鈴木酒造
代表銘柄:万両・大手門・岩槻
埼玉県
SAITAMA
1871年創業
1871年(明治4年)に埼玉県さいたま市岩槻区で創業した酒蔵です。自家井戸の水を生かし、伝統の手造りを生かした酒造りを行っています。代表的な銘柄に「万両」をはじめ、「大手門」「瑞薫」「岩槻」などがあります。敷地内には「酒蔵資料館」が併設されており、明治時代から伝わる貴重な酒造道具や、浮世絵師の豊原国周が当時の酒造りの様子を描いた奉納額の写真パネルなどが展示されています。同蔵はさいたま市の伝統産業事業所にも認定されています。
受賞歴としては、全国新酒鑑評会で平成14酒造年度以降に金賞を6回(平成24酒造年度を含む)受賞しているほか、関東信越国税局酒類鑑評会でも優秀賞を重ねています。
鈴木酒造の歩み
鈴木酒造は、明治4年(1871年)に創業した酒蔵です。蔵があるのは、現在のさいたま市岩槻区本町にあたる地で、城下町として、また日光御成道の宿場町として賑わった岩槻の町なかです。岩槻は全国的に知られる人形のまちでもあり、蔵では、まちかど雛めぐりや重陽の節句のイベントの開催を案内しています。重陽の節句は、菊の花を添えた酒で無病息災や長寿を願う行事です。
蔵の敷地内には、酒造りの伝統を伝える常設の展示施設として酒蔵資料館があります。明治4年創業からの歴史的な資料や酒造りの道具が常時展示されているほか、現代の酒造りがわかるビデオコーナーや試飲コーナー、岩槻の地酒全商品を扱う直売店も併設しています。展示のなかでも目を引くのが、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、豊原国周の奉納額です。国周の年譜には、1880年(明治13年)の秋、草津で湯治をした帰りに岩槻で成田山の奉納額を描いたとあり、この奉納額は15枚で、当時の鈴木酒造での酒造りを描いたものです。
資料館には、その写真パネルが展示されています。また、酒蔵を改装したギャラリー「万両」は、個展などに使えるレンタルスペースとして、1階のミニギャラリー(12坪)と2階の本ギャラリー(18坪)を貸し出しています。蔵は、さいたま市から、地域の特性と深い関係のある伝統産業事業所として認定されています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に8回入賞し、そのうち金賞は6回です。金賞は平成14、17、18、20、22、24の各酒造年度で、平成17・18酒造年度は続けての金賞でした。平成21、23の両酒造年度は入賞です。入賞した銘柄は、いずれも「万両」です。平成14酒造年度より前については、蔵の発表では、平成2年と3年に開かれた鑑評会で金賞、平成4・8・12・13年に開かれた鑑評会で入賞しています。
関東信越国税局酒類鑑評会では、第72回(平成13年)と第74回(平成15年)に優秀賞を受け、第77回(平成18年)から第84回(平成25年)までは8回続けて優秀賞を受賞しています。第77回は常温審査の部、第78回(平成19年)は常温審査の部と燗審査の部、第79回(平成20年)は吟醸酒の部と燗酒の部、第80回(平成21年)は燗酒の部、第81回(平成22年)は吟醸酒の部と純米酒の部の両部門、第82回(平成23年)と第83回(平成24年)は吟醸酒の部での受賞です。
第84回(平成25年)の吟醸酒の部では、「万両大吟醸」が優秀賞を受けています。蔵の発表では、平成元年の第49回以降の優秀賞は通算22回です。
創業150周年にあたる2021年には、記念酒「究極のまるい酒 π」を発売しました。蔵は、数々の受賞歴のある「名匠6代目伝承の技」と、若手社員を含む全社員が総力を挙げて生まれた長期熟成の特別限定酒と位置づけています。
酒造りの特徴
酒造りの要となる水は、自家井戸の地下水です。この辺りの地下水は秩父水系の伏流水といわれ、軟水に近い硬水で、とてもまろやかで優しい水質だと蔵は説明しています。酒の約80%は水であることから、水を酒造りの重要な要素に位置づけています。
原料米には、主に山田錦と美山錦を使い分けています。「極上万両」には、兵庫県の特A地区で栽培された山田錦を使い、精米では米の表面に摩擦熱が上がらないよう、3昼夜(75時間)かけてゆっくりと丹念に削り、精米歩合35%まで磨きます。大吟醸の「大手門」や吟醸酒の「岩槻」、「白鶴城」は美山錦、純米酒の「大手門」は山田錦と美山錦、冬の「初しぼり」は朝の光と、商品ごとに米を選んでいます。
