SAKE BREWERY — MIE

河武醸造

三重県多気郡多気町五桂234 1857年創業

紹介

三重県多気郡多気町に位置する安政4年(1857年)創業の酒蔵です。当初は味噌・醤油の醸造事業から操業を開始し、後に清酒醸造を行うようになりました。仕込み水には宮川水系の地下水を使用しています。

代表銘柄には、伊勢神宮の神木に由来し長年地元で親しまれてきた「鉾杉」のほか、酒米「伊勢錦」の突然変異で生まれた希少米「弓形穂(ゆみなりほ)」を使用したブランド「式 SHIKI」、社名を冠した「KAWABU」などがあります。伝統的な仕込みを守りつつ、国内外へ向けた新しいブランド展開にも取り組んでいます。主な受賞歴として、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2021での普通酒部門トロフィー(グレートバリューサケ)獲得や、Kura Master 2021の純米大吟醸酒部門プラチナ賞受賞などが確認されています。

歴史

河武醸造は安政4年(1857年)、三重県多気郡多気町の紀州街道沿いの山里で創業しました。創業当初から味噌・醤油など麹を用いた食品全般を手掛けていたことから、清酒醸造を始めた後も「酒造」ではなく「醸造」を社名に冠しています。社名「河武」は、蔵元一族である河合家の「河」と、代々の蔵主が襲名してきた「武八」の「武」を組み合わせたものです。現在は八代目にあたる河合秀彦氏が代表取締役社長を務めています。

蔵があるのは、伊勢神宮の禊川である宮川と櫛田川に挟まれた、紀州街道沿いの山里です。仕込み水には、伊勢神宮に縁の深い宮川水系の地下水を使用しており、水質調査で十数回にわたり日本一に選ばれたと伝えられる清らかな水が酒の土台になっています。敷地内には「二ツ井」と呼ばれる湧水もあり、伝承では9世紀に弘法大師(空海)が掘ったと伝えられています。

近年の看板ブランド「式 SHIKI」は、伊勢神宮で約1300年にわたり続けられてきた式年遷宮の根底にある「常若(とこわか)」の思想、すなわち古いものを作り替えて常に若々しく保つという考え方に着想を得て立ち上げられました。米も酵母も時代に合わせて造り替えるという姿勢を、酒造りそのもので体現しようとするブランドです。式 SHIKI の最上位ラインである RICH・FRESH には、専用の酒米「弓形穂(ゆみなりほ)」が使われています。弓形穂は、山田錦の祖先とされる三重県在来の酒米品種「伊勢錦」の突然変異から生まれた品種で、先代の蔵主が地元農家や三重大学生物資源学部、多気町営農組合と協力して固定・栽培を進めてきました。世界でこの酒米を用いて醸造しているのは河武醸造のみとされています。

2022年には、現代的な暮らしに向けた新ブランド「KAWABU」も立ち上げられました。「多様性」をテーマに、伊勢の自然や信仰に根差した蔵の歴史的背景を受け継ぎながら、日々の感情や瞬間に寄り添う一杯を目指すブランドと位置づけられています。

酒造り

仕込み水には、伊勢神宮に縁の深い宮川水系の地下水を用いています。酒米は、独自品種の「弓形穂」に加え、三重山田錦・三重五百万石・神の穂など三重県産米を中心に使用し、看板銘柄「鉾杉」では山田錦・五百万石・多気町産弓形穂(新酒造好適米認定品)なども使い分けています。

2021年には英国のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)純米酒部門でシルバー、フランスのフェミナリーズ純米酒部門でゴールドを、いずれも「鉾杉 山廃仕込み純米酒」で受賞しています。また、IWC普通酒部門では「鉾杉 秀醇」がゴールドおよびグレートバリューサケ(GVA)チャンピオンを受賞しています。

弓形穂を用いた鉾杉の代表的な純米吟醸ラインでは、精米歩合50%、アルコール分16%、日本酒度+4、酸度1.3、アミノ酸度0.6という設計で、自社の酵母系統B-33を用い、フレッシュでフルーティな香りと丸みのある味わい、すっきりとした後味に仕上げています。

公式サイトでは、同じ季節・同じ原料・同じ製法であっても仕上がりが毎回同じにはならないのが酒造りであるとし、最終的には人の手と感覚による見極めが欠かせないという姿勢が示されています。

蔵データ

所在地

三重県多気郡多気町五桂234

創業

1857年(三重県)

公式サイト

kawabu.jp

代表銘柄

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KAWABU:2022年に立ち上げられた、現代的な暮らしに向けた新ブランドです。「多様性」をテーマに、Upper・Smart・Natural・Chill・Flatなど複数のラインを展開し、軽やかな飲み口で日々のさまざまな感情や瞬間に寄り添う一杯を提案しています。伊勢の自然や信仰に根差した蔵の背景を受け継ぎつつ、現代の暮らしに合わせた新しい日本酒を目指しています。

SHIKI:伊勢神宮の式年遷宮に息づく「常若」の思想を酒造りに体現したブランドです。最上位ラインのRICH・FRESHには、山田錦の祖先とされる「伊勢錦」の突然変異から生まれた希少な酒米「弓形穂」を使用しており、世界でこの米を醸造しているのは河武醸造のみとされています。精米歩合や熟成期間、ブレンド比率を変えた複数の味わい展開があります。

鉾杉:伊勢神宮神域に立つ、鉾のような形をした杉の神木にちなみ、昭和初期から用いられてきた看板銘柄です。山廃仕込み純米酒に代表される燗上がりするコクと深みから、純米大吟醸・本醸造・普通酒まで幅広くそろえており、山田錦・五百万石・弓形穂など三重県産米を使い分けています。しぼりたて原酒やにごり酒など、季節限定品もそろいます。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

補足

蔵見学は条件付きで可能です。5月から10月は昔ながらの製造場見学、11月から4月は仕込み見学が中心となり、見学時間は夏期40〜60分、冬期50〜90分です。受け入れは最少2名から最大40名まで、参加費は1人500円(お土産付き)で、電話またはFAXで1週間前までの予約が必要です。所在地はJR多気駅から車で約10分、JR佐奈駅から徒歩約15分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

hokosugi.com / japansake.or.jp / gi-mie.jp / kawabu.jp / sakagura-press.com / oishiisake.jp / shiki-sake.com / m-cci.or.jp

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