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小林醸造

代表銘柄:池錦・鹿沼娘・前日光酒聖

栃木県

TOCHIGI

1907年創業

池島酒造は1907(明治40)年、栃木県大田原市で創業した酒蔵です。初代は池嶋仙之丞で、代々「主人自ら蔵に入るべし」という家訓を受け継ぎ、機械化に頼らない昔ながらの手造りにこだわった酒造りを続けてきました。蔵の井戸水と地元の酒米を使用し、代表銘柄「池錦」をはじめとする地酒は長年地域で愛されてきました。

その後、2016年に杜氏の体調不良で自社での醸造を休止し、他の酒蔵への委託で「池錦」の銘柄を守ってきました。2021年に株式が小林酒店側へ譲渡されて事業承継が行われ、同じ法人が2022年12月に「小林醸造株式会社」へ商号を変更して本店を鹿沼市に移しています。2024年7月には旧上粕尾小学校の体育館を改修した前日光醸造所(鹿沼市上粕尾)で醸造が始まり、同年に「池錦」の自蔵醸造が復活しました。現在は「鹿沼娘」「前日光酒聖」なども手がけています。

小林醸造の歩み

池島酒造は1907(明治40)年、現在の大田原市下石上にあたる地で創業しました。初代は池嶋仙之丞で、「主人自ら蔵に入るべし」という家訓を残しています。歴代の後継者は仙之丞の名を襲名し、杜氏や蔵人とともに酒蔵に入って、機械に頼らない手造りの酒を誇りとしてきました。酒蔵の井戸水と地元の酒米で造る「池錦」は、那須の美酒として地域の人々に愛されてきた銘柄です。1993年には4代目の池嶋英哲さんが蔵元となり、杜氏と二人三脚で造りを続けました。

全国新酒鑑評会では、平成12・13・15・18・19の各酒造年度に入賞し、平成23酒造年度と平成25酒造年度には金賞を受賞しています。平成12酒造年度から平成25酒造年度までの入賞は7回で、うち金賞は2回です。平成18年に開かれた第77回関東信越国税局酒類鑑評会でも、常温審査の部で優秀賞を受賞しました。

転機は2016年に訪れました。信頼を寄せていた杜氏が病気で体調を崩し、110年余り続いた自社での酒造りが止まります。その後は知人の酒蔵に製造を委託して「池錦」の銘柄を守りました。後継者探しは、地元金融機関の仲介で進めていた事業譲渡が最終段階で破談になった後、2018年10月に栃木県事業承継・引継ぎ支援センターへ相談して再開されました。候補探しが進まないなか、鹿沼相互信用金庫の仲介で出会ったのが、鹿沼市の酒販店・小林酒店の2代目社長、小林一三さんです。センターもこの人を後継者として池嶋さんに紹介しました。

酒造りと郷土を愛する人物だと見た池嶋さんは、事業の譲渡を決断しました。

2021年3月に株式譲渡契約が結ばれ、同年8月に譲渡が完了しました。池島酒造株式会社は2022年12月20日に小林醸造株式会社へ商号を変更し、本店を大田原市から鹿沼市へ移しました。同じ法人が存続しています。酒類製造免許も大田原から鹿沼へ移されています。鹿沼市に最後の蔵が廃業したのは1987年で、清酒蔵が37年ぶりに戻ったことになります。2024年7月には、旧上粕尾小学校の体育館を改修した前日光醸造所(鹿沼市上粕尾)で清酒の醸造が始まりました。栃木県内で51年ぶりに誕生した清酒蔵でもあります。

2024年には、前蔵元の池嶋英哲さんの指導を受けて「池錦」の自蔵醸造が8年ぶりに復活しました。普通酒の「辛口 池錦」、純米吟醸の「池錦 酒聖」、純米酒の「池錦 星の花」を仕込み、9月16日から大田原市など県北の酒販店で発売されました。2025年12月には、池錦 酒聖の味わいに惚れ込んだ小林社長が手がけた純米吟醸「前日光酒聖」が発売されました。

