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愛知酒造

代表銘柄:富鶴・直政

滋賀県

SHIGA

1869年創業

明治2年(1869年)に近江国愛知郡(現在の滋賀県)で創業し、昭和初期に現在の滋賀県愛荘町野々目へと移転した酒蔵です。代表銘柄は「富鶴(とみつる)」で、蔵は地元で愛される酒と位置づけています。「まじめ」に「一所懸命」造られた「素直」な酒を目指し、鈴鹿山系からの豊富な伏流水と地元産の酒米を酒造りの礎としています。酒米は商品ごとに選び分け、時間をかけて丁寧に熟成させ、繊細な甘さや旨味、酸味が調和した味わいを引き出しています。できたての新酒から熟成酒まで幅広く手掛けています。

主な受賞歴として、全国新酒鑑評会における平成29〜令和2酒造年度の4年連続入賞のほか、南部杜氏自醸清酒鑑評会での優等賞受賞、蔵の発表では第15回フェミナリーズ世界ワインコンクール熟酒部門における「純米大吟醸 瑞雲」の金賞受賞があります。Kura Master 2021では「富鶴 純米大吟醸 瑞雲」(現「紫雲」)が審査員賞・プラチナ賞、「トミツル 特別純米」(現「竹林」)がプラチナ賞を受賞し、2023年には「純米吟醸 滋賀GI」が純米酒部門で金賞を受賞するなど、国内外で評価を得ています。

愛知酒造の歩み

愛知酒造は、清酒「富鶴(とみつる)」を造る蔵元です。社名の「愛知」は「えち」と読み、滋賀県愛荘町野々目に蔵を構える有限会社です。明治2年(1869年)に、現在の滋賀県にあたる近江国の愛知郡で創業しました。昭和初期に現在の愛荘町野々目へ蔵を移し、昭和30年代には共同精米所が建てられています。

蔵は自らを「100石の小さな蔵」と称し、2021年の発表では、ほぼ機械に頼らず手作業で酒を造っているとしています。2019年から2021年の受賞酒は、岩手から来た南部杜氏の鎌田福三氏が手がけました。その後、杜氏は交代し、新しい杜氏の初作品として純米大吟醸「瑞雲」が仕込まれました。蔵は、代表銘柄の富鶴を地元で愛される酒と位置づけ、鈴鹿山系の伏流水、地元産の酒米、南部杜氏直伝の技を酒造りの礎に挙げています。2019年時点では地元の滋賀を中心に販売していました。

蔵は「まじめ」に「一所懸命」造った「素直」で飲みやすい酒をめざし、できたての新酒から熟成酒まで幅広く手がけています。

全国新酒鑑評会では、平成29酒造年度から令和2酒造年度まで4年連続で入賞しました。令和元酒造年度と令和2酒造年度の入賞酒は大吟醸「松」です。南部杜氏自醸清酒鑑評会では、平成26年(25酒造年度)に優等賞を受けたと蔵は発表しており、その後、令和元年の第100回記念大会で、吟醸酒の部の上位入賞工場14位に入りました。全国149場から767点が出品された大会で、蔵は優等賞が5年ぶり、上位入賞は初めてだったと発表しています。

蔵の発表では令和2年にも優等賞を受け、令和3年の第102回では大吟醸「松」が吟醸の部の優等賞となり、優等賞の3年連続を蔵にとって初の快挙と位置づけています。

海外にも出品を広げ、2018年11月にはロンドンのイベント HYPER JAPAN の Namazake Awards で8位に入りました。蔵にとっては初の海外進出で、参加者が選ぶ賞でした。2021年4月には、フランスで開かれた第15回フェミナリーズ世界ワインコンクールの日本酒熟成酒部門で、6年間貯蔵した純米大吟醸「瑞雲」が金賞を受けたと蔵が発表しました。

同年7月にパリで審査された第5回 Kura Master(審査員72名、出品960点)では、純米大吟醸酒部門で「富鶴 純米大吟醸 瑞雲」、純米酒部門で「トミツル 特別純米」がいずれもプラチナ賞を受賞し、2銘柄とも上位16銘柄に入りました。「瑞雲」は各部門のプラチナ賞受賞酒から1本ずつ選ばれる審査員賞も受けています。蔵はこの受賞を機に、名称とラベルを改め、前者を「紫雲」、後者を「竹林」としました。

2022年には、2021年に醸した「富鶴 特別純米」が IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2022の純米酒部門でブロンズメダルを獲得し、2023年には同年に造った純米吟醸の生酒2種(五百万石と吟吹雪)が IWC 2023 のコメンデッドに選ばれたと蔵が発表しています。同じ2023年の Kura Master では「純米吟醸 滋賀GI」が純米酒部門の金賞を受けました。2025年(令和7年)には、彦根藩初代藩主・井伊直政にちなむ新ブランド「直政」を立ち上げています。