製造の流れは次のとおりです。蒸し米に黄麹菌を植えて麹を造り、米のデンプンを糖化させます。蒸し米と水、麹に酵母を加えて酒母(もと)をつくり、その酒母に蒸し米、麹、水を加えてもろみを仕込みます。20日ほどかけて発酵を終えたもろみは圧搾機でしぼられ、酒と酒粕に分けられます。しぼった新酒は、濾過と火入れで殺菌を行い、貯蔵します。蔵は、伝統的な手造りのよさを生かし、高品位の吟醸酒に力を入れているとしています。
酵母の面では、埼玉県産業技術総合センターと理化学研究所が埼玉県酒造組合との共同研究で、重イオンビーム変異誘発技術を用いて開発した吟醸酒用の新しい清酒酵母を使った清酒「仁科誉」は県内の3蔵から販売されており、鈴木酒造は吟醸本生を担当しています。この酵母は、華やかな香りで酸度が小さく、軽快な味に仕上がるのが特徴です。
代表銘柄
万両
蔵の代表銘柄です。「万両 大吟醸」は原料米が山田錦、精米歩合35%、日本酒度は+5.0で、優雅な香りとなめらかなふくらみの広がる大吟醸です。「万両 超特選」は山田錦を38%まで磨き、日本酒度+5.0で、かろやかで上品な味わいと豊かな香りが優雅にひろがります。全国新酒鑑評会では、この銘柄で平成14酒造年度以降に6回の金賞を受けています。冬には「初しぼり」の生原酒も出ます。
大手門
大吟醸から特別本醸造、純米酒、無濾過原酒まで幅広く揃う銘柄です。大吟醸は美山錦を45%まで磨いて日本酒度+5.0、やわらかな香りとのどごしのよいふくよかな味わいです。純米酒は山田錦と美山錦を52%まで磨いて日本酒度+5.0で、まろやかな酸味と香りがふくよかなうまみと調和します。特別本醸造は美山錦55%で日本酒度+6.0の辛口です。「大手門 生吟醸」は美山錦55%で日本酒度+3.0、フルーティな香りと本生の新鮮な味わいが特徴です。
岩槻
蔵のある町の名を冠した銘柄です。「吟醸酒 岩槻」は美山錦を55%まで磨き、日本酒度は+3.0で、吟醸の香りとふくいくとした味わいが特徴です。香りと味のバランスが良いと蔵は説明しています。「吟醸いわつき生貯蔵」は美山錦60%で日本酒度+5.0、調和のとれたやわらかな香りと静かな味わいで、蔵はトマトとの組み合わせを勧めています。純金入りの商品もそろえています。
瑞薫
「瑞薫 大吟醸超特選」は山田錦を40%まで磨き、日本酒度+6.0の辛口に仕上げています。華やかな果実の香りと気品のあるすっきりとした味わいで、蔵は夏のうなぎとの組み合わせを勧めています。蔵の分類は辛口で淡麗な飲み口です。香りの華やかさとすっきりとした後味の両方を楽しめる大吟醸です。
吟の輝き
「吟の輝き 純米大吟醸」は山田錦を35%まで磨き、日本酒度は+3.0です。成熟したうまみが上品な香りと一体になった美酒で、蔵は正月の席に合わせる一本として案内しています。「万両 大吟醸」と同じく、山田錦を精米歩合35%まで磨いています。蔵の分類では、甘口と辛口の中間で、やや淡麗な飲み口です。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 酒蔵資料館に、岩槻の地酒の全商品を扱う直売店と試飲コーナーを併設しています。営業時間は10時から17時、定休日は月曜日です。インターネットの通販サイトでも購入できます。
- 補足
- 酒蔵資料館の入館料は一般100円、大学・高校生50円、中学生以下は無料です(2022年1月改定)。年末年始は休業します。酒造りの現場の見学は受け付けていません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 埼玉県さいたま市岩槻区本町4-8-24
- 創業
- 1871年
- 公式サイト
- www.sakekura.net
出典
saitama-dentousangyou.com / saitamaresona.co.jp / saisake.com / sakekura.net / sakenomy.jp / japansake.or.jp / creema.jp / stib.jp / experienceeastjapan.jp / saketime.jp / visitsaitamacity.jp / sai-hataraku.jp / compalyze.co.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp
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