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奥羽自慢

代表銘柄:吾有事・奥羽自慢

山形県

YAMAGATA

1724年創業

山形県鶴岡市に所在する奥羽自慢株式会社は、1724年(享保9年)創業の佐藤仁左衛門酒造場を前身とする酒蔵です。後継者不足や経営不振により2009年に酒造りを休止していましたが、同県の楯の川酒造の支援を受けて2012年11月に酒造りを再開し、2013年に同社社長の佐藤淳平氏が奥羽自慢株式会社を設立、2014年に事業を引き継ぎました。

代表銘柄には既存の「奥羽自慢」のほか、2017年にリリースされた新シリーズ「吾有事(わがうじ)」があります。「吾有事」という名称は道元禅師の言葉に由来し、「時を忘れ理想の酒造りに没頭する」という気概が込められています。山形県産米を使い、若手メンバーが中心となって酒造りを手掛けています。また、日本酒にとどまらず日本ワインブランド「HOCCA(ホッカ)」を展開して果実酒醸造も行うなど、伝統と新たな挑戦を兼ね備えたものづくりを行っています。

奥羽自慢の歩み

奥羽自慢株式会社は、山形県鶴岡市の上山添に蔵を構える酒蔵です。前身は庄内地方で1724年(享保9年)に創業した佐藤仁左衛門酒造場で、本家が神主を務めていたことから、分家が神様に捧げる御神酒を造り始めたのが酒蔵としての始まりでした。戦後は大手酒造メーカーへの桶売りを主体にしながら、自社銘柄「奥羽自慢」を地元向けに販売し、1000石前後を生産していました。1970年代のオイルショック以降は、醸造量が少しずつ減っていきました。

平成の半ばには、品評会でも実績を残しています。全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度から平成18酒造年度まで4年続けて「奥羽自慢」が金賞を受賞し、平成19酒造年度も入賞しました。東北6県の蔵を対象にした仙台国税局の東北清酒鑑評会でも、平成16年、17年、18年、21年に優等賞を受けており、平成18年と21年は吟醸酒の部での受賞です。

しかし2009年、経営不振と後継者不足から酒造りを完全に停止します。清酒の製造免許は、造りを休む年が3年続くと返上しなければならず、蔵は廃業の瀬戸際に立たされました。そこへ支援を申し出たのが、同じ庄内の酒田市にある楯の川酒造の社長、佐藤淳平さんです。蔵人を派遣して造りを手伝い、2012年11月に3年ぶりの仕込みが行われました。最初の年は税務署の指示で300石を仕込む必要があり、普通酒だけを造りました。翌年は純米酒のみを60石に絞り、3年目からは純米吟醸酒を含む200石を醸すようになりました。

2013年7月1日には佐藤さんが奥羽自慢株式会社を設立し、2014年に佐藤仁左衛門酒造場(個人事業主)から酒造業が事業譲渡されました。代表取締役は佐藤淳平さんが務めています。引き継いだ当初の酒は、香りを抑えた辛口で燗向きの味わいでしたが、新しいお客さんの獲得は思うように進みませんでした。そこで2017年、造りの体制を大きく改めます。楯の川酒造から当時26歳の阿部龍弥さんが製造責任者に抜擢され、全量純米の新銘柄「吾有事」が誕生しました。

2017年には果実酒とリキュールの製造免許も取得し、2018年に日本ワイン「HOCCA」を発売、2021年にはワイナリーを建設しました。蔵は2021年に単年度黒字を達成しています。2022年夏の国際コンペティションIWCの日本酒部門では、同蔵が醸した純米大吟醸が、それを自社ブランドとして販売する2社それぞれの出品でローカルトロフィーに選ばれました。2024年7月には創業300周年を祝うイベントが開かれ、予想を上回る地域の人々が集まりました。