蔵は、先祖が「赤備え」として直政に仕えたとされ、家紋も武田菱であることから、詳細はなお調べているとしつつ強い縁を感じていると、2025年に述べています。

酒造りの特徴

仕込み水は鈴鹿山系の伏流水で、お米もお酒もこの水で造っています。蔵は、酒の約8割は水でできているとして、雑菌がなく、鉄やマンガンを含まないことを酒造りに適した水の条件に挙げています。創業の地の水系は鉄分を含んで酒造りに向かなかったため、蔵ごと現在の場所へ移した経緯があり、先祖が酒造りにこだわって見つけた水で造る酒が富鶴だと説明しています。

原料米は酒ごとに使い分けています。現行の特別純米「竹林」は、地元滋賀の酒造好適米「吟吹雪」を100%使い、純米吟醸の生酒には五百万石を全量使ったものと吟吹雪を全量使ったものがあります。大吟醸「松」は、米を60%削ったものを全量使い、低温でじっくり醸して香りと酸味、甘味のバランスをとっています。

蔵は「杯がすすむきれいな酒」を目指し、時代にあった味にこだわっています。仕込むタンクによって味が少しずつ異なるうえ、同じタンクの酒でも商品にする際にその都度味を変え、さらに熟成で味が移ろうため、蔵は、同じ味の酒にはほぼ出会えないと説明しています。熟成酒にも力を入れており、2021年の発表では、「紫雲」と「竹林」は3〜5年の熟成を経て、杜氏が伝統的な方法で手間をかけて造った酒でした。大量生産が難しいため本数限定で、製造本数は「紫雲」が200本、「竹林」が120本でした。

新しい杜氏の初作品となった「瑞雲」は、蔵が「酵母次第醸成製法」と呼ぶ独自の製法で仕上げたとしています。

工程は、洗米、浸漬、水切り、蒸米、麹造り、酒母、櫂入れ、発酵、搾り、粕取りと進みます。新酒は2025年は12月24日に搾り、搾りたてのやさしい甘みがすっと消える、季節限定の新酒として料理に合わせる一杯と位置づけています。純米吟醸の生酒は搾ってから3日以内に瓶詰めされます。酒粕は酒粕漬けに向く生の酒粕として販売しており、酒粕漬けは地元で慣れ親しまれた食べ方です。

代表銘柄

富鶴

蔵の主力ブランドで、蔵は地元で愛される存在と位置づけています。大吟醸「松」、純米大吟醸「紫雲」「瑞雲」、特別純米「竹林」、辛口純米、純米吟醸の生酒など幅広く造り、「杯がすすむきれいな酒」を目指して酒米は商品ごとに使い分けます。タンクや熟成による味の違いも個性ととらえ、同じ味にはほぼ出会えないと蔵は説明しています。

直政

2025年に立ち上げた新ブランドで、彦根藩初代藩主・井伊直政にちなみ、蔵はプレミアムラインと位置づけています。「西の丸」は完全シリアル番号制の限定酒、「鐘の丸」は本醸造相当の造りで香りを控えめに仕上げた日本酒度+2の食中酒で、2025年12月時点では彦根城近くの四番町スクエアで販売され、彦根を訪れる人も気軽に楽しめます。

見学・購入

直売所
蔵(滋賀県愛知郡愛荘町野々目207)で購入でき、受付時間は8時30分から16時30分、土日祝日と年末年始は休みです。オンラインショップでも購入できます。直政の鐘の丸は、彦根城近くの四番町スクエアでも扱われています(2025年12月時点)。
補足
蔵見学は、2019年の東近江市と愛荘町をめぐる宿泊ツアーの見学コースや、2022年9月の蔵びらき、2026年5月の旅行企画などに合わせて行われてきました。2022年9月の蔵びらきは10年ぶりで、完全予約制で開かれ、蔵見学と試飲、酒粕の販売がありました。2026年5月9日には、びわこビジターズビューロー主催の日帰り旅行で彦根城の散策と蔵見学、試飲が組まれました。車では湖東三山インターチェンジから南へ約10分、近江鉄道の愛知川駅からタクシーで約5分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
滋賀県愛知郡愛荘町野々目207
創業
1869年
公式サイト
www.tomitsuru.co.jp

出典

sakenomy.jp / tomitsuru.co.jp / aisho.or.jp / tabechoku.com / smout.jp / kuramaster.com / nrib.go.jp / tomitsuru.myshopify.com / town.aisho.shiga.jp

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