笹正宗酒造
代表銘柄:笹正宗・ささまさむね
福島県
FUKUSHIMA
1818年創業
文政元年(1818年)、初代・岩田善次兵衛喜長が創業。「ほんものを造る」「品質第一主義」を基本理念とし、過度の近代化や量産化を排した酒造りを守り続けてきた福島県喜多方市の酒蔵。1977年(昭和52年)より全国的にもいち早く純米酒の製造・販売に着手し、地酒ブームの先駆けとなった。1979年(昭和54年)の東京サミット時には、当時のアメリカ大統領カーター氏が純米酒を絶賛したエピソードでも知られる。8代目の岩田悠二郎氏らは創業の原点に立ち返り酒質を見直すとともに、新銘柄「ささまさむね」を展開。
IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)での福島トロフィーやゴールドメダルの受賞、福島県産米「夢の香」を用いた酒造りによる全国新酒鑑評会での金賞受賞、SAKE COMPETITIONでの純米酒部門2位(県内最高位)入賞など、伝統の技と真摯な挑戦で高い評価を得てきた。令和8年(2026年)6月の火災で国登録有形文化財を含む主要な建物と醸造設備を全焼・焼失し、現在は福島県内の協力蔵を間借りして酒造りを続けながら再建を目指している。
笹正宗酒造の歩み
福島県喜多方市に蔵を構える笹正宗酒造は、文政元年(1818年)に岩田善次兵衛喜長が創業した酒蔵です。品質第一主義を貫き、精良の品を正直に販売していれば自ずと皆が求めて来るようになる、という創業者の考えのもと、代々の岩田家当主に秘伝の仕込みが伝授されてきました。なかでも4代目・5代目の時代には数多くの品評会で優等賞や一等賞を受け、後年の新酒鑑評会でも全国、東北、福島の各大会で金賞を受賞しています。
過度な近代化や量産化を避け、昔ながらの造り方を貫く姿勢は、昭和31年(1956年)に6代目・岩田弘が株式会社として法人化した後も変わらず受け継がれています。
日本酒消費のピークから4年後にあたる昭和52年(1977年)、笹正宗酒造は福島県内はもとより全国でも早い時期から純米酒の製造・販売に取り組み、後の地酒ブームの先駆けとなりました。昭和54年(1979年)6月の東京サミットの折には、来日中のアメリカ合衆国大統領ジミー・カーター氏が六本木の飲食店で同蔵の純米酒を飲み、絶賛したという逸話が残っています。昭和61年(1986年)には、日本消費者連盟が認めた完全無農薬米のみを使った純米酒「茜さす」を発売し、朝日新聞が全国にこれを大きく報道しました。
平成27年(2015年)、後に8代目を継ぐ岩田悠二郎氏の主導で、創業の原点に立ち返って酒質を見直した新銘柄「ささまさむね」が初めて醸造されました。同じ平成27年、笹正宗酒造はIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2015の純米酒の部で「特別純米 笹正宗」が福島県の地域トロフィーを受賞し、2017年には純米吟醸の部で「笹正宗 純米吟醸」がゴールドメダルを受賞しています。
平成29年(2017年)に代表取締役へ就任した悠二郎氏は、専務を務める兄の岩田高太郎氏とともに看板銘柄「笹正宗」の製造工程を練り直し、原料米を山田錦から福島県産米「夢の香」へ切り替えるなどの取り組みを重ね、平成29酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。「笹正宗」はこれ以前にも平成15・17・18・19・21酒造年度に金賞を受賞しており、令和2・3・5酒造年度にも金賞を重ね、これまでに通算9回の金賞を受賞しています。
令和8年(2026年)6月1日、敷地内で使われなくなっていた蔵から出火し、店舗兼主屋や仕込み蔵など、国の登録有形文化財に登録されていた8件のうち6件を含む建物群、約2,900平方メートルが全焼しました。隣接する住宅の一部にも延焼しましたが、けが人はありませんでした。蔵にあった出荷前の酒瓶およそ2万5千本も焼失した一方、正門や塀、稲荷社は焼失を免れ、今後も保存される予定です。
