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藤崎摠兵衛商店

代表銘柄:長瀞

埼玉県

SAITAMA

1728年創業

享保13年(1728年)、近江商人の流れをくむ藤﨑宗兵衛光重が、現在の群馬県藤岡市にあたる十国街道の鬼石宿を拠点に創業した酒蔵です。昭和40年代に埼玉県寄居町へ醸造拠点を移し、経営不振により酒造りを一時休止したのち、鹿児島県の濵田酒造の支援を受けて事業を継承した新会社のもとで再建され、2018年に現在の埼玉県秩父郡長瀞町へ蔵を移転して「日本酒醸造研究所・長瀞蔵」を開蔵しました。

「埼玉でしか造れない地酒」を追求し、原料には埼玉県初の酒造好適米「さけ武蔵」など埼玉県産米のみを使用し、仕込み水には長瀞風布地区の湧水を用いるなど、オール埼玉にこだわった酒造りを行っています。代表銘柄は「長瀞」で、埼玉県産の食用米「彩のきずな」を使ったにごり酒なども手がけています。

受賞歴として、全国新酒鑑評会での金賞、関東信越国税局酒類鑑評会での優秀賞、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでの最高金賞、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でのリージョナルトロフィー(Gold)など、国内外で高い評価を受けています。

藤崎摠兵衛商店の歩み

藤﨑摠兵衛商店の創業は享保13年(1728年)にさかのぼります。近江国日野(現在の滋賀県蒲生郡日野町)の出身で、近江商人として各地に名を馳せた一族に連なる藤﨑宗兵衛光重が、中山道の脇往還にあたる十国街道の鬼石宿(現在の群馬県藤岡市鬼石地区)を拠点に、屋号「十一屋」を掲げて酒造業と行商を始めたのがその起こりです。

その後、昭和40年代に醸造の拠点を埼玉県寄居町へ移し、創業の地であった鬼石は群馬側の支店として残りました。寄居町時代の看板銘柄は「白扇」で、ほかに「氏邦」「扇の舞」などの日本酒、「彩の響」「琥珀の響」といった焼酎も手がけていました。

平成に入ってから日本酒業界全体の需要縮小や個人消費の落ち込みが重なり、経営は徐々に厳しさを増していきます。2014年には酒造りを休止する事態となりましたが、翌2015年、鹿児島県の濵田酒造から事業支援を受けて再建に着手しました。事業は、濵田酒造グループのもとで新たに設立された現在の株式会社藤﨑摠兵衛商店に引き継がれました。旧来の法人は社名を変更して清算手続に入り、2019年には特別清算開始命令を受けています。

再建の集大成として、2018年に寄居町から長瀞町へ酒蔵を移し、「日本酒醸造研究所・長瀞蔵」として開蔵しました。製造の中心を担ったのは、当時まだ30歳だった穐池崇さんです。新しい酒には、藤﨑摠兵衛商店が以前から商標を持ちながら限定的にしか使っていなかった「長瀞」の名を採用し、新しいデザインのラベルとともに送り出しました。

現在の代表取締役は竹迫昭人さんで、穐池さんは開蔵以来、杜氏として造りの現場に立ち続けています。酒米は埼玉県産のみを使い、蔵人も埼玉県民でまとめるという「埼玉でしか造れない地酒」へのこだわりのもと、2026年6月には自社のオンラインストアを開設し、これまで蔵での直売が中心だった「長瀞」を全国へ届ける体制を整えました。

酒造りの特徴

長瀞蔵の酒造りは、酒米に埼玉県産のみを用い、仕込み水には名水百選にも選ばれている長瀞風布地区の湧水を使い、蔵人も埼玉県民でそろえるという、オール埼玉の徹底にあります。中心となる「長瀞」は、精米歩合70%の純米酒、60%の純米吟醸、40%まで磨き低温で長期発酵させた純米大吟醸の三本柱で、いずれも埼玉県産の酒造好適米・さけ武蔵で醸されています。定番の純米酒と純米吟醸では、さけ武蔵の個性を生かして酸味を効かせ、食事に寄り添う後味に仕上げています。

