勝屋酒造
代表銘柄:楢の露・沖ノ島・麓寿泉
福岡県
FUKUOKA
1790年創業
寛政2年(1790年)創業。福岡県宗像市の旧唐津街道・赤間宿に蔵を構え、代々宗像大社への信仰が篤く御神酒醸造元としても知られています。代表銘柄の「楢の露」は宗像大社のご神木である「楢の木」に由来して命名されました。また、歴史ある主屋と煙突は2015年に国の登録有形文化財に登録されています。
仕込み水には標高369メートルの城山山麓から湧き出でる、ミネラル豊かな伏流水を使用。蔵人数名の小さな蔵でありながら、伝統の技法と手造りの製法を守り、品質本位の酒造りを続けています。主な銘柄には「楢の露」のほか「沖ノ島」「麓寿泉」などがあります。
受賞歴としては、2025年に福岡国税局酒類鑑評会の純米酒の部で金賞を受けています。蔵の発表では、全国鑑評会での入賞歴があるほか、近年は福岡県酒類鑑評会でも金賞などに選ばれています。
勝屋酒造の歩み
福岡県宗像市の赤間にある、寛政2年(1790年)創業の酒蔵です。標高369メートルの城山の山麓に位置し、旧唐津街道の宿場町・赤間宿に面しています。初代の山本善市が勝屋を名乗り、年貢米による酒造りを始めたのが始まりで、大正15年に勝屋酒造合名会社として法人化されました。9代にわたって技と心が受け継がれています。
歩みは順調ばかりではなく、4代目当主の山本弥五郎の代にあたる明治6年頃には、筑前竹槍一揆の際に暴徒が蔵に乱入して打ち壊しの対象となり、休造を余儀なくされました。一方で、代々宗像大社への信仰が篤く、同社の御神酒も醸しています。主銘柄「楢の露」の名は、大社のご神木である楢の木にちなむもので、蔵が建立した永代献酒の誓碑が、いまも楢の木のそばに立っています。蔵では、この信仰が現在の安定した酒造りにつながったとしています。
2015年8月4日には、店舗兼主屋と煙突が国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。主屋は木造平屋一部2階建て・瓦葺きで、旧唐津街道に面して下屋を通し、外壁は漆喰塗込めです。右手に通り土間、左手に二列の居室を配した、宿場の面影を伝える造り酒屋の建物で、明治期(1883〜1897年)のものです。煙突は煉瓦造で高さ13メートル、イギリス積みを基本とし、酒造場らしいランドマークになっています。
毎年2月には酒蔵開放を行い、しぼりたての新酒の試飲、限定酒や酒粕、奈良漬、酒まんじゅうの即売などが並びます。蔵の発表では県内外から2万人を超える来場があり、同日開催の「赤間宿祭り」とともに、古い宿場町が人であふれる街の大きな催しになっています。2026年2月21日・22日の蔵開きでは、新商品のクラフト酒「勝屋 SAKE CRAFT」が発表される予定と、宗像市が案内しています。蔵の発表では、全国鑑評会での入賞歴など、品評会での入賞歴も数多くあります。
2025年には、福岡国税局酒類鑑評会の純米酒の部で金賞を受けています。蔵の発表では、同年の福岡県酒類鑑評会でも3部門で金賞に選ばれました。
酒造りの特徴
蔵の社是は「昔ながらの酒造りを継承する」ことです。蔵人数名の小さな蔵で、従業員は4名、年間約400石(72,000リットル)を仕込んでいます。仕込み水には、ミネラル豊かな城山の伏流水を使い、伝統の技法と手造りの製法で、品質本位の酒造りを続けています。
小さな蔵なので、仕込みのほとんどは人の手作業で行われます。温かい日も寒い日も、冬場でも毎日条件が変わるなかで、蔵人は微生物の声に耳を傾け、状況を全身で感じながら目標に向けて積み重ねていきます。酒造り期間中は蔵の中に緊張感がみなぎります。
主な商品は、しずくしぼりの純米大吟醸「麓寿泉」、純米吟醸酒「沖ノ島」、特別純米酒の「宗像のちから」などです。秋の「秋上がり」純米酒は、春に生まれた新酒を蔵で夏越しさせて熟成させたやや辛口の一本で、麹米・掛米ともに福岡県産米、精米歩合は70%、アルコール分は15度です。このほか、日本酒仕込みの梅酒や奈良漬も手がけています。
地元の米や人との結びつきも深く、2014年時点では、地元の契約農家3軒の酒米でそれぞれ仕込む純米酒の企画が蔵開きの人気商品でした。2012年から2013年にかけては、道の駅むなかたと農家の縫山ファームとともに、田植えから酒造りまでを体験できる「米作り・酒造り体験コース」も開かれ、農薬を抑えて育てた米で特別純米酒を仕込んでいました。2026年2月には、宗像産米と大島産甘夏を同時に発酵させる瓶内二次発酵のクラフト酒「勝屋 SAKE CRAFT」(330ミリリットル、900円)を、宗像市の補助金を活用して開発しました。
ラベルは大島で活動する井口真理子氏のデザインです。
代表銘柄
楢の露
蔵の主銘柄で、宗像大社のご神木である楢の木から名をいただいた酒です。蔵は同社の御神酒を長く納めており、永代献酒の誓碑も大社の楢の木のそばに残ります。2014年の蔵開きでは、純米大吟醸「楢の露」の生原酒の有料試飲に、麓寿泉とともに長い列ができました。
沖ノ島
宗像大社の沖津宮が祀られる「神宿る島」にちなむ銘柄で、純米吟醸、吟醸、本醸造の各タイプがあります。同年の福岡国税局酒類鑑評会では純米吟醸が純米酒の部で金賞を受けました。蔵の発表では、2025年の福岡県酒類鑑評会でも純米吟醸と吟醸が金賞に選ばれています。2019年時点の純米吟醸は、宗像産山田錦100%、精米歩合60%でした。
麓寿泉
城山の湧水への思いを酒名にした明治の銘酒を復元した、しずくしぼりの純米大吟醸です。2019年時点では福岡県産山田錦100%、精米歩合40%でした。蔵の発表では、2024年の福岡県酒類鑑評会で純米大吟醸の部の県議会議長賞、2025年の同会の同部門で金賞に選ばれています。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵の店頭でも購入でき、営業時間は9時から17時30分です。蔵元の公式オンラインショップでも購入できます。福岡市中央区の友添本店など、取り扱いのある酒販店もあります。
- 補足
- 蔵見学は要予約で、見学できるのは4月から9月末までです。10月から3月は仕込み期のため見学できません。団体は別途料金がかかるため、事前の相談が必要です。酒蔵開放は毎年2月の第3週か第4週の土日で、事前予約は不要です。2026年は2月21日・22日に赤間宿まつりとの同時開催が予定されていました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福岡県宗像市赤間4丁目1-10
- 創業
- 1790年
- 公式サイト
- katsuyashuzo.com
出典
katsuyashuzo.com / fukuokanosake.com / online.bunka.go.jp / nta.go.jp / city.munakata.lg.jp / web.archive.org
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