酒造りの特徴

前日光醸造所は、約550平方メートルの旧体育館の中に、木製の麹室、仕込み用と搾り用の冷蔵庫、原料処理場、精米所、瓶詰め区画をコンパクトにまとめた蔵です。麹室の木材は全量が鹿沼産の杉で、扉には池島酒造の旧麹室で使われていたものを流用しています。直売所にも、旧池島酒造の建物の古材が使われています。精米は自家で行い、扁平精米の考え方を応用して改造した精米機を導入しました。上槽室には小型の湿式調湿装置を設け、カビ臭の除去による酒質劣化の防止をねらっています。

事業の柱は、愛知県の関谷醸造のスタイルを手本にしたオーダーメイドの酒造りです。仕込み米60キロ(四合瓶で約100本分)から注文でき、米の品種や産地、精米歩合、仕込み水、種麹、酵母、酒母、上槽方法まで注文者が選べます。標準の米は栃木県産山田錦と鹿沼市産イセヒカリで、米や仕込み水の持ち込みにも応じます。仕込み水の標準は、日光連山の雪解け水が流れる上粕尾の水です。杜氏は寺澤圭一さんで、東京農業大学で学び、山形県の酒造会社で杜氏を務めた後、2023年に入社しました。

開業1年目のオーダー酒は約80件にのぼりました。最初の依頼は東武鉄道の新型特急スペーシアX開業1周年にあわせた酒で、「車窓」と名づけられました。鹿沼南高校の生徒が稲作から酒造り、ラベル作り、販売までを学ぶ授業にも協力しています。2026年時点では、酒造り体験、酒蔵見学、麹を使った味噌づくり体験を開催しています。体験では小林社長が発酵について教室で授業を行い、そのあとで醸造所に移って洗米や仕込みの一部を体験します。

代表銘柄

池錦

池島酒造の代表銘柄で、平成23酒造年度と平成25酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。2016年から他の蔵への委託醸造が続きましたが、2024年に前蔵元の池嶋英哲さんの指導のもとで自蔵醸造が復活しました。大田原産の米を使い、仕込み水には旧池島酒造の水を用いて、普通酒の「辛口 池錦」、純米吟醸の「池錦 酒聖」、純米酒の「池錦 星の花」を仕込みました。県北の酒販店を中心に販売されました。

鹿沼娘

小林酒店がかつて自社ブランドとして販売していた酒で、2014酒造年度に菊の里酒造への委託醸造で本醸造が復活し、2年後には別の蔵への委託で純米吟醸も復活しました。現在は前日光醸造所の看板銘柄の一つです。米は商品ごとに異なり、本醸造は鹿沼市産イセヒカリ、純米吟醸は鹿沼市産米で、岡山県赤磐産の雄町を使う商品もあります。蔵の発表では、2026年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」メイン部門で純米吟醸が金賞を、「第17回雄町サミット」の歓評会で純米大吟醸の雄町40と雄町45が入賞しました。

前日光酒聖

事業承継のきっかけとなった「池錦 酒聖」の味わいに惚れ込んだ小林社長が、現代の技術と前日光のテロワールで「再生」させたと蔵が発表する純米吟醸です。2025年12月20日に発売した最初の商品は、麹米に鹿沼産の有機山田錦、掛米に大田原産の五百万石を使い、精米歩合55%、きょうかい酵母1801号で仕込みました。その後も数量限定品が続き、晩夏の特別純米は但馬強力100%・精米歩合60%、2026年10月発売の秋の純米吟醸は鹿沼産雄町100%です。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
醸造所に直売所があり、搾りたての日本酒を量り売りで買えます。営業は土日が10時から15時、平日が13時から15時で、平日は仕込み状況によって対応できないことがあるため事前の電話が必要です。定休日は不定休です。
補足
酒蔵見学、酒造り体験、味噌づくり体験のイベントを開催日ごとに受け付けています。所在地は鹿沼市上粕尾の旧上粕尾小学校です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
栃木県鹿沼市上粕尾393-1
創業
1907年
公式サイト
smallforest.co.jp

出典

sake-times.com / sakenomy.jp / exblog.jp / smrj.go.jp / navitime.co.jp / ameblo.jp / yokokura-uc.jp / sakestreet.com / yahoo.co.jp / smallforest.co.jp / shoukei.smrj.go.jp / seisansei.smrj.go.jp / shimotsuke.co.jp / jozo.or.jp / sakeworld.jp / sakagura-press.com / nta.go.jp / web.archive.org / nrib.go.jp

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