純米大吟醸は、雑味のない澄み切った味わいの中に華やかな吟醸香と上品な甘みを広げる、特選の一本です。

季節限定では、日本醸造協会が頒布する赤色酵母を用いた「ながとろdiaryさくらにごり」を手がけています。酵母自らが生み出す色素で桜色に染まる純米にごり酒で、精米歩合70%のさけ武蔵を使い、アルコール分8度に仕上げた飲みやすい一本です。このほか、埼玉県が育成した食味の良い食用米「彩のきずな」を使った純米酒も手がけており、にごり酒や無濾過生原酒として仕込まれたこともあります。長瀞のさけ武蔵とは別の米で仕込むことで、埼玉県産米だけで多彩な酒質を追求する試みのひとつになっています。

長瀞町へ移る前から培ってきた「白扇」の酒質も、現行商品として造り続けています。純米大吟醸に加え、酒造好適米・五百万石を使った大吟醸50、純米吟醸、蔵元伝承の山廃仕込みの純米酒、本醸造酒までそろい、埼玉の酒の一翼を担っています。

品質の評価は、看板を「長瀞」に掛け替える前から積み重ねてきました。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度と平成15酒造年度に「白扇」で入賞し、平成26酒造年度には同じく「白扇」で金賞を受賞しています。長瀞町移転後は商標「長瀞」での出品に切り替わり、令和2酒造年度に入賞、令和6酒造年度にも入賞しました。

国内外のコンクールでも、2019年のロンドン酒チャレンジで純米大吟醸酒が金賞、純米吟醸酒と純米酒が銀賞を受けたのを皮切りに、Kura Masterでは2019年と2022年に純米大吟醸酒、2020年に純米吟醸酒で金賞を受賞しています。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは2020年と2021年に純米大吟醸酒で金賞、2022年には同酒で最高金賞を獲得し、2025年には純米吟醸直汲み無濾過生原酒で金賞を受けました。

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では2019年に純米酒でBronze、2021年に純米酒でリージョナルトロフィー(Gold)、2023年には純米大吟醸酒でSilverを受賞しています。関東信越国税局酒類鑑評会でも、2023年の第94回で純米酒の部の優秀賞、2025年の第96回で純米吟醸酒の部と純米酒の部の優秀賞を受けています。

代表銘柄

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長瀞

「長瀞」は、藤﨑摠兵衛商店が以前から保有しながら限定的にしか使っていなかった商標で、2018年の長瀞町移転を機に蔵の看板銘柄となりました。精米歩合70%の純米酒、60%の純米吟醸、40%まで磨き低温長期発酵させた純米大吟醸の三本柱を、埼玉県産の酒造好適米・さけ武蔵と長瀞風布地区の湧水のみで醸しています。Kura Masterやワイングラスでおいしい日本酒アワード、IWCなど国内外のコンクールで評価を受けています。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
長瀞蔵の売店棟での直売のほか、2026年6月に開設した公式オンラインストアを通じて全国へ発送しています。
補足
仕込み蔵は小窓越しに見学でき、タイミングが合えば麹室での作業も見られます。10名以上の団体見学は事前予約が必要です。定休日は火曜日と水曜日で、秩父鉄道長瀞駅から徒歩約10分の距離です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞1158
創業
1728年
公式サイト
nagatorogura.co.jp

出典

chichibuji.gr.jp / saisake.com / wikipedia.org / sakestreet.com / compalyze.co.jp / sakenomy.jp / nagatorogura.co.jp / shop.nagatorogura.co.jp / ja.wikipedia.org / jp.sake-times.com / alarmbox.jp / www.nagatoro.gr.jp / www.chichibuji.gr.jp / www.pref.saitama.lg.jp / sakenowa.com / yodobashi.com / nrib.go.jp

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