑評会では、平成18年度から令和5年度までに優等賞を5回受けています。このうち令和5年度の第72回は、純米吟醸酒の部の「勲碧 純米大吟醸 杜氏渾身ノ酒」です。

海外や女性審査員の品評会でも評価されています。蔵の発表では、「勲碧 純米大吟醸 杜氏渾身ノ酒」が2025年・2026年と2年続けてミラノ酒チャレンジで金賞を受け、蔵にとって初めての海外コンテストでの金賞となりました。同じく2026年には、特別純米酒がミラノ酒チャレンジでダブル金賞、バンコク酒チャレンジで金賞を受けています。国内では、審査員が全員女性の「第3回美酒コンクール2025 関西大会」のリッチ&ウマミ部門で、「勲碧 純米吟醸 夢吟香 無濾過原酒」が金賞を獲得しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、地下100メートルから汲み上げる木曽川の水です。軟水で適度にミネラルを含み、加工せずにそのまま使います。洗米や浸漬に使う水も同じ井戸水です。酒米は愛知県産の「夢吟香」と、岡山県産の「山田錦」「雄町」です。夢吟香は愛知県の新しい酒造好適米で、山田錦と若水の交配種にあたります。2024年時点では、岩倉・扶桑・犬山・江南の4地域で作られた夢吟香を使っています。

造りの方針は、一つ一つの工程を丁寧に行うことです。米は10キロずつに分けて洗米・浸漬し、時間を決めて水に漬ける限定吸水で、ぬかをしっかり落として米粒の中心までむらなく水を吸わせます。蒸しには和釜を使い、蒸米は仕込蔵に敷いた竹のござと飯布の上で、一つずつ手でほぐしながら自然放冷します。醪は一度に量を増やさず、総米1トン未満の小さな仕込みで手作業を貫きます。米を溶かしすぎない造りで、1トン仕込むと約300キロの酒粕が出ると蔵元は話します。酒粕は柔らかく、お酒はすっきりとした仕上がりです。

酵母は10号系が中心です。大吟醸などの高級酒には華やかな香りの出るタイプ、純米吟醸や本醸造、純米酒にはオーソドックスなタイプの10号系を使い分けます。これに加えて、五条川の桜から分離した桜酵母「五条川桜」でも醸します。この酵母は、愛知県の食品工業技術センターが大口町商工会との共同研究で桜の花から分離したもので、2009年に開発の成功が発表されました。勲碧酒造が技術指導のもとで実証仕込みを行い、同年に純米酒「おおぐち」として商品化されました。五条川の桜酵母で酒を造るのは勲碧だけだと、蔵元は話します。

しぼりたての原酒は火入れをせずに出荷するため、フレッシュな味わいです。火入れ後の酒は貯蔵タンクで熟成させ、大型の冷蔵設備を多数備えて最適な温度で保管します。瓶詰めの際には、火入れの回数を減らす工夫もしています。「純米吟醸原酒 氷温熟成酒」は、生のまま冷蔵タンクで熟成し、瓶詰め火入れの後も冷蔵コンテナで熟成する生貯蔵タイプです。イベント向けには、もろみを濾して溜めたオリを絞った酒と一緒に瓶に入れ、瓶内で二次発酵させる発泡日本酒「しゅわしゅわ」も造っています。

代表銘柄

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勲碧

勲碧酒造の主銘柄で、2024年時点で種類は約20にのぼります。蔵元は、全体にやや淡麗で酸味は低めと話します。蔵元の一番人気は純米吟醸原酒の氷温熟成酒で、最上級は山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸「杜氏渾身ノ酒」です。五条川の桜から分離した酵母で醸す「五条川桜」や、江南市産の米「旭」を使う「ははそはの」など、地元色の強い酒もそろえています。

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見学・購入

直売所
蔵に直営の直売店があり、定番から季節限定まで多種類の勲碧を取りそろえています。営業時間は9時から18時までで、月曜定休です。12月は無休で、大晦日のみ13時までの営業です。
補足
蔵見学は時期によって受け付けられない場合があり、希望する場合は事前に電話かお問い合わせフォームで連絡します。例年12月初めの土日に新酒祭を開いており、2026年12月5日・6日は第23回です。春は4月初めの土日の新酒祭、夏は7月最後の土日の試飲会、秋は9月初めの土日のひやおろし試飲会が例年の催しです。布袋駅東口と蔵の間は、土日のみ無料送迎バスが運行します。例年6月にはフルートとピアノ、9月にはオカリナの酒造コンサートも蔵で開かれます。アクセスは名鉄犬山線の布袋駅または石仏駅から徒歩約20分で、駐車場は4台分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
愛知県江南市小折本町柳橋88番地
創業
1915年
公式サイト
www.kunpeki.co.jp

出典

japansake.or.jp / wikipedia.org / kunpeki.co.jp / episword.co.jp / oishiisake.jp / konan-kankou.jp / tv-aichi.co.jp / saketomo.tv-aichi.co.jp / aichi-inst.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / bishucon.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。