本文へ移動

中野光次郎酒造

代表銘柄:水龍

広島県

HIROSHIMA

1871年創業

中野光次郎酒造(屋号:中野光次郎本店)は、広島県呉市吉浦に所在する酒蔵です。代表銘柄は「水龍(すいりゅう)」で、1871年(明治4年)に創業しました。

仕込み水には蔵内の井戸水(超軟水)を使用しています。特徴的な伝統として、代々の当主(蔵主)が戸籍名を「中野光次郎」と改名・襲名継承してきた歴史を持ちます。また、手作業の省力化や効率化を目指す工夫として、酒タンクの底を斜めに傾斜させた特注タンクを取り入れるなどの取り組みを行っています。受賞歴としては、広島県清酒品評会で銘柄「水龍」が優等賞を計6回(第111・112・115〜118回)受賞しています。

中野光次郎酒造の歩み

明治4年(1871年)の創業で、広島県呉市吉浦に蔵を構える中野光次郎本店です。創業の物語は、初代の夢から始まります。当時の吉浦村に、村の自然を生かした事業を相談しあう五人の有志がいました。その中心にいた初代・中野光次郎の夢に、ある夜、龍が現れます。天上から降りてきた水の龍が吉浦の地に飛び込むと、そこから酒が絶え間なく湧き出しました。この夢をきっかけに吉浦の地に井戸を掘り、造り酒屋を興したのが水龍の始まりで、銘柄は夢にちなんで「水龍(すいりゅう)」と名づけられました。

のちに五人はそれぞれの道へ進みましたが、初代の志を一人が受け継ぎ、現在の中野光次郎本店につながっています。

この蔵では、社名と当主の名が創業以来そのまま受け継がれています。社長になる人は戸籍名を「中野光次郎」に改める習わしで、現在の四代目も、幼いころに戸籍名を改めて蔵を継ぐ道に入りました。代々の当主は、戦前戦後の浮き沈みのなかでも、吉浦の地酒であるという自負、自然の恵みを大切にする酒造り、地域への貢献という信念を守り、一本一本に愛情をもって丁寧に売るスタイルも、2018年時点まで守り続けられていました。

創業当時は三棟の蔵が建ち並ぶ約1,400坪の敷地でしたが、2023年時点では一棟に集約されています。高くそびえていたレンガ造りの煙突は、倒壊を防ぐために上半分が切り取られました。酒米をボイラーで蒸すため、煙突は不要になっています。創業の時代から繁盛したことは、地元の吉浦八幡神社に神殿の沓石を寄進し、そこに「中野光次郎」の名が刻まれていることからもうかがえます。

地域とのつながりも深く、2018年時点では、吉浦八幡神社のお神酒や、呉市の観音寺で毎年行われる火渡りの行事に水龍が使われていました。受賞では、広島県清酒品評会で銘柄「水龍」が優等賞を受けています。第111回、第112回、第115回、第116回、第117回、第118回の計6回で、第113回と第114回は受賞者名簿に名前がありません。コンテストでの評価より日々の晩酌で飲まれる味を大切にしてきた蔵で、蔵には昭和初期のものとみられる古い金庫が残り、テレビ番組の企画で開けられたこともあります。

酒造りの特徴

仕込みに使うのは、蔵の敷地内にある井戸の水です。蔵内には五つの井戸があり、水質検査を毎年行って、その年にもっとも適した井戸を選んで使います。吉浦の井戸は、かつて掘った深さがちょうどよく、それより浅くても深くても良質な水脈には当たらないという不思議な巡り合わせの土地です。湧き出る水は超軟水で、やわらかくデリケートな味わいの酒に仕上がります。

酒造りを担うのは、蔵主と杜氏を兼ねる四代目です。「一人で造る酒造り」を掲げ、人手に頼らず無理なく造れるように工夫を重ねています。そのひとつが、底を斜めに傾斜させた特注のタンクで、導入にあたってタンクをすべて新たに特注しました。かつてはタンクの底に残った酒を取り出すのに数人がかりでタンクを傾けていましたが、いまは傾けなくても取り出せます。こうした工夫は、2023年時点で約20年前から続けられていました。

定番の「黒松」は、水龍を代表する本醸造です。原料は国産米で、精米歩合は60%以下、アルコール度数は15度、日本酒度は±0で、創業以来変わらない地酒らしい旨口の味わいを目指しています。常温かぬる燗がおすすめで、和食全般によく合います。ラベルは龍と雲と水のうねりを表現したデザインで、中央上部が凸形になっているため、龍が飛び出して見えるのが特徴です。人間国宝の画家が手がけたという言い伝えがあります。「辛口本醸造」は、端麗な口当たりのあとに、ふんわりと旨味が立ち上るすっきりした酒です。

黒松のほかに、純米吟醸の「蒼龍」があり、2009年に初披露されました。本醸造原酒の「雲龍」は、アルコール度数18度の濃厚で芳醇な酒で、しっかり冷やすほか、ロックでも楽しめます。夏は「ひや」、冬は寒仕込みの「冬の酒」といった季節の原酒もあります。純米吟醸「椿露」は、ひろしまね園芸福祉協会と広島岳心会 野呂山学園の協力を得て開発・製造された酒で、2009年に経済誌で、2011年に中国新聞で取り上げられ、2018年時点では大和ミュージアムのショップで販売されていました。

無添加でノンアルコールの甘酒「わた雲」も手がけており、2011年に広島経済レポートで紹介されています。

代表銘柄

水龍

銘柄名は、創業者が夢に見た龍にちなんでいます。蔵内の五つの井戸の超軟水で仕込み、四代目が蔵主と杜氏を兼ねて造る、吉浦の地酒です。定番の本醸造「黒松」を軸に、辛口本醸造、純米吟醸「蒼龍」、本醸造原酒「雲龍」などがそろいます。黒松はぬる燗が向いています。広島県清酒品評会では第111回、第112回、第115回から第118回まで計6回、優等賞を受けています。

見学・購入

直売所
蔵に直売所があり、2022年には平日に開いていました。訪れる前に電話で確認すると確実です。
補足
2023年時点では、毎年2月に新酒しぼり会が開かれていました。開催の有無は事前にお問い合わせください。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県呉市吉浦中町2-7-10
創業
1871年
公式サイト
suiryu.hiroshima.jp

出典

sake-times.com / sakedata.jp / hiroshimalove.com / ameblo.jp / kotobank.jp / hiroshima.lg.jp / suiryu.hiroshima.jp / web.archive.org / sakenomy.jp / osake-style.com / pref.hiroshima.lg.jp / jp.sake-times.com / hatenablog.com / instagram.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。