大里酒造
代表銘柄:黒田武士
福岡県
FUKUOKA
1835年創業
大里酒造は、福岡県嘉麻市大隈に位置し、天保年間の創業で1835年から続く酒蔵です。代表銘柄である「黒田武士」の名は、黒田藩の武士・母里太兵衛が酒を飲み干して天下の名槍「日本号」を飲み取った逸話(民謡「黒田節」)に由来しています。
仕込み水には遠賀川源流のふもとの、硬度が低く良質な水を用い、原料米には山田錦や夢一献など福岡県産のお米を使用しています。機械だけに頼らず、酒米の微妙な手ざわりや気候の変化に合わせて仕込む「気配りの手造り」にこだわっています。
一方で、現代的な商品開発にも積極的であり、ラベルを見ただけで味わいが分かる「言魂シリーズ」や日本酒ベースのリキュールに取り組んでいます。「K Next」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」のプレミアム純米部門で2022年と2023年に金賞を受賞しており、2025年の福岡県酒類鑑評会では「黒田武士 大吟醸酒」が福岡県知事賞に選ばれました。
大里酒造の歩み
大里酒造は、遠賀川の源流にあたる馬見山のふもと、福岡県嘉麻市大隈にある酒蔵です。創業は天保年間で、1835年から続く造り酒屋です。代表銘柄の「黒田武士」は、黒田節で知られる黒田藩の武将、母里太兵衛友信にちなんで名付けられました。
母里太兵衛は黒田藩きっての大酒豪で、槍の名手でもありました。福島正則のもとへ年賀の使者に立った際、主君の黒田長政から禁酒を言い渡されていましたが、正則に挑発されて三升入りの大杯を飲み干し、褒美として天下の名槍「日本号」を譲り受けたという逸話が伝わっています。太兵衛は益富城主で、墓所は嘉麻市の麟翁寺にあります。2019年には、嘉麻市の地方創生を目的に設立された市民会社の株式会社かまと共同で、太兵衛と日本号をテーマにした日本酒のセットを製作し、クラウドファンディングで限定販売しました。
近年は、若い人にもっと日本酒を飲んでもらいたいという思いから、新しい商品づくりにも力を入れています。2024年時点で専務を務める大里岳氏は、当初は家業を継ぐつもりがなかったものの、大学卒業後に家業を手伝ううちに常連客の言葉を聞き、この蔵を続けたいと考えるようになったと話しています。ラベルを見ただけで味わいが分かる「言魂シリーズ」の第一弾として、2020年に白麹で仕込んだ純米酒「黒田武士 凛」を発売しました。
日本酒ベースのリキュール「Kiss」シリーズは、2021年のチョコレートリキュール、マンゴーリキュールに続き、2022年に梅のリキュールが第3弾として加わりました。スパークリング日本酒は、2023年度に福岡県の補助金を活用して開発しています。2025年からは、酒造りへの理解を深めるため、酒米を種から育てる取り組みも始めました。田植えから115日目の10月に収穫を迎え、一部は手刈りで収穫しています。
受賞も重ねています。全国燗酒コンテストでは、2018年と2019年にプレミアム燗酒部門で「黒田武士 純米酒」が金賞を受賞し、2019年にはお値打ちぬる燗部門でも「黒田武士 呑みとり純米酒」が金賞でした。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2021年に「黒田武士 凛」がメイン部門で金賞、2022年に「K Next」がプレミアム純米部門で金賞、2023年に「黒田武士 凛」がメイン部門で最高金賞、「K Next」がプレミアム純米部門で金賞、2025年に「黒田武士 凛」がプレミアム純米部門で金賞を受賞しました。
福岡国税局の平成22年酒類鑑評会では、純米酒の部で「黒田武士」が金賞に選ばれています。福岡県酒類鑑評会では、第12回(2024年)に大吟醸酒の部(精米歩合50%以下)で「黒田武士 大吟醸」、純米吟醸酒・純米酒の部(精米歩合51〜59%)で「K NEXT」が金賞を受賞しました。第13回(2025年)は、大吟醸酒の部で「黒田武士 大吟醸酒」が福岡県知事賞、純米吟醸酒・純米酒の部(精米歩合51〜59%)で「K NEXT」、同部(精米歩合60%以上)で「黒田武士 特撰純米酒」がそれぞれ金賞です。
