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瑞穂菊酒造

代表銘柄:一鳥万宝

福岡県

FUKUOKA

1868年創業

福岡県飯塚市天道に蔵を構える瑞穂菊酒造は、明治元年(1868年)創業の酒蔵です。6代目蔵元である小野山洋平氏自らが杜氏を務め、品質本意をモットーに手造りの日本酒を醸しています。

代表銘柄の「一鳥万宝(いっちょうまんぽう)」は、地元・筑豊で合鴨農法に取り組む古野隆雄氏ら農家が、アイガモ水稲同時作の無農薬の有機栽培で育てた米を使い、味のある、やや辛口の純米酒として醸されています。誕生から2026年で30年目を迎え、新酒の会は2026年に第28回を数えました。

小野山杜氏は、地域の農家との結びつきを大切にし、筑豊の自然の恵みを酒造りに生かしています。

瑞穂菊酒造の歩み

瑞穂菊酒造は、明治元年(1868年)に筑豊地方で創業した酒蔵です。現在の蔵は飯塚市天道にあり、2006年の合併前は嘉穂郡穂波町でした。東に大将陣山、西に遠賀川上流の穂波川をのぞむ土地で、天道はかつて長崎街道沿いの商人の町として栄えました。法人化は昭和30年(1955年)12月で、現在は6代目の小野山洋平さんが代表取締役と杜氏を兼ねています。純米大吟醸「運大吉(うおきち)」の名は、蔵のかつての屋号「魚吉」にちなんだものです。

小野山さんは昭和63年(1988年)に大学を卒業するとすぐ蔵へ戻り、営業と仕込みの両方に携わりました。そのころ次の造りを任せる杜氏が決まらないという事態が起こり、いずれ自分で酒を造りたいという思いもあって、平成6年(1994年)から自ら杜氏を務めるようになりました。2004年には杜氏として10年目を迎え、そのころの仕込みは300石(一升瓶で約3万本)ほどの小さな規模でした。

転機になったのは、地元でアイガモ農法に取り組む古野隆雄さんとの出会いです。アイガモを田んぼに放して雑草や害虫を食べさせる、無農薬の有機栽培米で純米酒を醸そうと、古野さんら4名の農家とともに生まれたのが「一鳥万宝(いっちょうまんぽう)」で、2026年に誕生30年目を迎えました。この酒の新酒を披露する「一鳥万宝新酒の会」は、農家と蔵元でつくる合鴨自然酒実行委員会(事務局は蔵)が例年4月に開いています。2020年は中止となり、2023年は4年ぶりに開かれ、2026年は第28回でした。

創業150年の節目には、酒蔵を会場にしたクラシックコンサートを開きました。その後も酒蔵を会場にした演奏会「酒蔵夜会」「酒蔵シック」を重ね、地元の蔵元4社による「筑豊酒まつり」にも参加しています。リンゴ酸を多く生む福岡夢酵母を使った純米大吟醸「Bon Déclic(ボンデクリック)」は、飯塚産の夢一献だけで醸し、飯塚市農産加工品ブランド化推進事業協議会の開発商品第1号になりました。

受賞では、福岡国税局酒類鑑評会の金賞が目立ちます。純米酒の部で平成26年に「瑞穂菊」、平成27年に「一鳥万宝 純米酒」、平成29年に「舎利蔵(しゃりくら)」、平成30年に「五穀豊穣 純米酒 吟のさと」が金賞に選ばれました。令和2年は吟醸酒の部で「運大吉 純米大吟醸」、純米酒の部で「舎利蔵 純米吟醸」の2部門で金賞を受け、令和3年にも純米酒の部で「五穀豊穣 純米酒」が金賞でした。

福岡県酒造組合が主催する福岡県酒類鑑評会でも、第1回に「一鳥万宝」(純米吟醸酒・純米酒の部)と「大将陣 特別本醸造」(吟醸酒・本醸造酒の部)が金賞を受け、第2回では「運大吉 純米大吟醸」「一鳥万宝」(2年連続)「穂波竜王」の3点が金賞を受賞しました。

酒造りの特徴

蔵の造りは、品質本意を掲げ、蔵元自らが杜氏となる手造りです。2004年当時、仕込みは年明け早々の寒い時期に始まり3月まで続いていました。地元の米と地元の自然の恵みで造る地酒を信条とし、原料米は筑豊や福岡県内の産地のものが中心です。主な米は、アイガモ農法の筑豊産ヒノヒカリ、糸島産の山田錦、酒米の夢一献で、舎利蔵には五百万石を使っています。

銘柄ごとに米と造りを分けています。「一鳥万宝」は全量筑豊産のヒノヒカリで醸した純米酒で、味のあるやや辛口です。「五穀豊穣」の純米吟醸は糸島産山田錦を55%まで磨き、9号系酵母で醸します。同じ五穀豊穣の純米酒と本醸造は夢一献を使います。「運大吉」の純米大吟醸は、糸島産山田錦を40%または50%まで磨いたものと、筑豊産の夢一献を50%まで磨いたものがあります。「舎利蔵」は、舎利蔵の農家が育てた五百万石を使った純米吟醸で、この酒米づくりは2016年に始まりました。

レギュラー酒の「瑞穂菊」には、本醸造、加水していない原酒、にごり酒があります。「大将陣」は、地元にある桜と歴史の名所の大将陣にちなんだ銘柄で、上撰を造っています。秋には、春に搾った酒を夏越しさせたひやおろしも出荷しています。2013年には福岡県酒造組合と卸組合が県産酒の振興のために企画したひやおろしの一斉発売に参加しました。2022年にも9月9日から「五穀豊穣 純米ひやおろし」を出荷しています。

設備は少しずつ整えられています。2016年の夏には酒蔵の導線を見直し、もろみの搾り機を移動させ、1台で品温を管理できるサーマルタンクを導入しました。搾り機は、気温が上がっても品質に影響が出ないようプレハブ冷蔵庫の中に収められています。酒粕を使った奈良漬などの食品も手がけています。2021年には、酒販店などのオリジナル清酒向けに、数種類の酒をブレンドして仕立てる受託の案内を出しました。

代表銘柄

一鳥万宝

アイガモ農法の先駆者である古野隆雄さんら筑豊の農家が、アイガモを田んぼに放した無農薬の有機栽培で育てた米を使う純米酒です。原料は全量筑豊産のヒノヒカリで、味のあるやや辛口に仕上がっています。新酒は例年4月に、農家と蔵元でつくる実行委員会の新酒の会で披露されます。福岡県酒類鑑評会では第1回と第2回で金賞を受け、福岡国税局酒類鑑評会でも平成27年に純米酒の部で金賞でした。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の横にある直売所で日本酒や酒粕などを販売しています。所在地は飯塚市天道375(福岡銀行天道支店の横)で、JR天道駅から徒歩約5分です。蔵元直営のオンラインショップ「おてんとさまコム」でも購入できます。
補足
蔵見学は事前予約制です。小さな酒蔵のため、日程によっては対応できないことがあります。休業日は1月1日から3日で、日曜・祝日は不定休のため、訪問前に電話での確認をおすすめします。例年4月の第2日曜日には、蔵で「一鳥万宝新酒の会」(有料)が開かれます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福岡県飯塚市天道375
創業
1868年
公式サイト
www.mizuhogiku.com

出典

mizuhogiku.com / jrkyushu-aruressha.jp / note.com / tomozoe-honten.co.jp / sakenomy.jp / kankou-iizuka.jp / otento-sama.com / nta.go.jp / web.archive.org / fukuoka-sake.org / ginjoka.com / fukuoka-yokamon.com

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