焼け跡のタンクからは4合瓶にしておよそ5,000本分の日本酒が無事に救出され、会津坂下町の曙酒造の協力で瓶詰めされたのち、「純米酒 笹正宗 1818-2026」として同年8月10日から福島県内限定で5,000本が発売されました。新たな酒蔵の建設に向けては令和9年(2027年)1月の地鎮祭、令和10年(2028年)の醸造再開を目標に掲げ、それまでの間は福島県内の協力蔵を間借りして酒造りを続ける方針です。
酒造りの特徴
日本酒は、蒸した米に麹菌を振りかけて麹を造り、麹と蒸し米、水に酵母を加えて酒母を仕込むことで生まれます。もろみの仕込みは三段仕込みと呼ばれる方法で行われ、1日目に初添えをしたのち、2日目は仕込みを休んで酵母をゆっくり増やします。この2日目の工程を踊といいます。3日目に中添え、4日目に留添えを行い、雑菌の繁殖を抑えながら段階的に酵母を増やしていきます。仕込みからおよそ25日をかけて発酵させたもろみを搾り、ろ過と加熱(火入れ)を経て貯蔵する、精米からおよそ60日の工程を経て日本酒に仕上げます。
商品ごとに見ると、精米歩合は「純米大吟醸 ササ正宗」で40%、「笹正宗 純米吟醸」で50%、「純米酒 ササ正宗」や「本醸造 大辛口 ササ正宗」で70%です。大吟醸には福島県産米「夢の香」を100%使用するほか、「本醸造 大辛口 ササ正宗」は日本酒度+9、「純米吟醸 ササ正宗 カラクチ 火入れ」は日本酒度+10と辛口に仕上げており、淡麗辛口を軸としながら商品ごとに個性を持たせています。
令和6年(2024年)には新たに麴室を設けましたが、令和8年(2026年)6月の火災でこの麴室を含む醸造設備を全て失いました。同年中は福島県内の協力蔵を間借りし、契約済みの米を使いながら例年と同量の酒造りを続けており、新たな酒蔵での醸造再開は令和10年(2028年)を目標としています。
代表銘柄
笹正宗
1818年の創業以来、代々の当主が受け継いできた蔵の看板銘柄です。精米歩合70%の純米酒や本醸造から、福島県産米「夢の香」を100%使用した大吟醸まで幅広い商品をそろえています。全国新酒鑑評会では平成15・17・18・19・21・29酒造年度と令和2・3・5酒造年度に金賞を受賞し、通算9回を数えます。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でも「特別純米 笹正宗」が2015年に福島県の地域トロフィーを、「笹正宗 純米吟醸」が2017年にゴールドメダルを受賞しました。
ささまさむね
8代目蔵元の岩田悠二郎氏が創業の原点に立ち返り、平成27年(2015年)に初めて醸造した新しい銘柄です。看板銘柄「笹正宗」とはひと味違う、飲みやすくフレッシュな酒質を目指して造られています。2026年のSAKE COMPETITIONでは「ささまさむね 特別純米」が純米酒部門で2位となり、福島県内の銘柄では最高位に選ばれました。過度な近代化や量産化を避けてきた蔵にあって、新しい酒質へ挑む姿勢を象徴する銘柄です。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- はせがわ酒店グループの各店舗や日本橋ふくしま館MIDETTEをはじめ、福島県内外の日本酒専門店で取り扱われています。
- 補足
- 令和8年6月の火災で醸造設備を全て失い、現在は蔵見学を行っていません。新たな酒蔵での醸造再開は令和10年を目標に、県内の協力蔵で酒造りを続けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県喜多方市上三宮町上三宮字籬山675
- 創業
- 1818年
- 公式サイト
- www.sasamasamune.com
出典
fukunosake.com / sakedata.jp / sasamasamune.com / kennan-syuhan.co.jp / mori-onlineshop.com / sakagurabanryu.com / note.com / ja.wikipedia.org / jozo.or.jp / minpo.jp / minyu-net.com / sake-times.com / souta-shoten.com / nrib.go.jp
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