蔵の発表では、2016年と2017年に「又兵衛」が金賞、2019年の第8回では純米大吟醸「一丸桜」、「黒田武士 大吟醸酒」、「黒田武士 純米酒」、「K Next」の4種類が金賞を受賞し、2025年は出品した酒がすべて受賞したとしています。さらに2026年には、「黒田武士 大吟醸」がIWC 2026のSAKE部門、大吟醸の部でGOLDを受賞したと発表しています。
酒造りの特徴
仕込み水には、遠賀川の源流のふもとにあるため硬度が低く、酒造りに適した良質な水を使っています。原料米は酒の種類に応じて選び、山田錦や夢一献など、福岡県産のお米を使っています。「酒を愛する心」を伝えるため、機械だけに頼らず、酒米の微妙な手ざわりや気候、気温のわずかな変化に合わせて仕込む「気配りの手造り」を掲げており、製造量には限りがあります。2025年は10月中旬から仕込みに入りました。
主力の「黒田武士」には、大吟醸酒、特撰純米酒、にごり酒などがあります。にごり酒は30年以上前から地元で親しまれてきた甘口の酒で、新酒の時期には発泡感のある味わいが楽しめます。「K Next」は黒田武士初の甘口の純米吟醸酒で、日本酒に慣れていない人や女性にも飲みやすい味わいを目指し、2022年5月に瓶と黒いラベルを新しくしました。「凛」は白麹の酸を生かした、福岡県産米を70%まで精米した純米酒で、ほんのり甘くすっきりとした飲み口です。
1995年に造った純米吟醸酒を熟成させた長期貯蔵純米酒「玖伍」や、大吟醸のスパークリング「儚-UTAKATA-」もあります。このほか、摘果メロンを使った奈良漬けも販売しています。
年に一度の蔵開きは、新酒や限定酒を楽しめる蔵の大きな行事です。2026年は5月3日に開催され、博多駅と新飯塚駅からのバスが運行されました。ほぼ全種類の飲み比べ、黒田節の舞、マルシェ、生演奏、奈良漬けと酒粕の詰め放題、酒蔵見学と記念撮影などが企画されました。
代表銘柄
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黒田武士
蔵の看板銘柄で、大吟醸酒、特撰純米酒、にごり酒のほか、言魂シリーズの「凛」や甘口の純米吟醸酒「K Next」も黒田武士の商品です。特撰純米酒はやや辛口で、米の旨みと酸味のバランスがよく、全国燗酒コンテストのプレミアム燗酒部門で2018年と2019年に金賞を受賞しました。にごり酒は発売から30年以上続く甘口で、よく冷やして焼肉などと合わせるのがおすすめです。
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- 直売所
- 蔵元直売所があり、営業時間は平日10時〜17時、土日祝は9時〜17時で、原則水曜定休です。JR飯塚駅から車で約30分、電話は0948-57-0059です。
- 補足
- 2026年の蔵開きは5月3日に開催されました。10月中旬からの仕込み期は臨時休業となることがあるため、来店前に電話での確認をおすすめします。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福岡県嘉麻市大隈551
- 創業
- 1835年
- 公式サイト
- www.kurodabusi.com
出典
fukuoka-sake.org / japansake.or.jp / kurodabusi.com / sakenomy.jp / ginjoka.com / shop-pro.jp / iijimasan.com / kurodabusi.shop-pro.jp / finesakeawards.jp / kansake.jp / nta.go.jp / pref.fukuoka.lg.jp / crossroadfukuoka.jp / makuake.com / web.archive.org
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