明石酒類醸造
代表銘柄:明石鯛
兵庫県
HYOGO
1856年創業
兵庫県明石市に所在し、代表銘柄は「明石鯛(AKASHI-TAI)」です。江戸時代末期の1856(安政3)年に醤油製造や両替商として創業し、1918(大正7)年に明石酒類醸造株式会社を設立しました。1960年より清酒「明石鯛」の製造・販売を開始しています。清酒「明石鯛」はすべて兵庫県産米を使用し、伝統の手造りを基本に仕込まれています。国内で苦戦した後、2005年から海外市場を開拓し、2022年時点では売り上げの9割以上を海外が占めています。
2017年にはウイスキーとスピリッツの製造免許を取得して「海峡蒸溜所」を設立し、1984年からのリキュールとあわせ、日本酒以外の酒類にも注力する総合酒類メーカーとしての側面も持ちます。2022年には試飲やセミナーを開催できる「明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター」を開設しました。
明石酒類醸造の歩み
明石酒類醸造は、明石海峡を望む兵庫県明石市に蔵を構える酒造会社です。1856(安政3)年に創業し、江戸時代末期には醤油の製造や両替商、米穀商を営んでいました。1918(大正7)年に明石酒類醸造株式会社を設立し、焼酎とみりんの製造販売を始めました。1941年には合成酒の製造販売を始め、1945年に明石醗酵工業株式会社へ社名を改めましたが、同年の夜の空襲で工場が全焼しました。翌1946年に建物を再建し、2006年に社名を明石酒類醸造株式会社へ戻しています。
清酒とアルコールの製造販売を始めたのは1960年で、「明石鯛」シリーズもこのときに始まりました。1984年にはリキュールの製造販売を始めています。1995年の阪神・淡路大震災では事務所が全壊し、多くの商品が破損して流通も止まりました。蔵は全壊を免れたものの麹室などが倒壊しています。翌1996年には「明石鯛」の吟醸酒の製造販売を始めました。戦災と震災を経て、1万石以上あった生産能力を大幅に縮小して吟醸酒へ軸足を移しましたが、国内では知名度を上げられず苦戦しました。
そこで代表取締役の米澤仁雄氏は、ブランドではなく味で勝負できる海外に目を向けます。2005年に日本貿易振興機構(JETRO)主催の国際展示会へ「明石鯛」を初めて出展し、欧州やアジアの展示会にも参加しました。英国では大都市ではなく、競合のない中小都市の小売店や飲食店から地道に取引を広げています。2022年時点では、欧州、アジア、米国など35か国に年間約9万ケースを輸出し、売り上げの9割以上を海外が占めています。
英国のキュナード社が所有するクルーズ船や高級レストランにも納めており、クイーン・エリザベス号でも扱われています。
蔵の発表では、全国新酒鑑評会で1996年と2000年に大吟醸「明石鯛」が金賞を受けています。2013年時点では、蔵が目指す酒造りと鑑評会の評価法がかけ離れたとして、2回目の金賞以降は出品を見合わせていました。海外では、2006年と2007年にベルギーの国際食品コンクールiTQiで純米大吟醸「明石鯛」が3つ星、2008年にモンドセレクションで純米大吟醸が最高金賞、2010年と2011年にも金賞を受けています。
2018年以降は、フランスの日本酒コンクールKura Masterで2025年度までに7件を受賞し、プラチナ賞は2018年度の純米80、2020年度の純米大吟醸原酒、2022年度の特別純米酒、2025年度の「キュナード 特別純米原酒」です。蔵の発表ではほかに、ワイングラスでおいしい日本酒アワードの最高金賞(2023年は大吟醸原酒、2025年は純米大吟醸原酒)やフェミナリーズ世界ワインコンクールの金賞(2020年から2024年まで毎年)も受けています。
全国燗酒コンテストでは、2022年にプレミアム燗酒部門で特別純米酒と特別本醸造酒がそろって金賞、2024年と2025年にはプレミアムぬる燗部門で特別純米酒が金賞でした。2025年のIWSCでは純米大吟醸原酒が金賞(95点)を受けています。