翌2025年2月には、鶴岡の歴史や文化をモチーフにした新シリーズ「wagauji」が登場しています。

酒造りの特徴

造りは少人数・少量仕込みで、2020年時点の年間製造量は約170石でした。2017年の取材では仕込みタンクは6本で、おおよそ5日に1本のペースで仕込んでいました。原料米は多くの商品で山形県産米を100%使っています。2020年時点では酒米を契約農家から仕入れており、酒造好適米の出羽燦々と美山錦を、慣行栽培米から農薬をできるだけ使わない特別栽培米へ切り替えていました。仕込み水は朝日連峰の雪解け水で、2017年の時点では井戸からポンプで汲み上げ、フィルターにかけて使っていました。

「吾有事」の味づくりでは、山形の酒に多い酸の少ない吟醸型とは違う方向をめざしました。阿部さんの2造り目からは、麹菌が米の表面に広がる総破精の麹と、二段目に入れる麹米の大半を一段目に移す変則三段仕込みを採用し、甘味と旨味と酸味のバランスをとった酒に仕上げました。2022酒造年度の製麹からは、麹づくり2日目に麹を攪拌する仲仕事をやめ、雑菌が少なく雑味の出にくい麹づくりに切り替えました。2017年には酵母を協会7号から6号に切り替え、固まった麹米をほぐす作業を機械から手作業に改めました。

洗米では、洗米機から出た米を網で受けて別のシャワーですすぎ、糠が米に再び付着しないよう工夫しました。

搾りには、2017年の時点では昔から使っているヤヱガキ式の搾り機を使っていました。機械をすべて分解して洗えるため、清潔に保てることが利点です。瓶詰めや瓶火入れの機械は、麹室の目の前に置かれています。「吾有事」のfresh&juicyシリーズは無濾過生原酒で、純米大吟醸「雲の上」は火入れでありながら発酵由来の微炭酸を感じる味わいです。2020年には、精米歩合を50%、33%、15%、6%まで磨いた「奥羽自慢」4種を醸しました。使用酵母は山形KAと協会1801号です。

蔵の向かいには、2021年に建てた「HOCCA WINERY」があります。「吾有事」を造る蔵人が、ワインとシードルの醸造も手がけています。テーマは「キュートな酸」で、信頼できる農家のブドウと、山形県産のりんごを使っています。製造部の石塚雅英さんは、無駄を削ぐ日本酒の考え方と、ボディをつくるワインの考え方を相互に活かしながら、日本酒とワインの両方の醸造を担っています。

代表銘柄

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吾有事

2017年に生まれた蔵の新銘柄で、名は曹洞宗の開祖・道元禅師の言葉に由来し、時間を忘れて酒造りに没頭する気概を込めています。酸を軸にした「濃いのに軽い」味わいが特徴です。特別純米、純米大吟醸の黒ラベルや「雲の上」「火先」「山の頂」、fresh&juicyの無濾過生原酒の青・赤・白ラベルなどがあり、2025年からは鶴岡の文化をモチーフにしたwagaujiシリーズも加わりました。

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奥羽自慢

前身の佐藤仁左衛門酒造場の時代から続く蔵の名を冠した銘柄で、平成15酒造年度から18酒造年度まで全国新酒鑑評会で4年続けて金賞を受けました。2020年には出羽燦々を使い、精米歩合50%・33%・15%・6%の4種を醸し、蔵は4種とも来期以降の製造が未定と案内しました。公式サイトの商品紹介には現在も「奥羽自慢」の4種が載り、鶴岡の酒蔵案内では辛口の純米吟醸「醇辛」も紹介されています。

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蔵の基本情報

所在地
山形県鶴岡市上山添字神明前123番地
創業
1724年
公式サイト
oujiman.com

出典

japansake.or.jp / oujiman.com / sakestreet.com / sakeworld.jp / sakenomy.jp / yamagata-sake.or.jp / wagauji.jp / hocca.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / jp.sake-times.com / sakagura-press.com / tsuruoka-sakemeguri.com

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