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小山酒造店

代表銘柄:越後自慢・醸し香・潟の井

新潟県

NIIGATA

1830年創業

新潟県上越市大潟区に蔵を構える小山酒造店は、江戸時代の天保年間(1830〜1844年頃)に創業した酒蔵です。新潟県内でも非常に海岸線に近い場所に位置しており、仕込み水には砂丘地帯で自然ろ過された伏流水を使用しています。

昔ながらの丁寧な手造りにこだわり、全量を佐瀬式の槽搾りで搾り、全ての酒で「瓶燗火入れ」を行っているのが大きな特徴です。主な銘柄には「越後自慢」「松風酔月」「人魚の里」「潟の井」などがあります。

2021年には、発酵技術を有する株式会社バイオテックジャパンが事業を承継し、現在は株式会社小山酒造店として酒造りを続けています。伝統的な手造りの製法を継承しつつ、同社によると、お米に含まれるタンパク質(雑味の要因)を精米で磨き落とすのではなく、植物性乳酸菌の発酵によって低減させる独自製法を取り入れた新ブランド「醸し香(かもしか)」を発表するなど、新しい酒造りにも取り組んでいます。

小山酒造店の歩み

小山酒造店は、新潟県上越市大潟区の土底浜にある酒蔵です。最寄りは信越本線の土底浜駅で、無人駅に降り立つと風に潮の匂いがします。駅から国道8号を渡って海へ向かうと、松林に囲まれた蔵が見えてきます。松林の向こうはすぐに日本海で、新潟県でも数少ない海岸線に近い酒蔵です。近くには鵜の浜温泉があり、目の前は海水浴場になっています。

創業は江戸時代の天保年間(1830〜1844年)で、創業の詳しい経緯は分かっていません。2024年時点で創業から180年ほどの歴史がある蔵で、9代目当主は小山伸一さんです。小山さんは農大を卒業するとすぐに蔵へ戻り、酒造りの現場に入りました。先代の杜氏は名杜氏でしたが、高齢で引退するにあたり、これからは経営者が自ら酒造りをするべきだと助言を受け、蔵元杜氏の道を選びました。親の時代には黙っていても酒が売れたといい、小さな酒蔵が生き残るための選択でもあったと振り返っています。

その後、後継者が見つからず、蔵は一時廃業を決めていました。そこに名乗り出たのが、新潟県阿賀野市に本社を置く発酵技術のメーカー、株式会社バイオテックジャパンです。植物性乳酸菌を得意とする同社は、かねてより日本酒造りに関心を持っており、2021年に同社が事業を承継しました。蔵は株式会社小山酒造店として酒造りを続けており、日本酒造組合中央会の酒蔵情報では代表者は江川穣さんです。承継後も、江戸時代から続く手作りの酒造りは変えず、2024年時点では小山さんが顧問として後進の育成にあたっています。

事業承継をきっかけに生まれた新ブランドが「醸し香(かもしか)」です。低たんぱく米を使った酒造りの完成までの道のりは、2022年7月8日付の日本経済新聞で取り上げられました。2022年秋には新ブランドとして初お披露目され、「越後・謙信SAKEまつり」でも販売されました。2023年2月号の日経TRENDYにも掲載されています。2023年3月11日と12日の酒の陣には小山酒造店として出展し、同年3月の時点ではイベントでしか販売していない銘柄でした。

2024年時点では、代表銘柄の「越後自慢」で伝統的な味を守りながら、新ブランド「醸し香」との両輪でファンを増やしています。「越後自慢」のほかにも、特別本醸造の「人魚の里」や純米吟醸の「松風酔月」、普通酒の「潟の井」といった銘柄を醸しています。事業承継を経ても変わらぬ酒造りと新しい酒造りで「お客様に驚きと感動を与える」ことをテーマに掲げています。

酒造りの特徴

小山酒造店では、すべての工程を手作業で行っています。原料処理には和釜と甑を使い、製麹は箱で行い、麹は全量を手作りしています。仕込みは小タンクでの小仕込みで、蒸米も人手で掘り起こします。もろみの温度が上がったときは、タンクの下に雪を敷いて熱を冷ますといい、冷房設備に頼らない寒仕込みで酒を造っています。

搾りは全量が佐瀬式の槽搾りです。酒袋にもろみを詰めて槽に積み重ねる昔ながらのやり方で、圧力をかける前にまず自然圧で搾ります。すぐに圧力をかけると酒袋が崩れてしまうためで、手間も時間もかかりますが、普通酒やカップ酒まで槽搾りで仕上げています。

火入れは全量が瓶燗火入れです。瓶詰めしてから湯煎で殺菌する方法で、蔵元は「うちではずっと瓶燗火入れですよ。瓶が使われるようになってから」と話しています。瓶詰めも機械を使わずに手詰めで、ラベル貼りも3点貼りまですべて手貼りです。

仕込み水は自家井戸から汲み上げる地下水で、砂丘地帯の伏流水です。軟水のため、きめ細かい舌触りとふくよかな味わいの酒になります。米は五百万石と山田錦が主体で、麹には普通酒でも好適米を使います。上越には甘口系の酒が多いなか、小山酒造店は料理に合う、すっきりとした後味の食中酒を信条としています。新ブランド「醸し香」では、同社によると、米のたんぱく質を精米で磨き落とすのではなく、植物性乳酸菌の発酵技術によって低減させる独自の製法を採っており、米を無駄にせず甘みと旨みを活かしながら雑味のない味わいを目指しています。

代表銘柄

越後自慢

小山酒造店の代表銘柄で、上撰本醸造の「越後自慢」が看板です。蔵元が薦める「からくち本醸造」は日本酒度が+5で「からくち」をうたいますが、軟水の仕込み水のために芳醇で優しい風味があり、旨みとキレのバランスが取れた一本です。全量槽搾り、全量瓶燗火入れという蔵の手法で仕上げる、伝統的な味を守る銘柄です。

醸し香

事業承継をきっかけに2022年秋に披露された新ブランドです。代表の「純米 醸し香 翠」は原料米が五百万石、精米歩合90%、アルコール度数14%で、濃厚な甘みとシャープな酸味、ふくよかな香りが特徴です。「吟醸 醸し香 藍」について蔵では、発酵でたんぱく質を低減させる独自製法と従来の吟醸造りを組み合わせた製法で、すっきりとした甘みと切れのある酸味、フルーティーな香りを持つと説明しています。

潟の井

「越後自慢」とともに、小山酒造店の代表銘柄の一つとなる普通酒です。2021年時点では、原料米は五百万石、アルコール度数は15.3度で、淡麗うま口のすっきりとした味わいでした。燗でも冷でも楽しめ、料理との相性もよい、晩酌向きの酒です。蔵の全量槽搾り、全量瓶燗火入れという手法で造られています。

見学・購入

補足
最寄りは信越本線の土底浜駅で、駅から国道8号を渡って海へ向かった松林の中に蔵があります。近くには鵜の浜温泉があり、目の前は海水浴場です。2022年秋の「越後・謙信SAKEまつり」と2023年3月の酒の陣に出展しました。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
新潟県上越市大潟区土底浜3627
創業
1830年

出典

youtube.com / niigata-sake.or.jp / niigata-sake.net / sakedata.jp / sakagura-press.com / biotechjapan.co.jp / yukiguni-journey.jp / joetsu.yukiguni.town / sake-niigata.com / sakeno.com / sakenomy.jp

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