2009年に船上町から現在地の大蔵八幡町へ酒蔵を移し、直売所「酒笑本館」を開きました。2017年にはウイスキーとスピリッツの製造免許を取得して酒蔵の隣に海峡蒸溜所を設立し、蒸溜を始めています。2021年には「東経135度兵庫ドライジン」を国内で発売し、2022年には酒蔵と蒸溜所を訪れる人のためのビジターセンターを開設しました。
酒造りの特徴
「明石鯛」はすべて兵庫県産米で仕込みます。酒米の王様と呼ばれる山田錦のうち、最高級の品質で収穫できる小野市・吉川町産を厳選し、純米大吟醸原酒、大吟醸原酒、特別純米酒には100%使用しています。特別本醸造原酒は兵庫県産の五百万石で仕込みます。米の種類、精米歩合、酵母、麹菌、水、仕込歩合、仕込みの経過といった要素を掛け合わせ、酒ごとに個性を持たせる考え方です。
2009年の蔵の移転にあわせて空調を整え、温度管理のできる細長い小型タンクを特注し、四季醸造に切り替えました。手間を惜しまず伝統の手造りを基本に、日本酒の常識を打破する酒造りに挑み続けています。
純米大吟醸原酒は精米歩合38%の山田錦を使い、1か月半かけて発酵させます。大吟醸原酒も精米歩合38%で、低温で1か月じっくり発酵させます。特別純米酒は精米歩合60%の山田錦です。純米80は山田錦を80%までしか磨かず、熟成させることで酸などを旨味に変えるという考えから生まれた純米酒で、五年熟成の琥珀色のお酒です。低精米の酒の先駆けだと蔵は自負しています。
玄米山田錦は、掛米を磨かずに玄米のまま、麹米は80%に磨いて仕込む純米酒で、蒸す工程から通常の酒とは異なります。しぼりたては酸が多く、2、3年の熟成で酸が旨味に隠れていくといい、海外向けで現在は国内では発売されていません。純米大吟醸原酒、大吟醸原酒、特別純米酒の「明石鯛」と、「キュナード」を冠した特別純米原酒、純米大吟醸原酒は、兵庫県産山田錦だけを使う日本酒に与えられる地理的表示「GIはりま」の指定商品です。
代表銘柄
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明石鯛
明石海峡の鯛にちなんだ蔵の看板銘柄で、清酒はすべて兵庫県産米で仕込みます。純米大吟醸原酒と大吟醸原酒は精米歩合38%の山田錦、特別純米酒は同60%の山田錦、純米80は同80%で、純米大吟醸原酒、大吟醸原酒、特別純米酒はGIはりまの指定商品です。Kura Masterでは2018年度の純米80、2020年度の純米大吟醸原酒、2022年度の特別純米酒がプラチナ賞を受けています。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- ビジターセンター内の店舗で、公式オンラインショップと同じ商品を販売しています。ビジターセンターの営業時間は10時から17時30分、定休日は火曜日です。
- 補足
- 酒蔵見学ツアーは予約制で、20歳以上が対象です。定員は各回8名、所要は約60分で、見学後にビジターセンター限定のしぼりたて無濾過生原酒を試飲できます。2026年11月開催分の料金は税込2,000円で、開催日はその都度、公式サイトのお知らせで案内されます。土日は職人が酒造りをする様子は見学できません。当日は納豆とキムチの飲食を控えるよう求められます。別に海峡蒸溜所の見学ツアーもあります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 兵庫県明石市大蔵八幡町1-3
- 創業
- 1856年
- 公式サイト
- www.akashi-tai.com
出典
goshu-pro.jp / akashi-tai.com / akashisakebrewery.com / akashi.lg.jp / sakenomy.jp / prtimes.jp / the-kansai-guide.com / web.archive.org / kuramaster.com / gi-harima.jp / harima-sake.jp / kobe-np.co.jp / diamond.jp / jwic.jp
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